アイディア
えーと本番です。プロローグです
ここは何処?私は誰?アナタはだれ?
そんなこと僕に聞かないでくれ僕だって解らないんだ。
だからきかないでくれよそんなこと。
ここは真っ暗闇だった。何もなかった。何も。何もだ。
真っ暗で見えないだけかもしれない。
僕は、……僕らはか、この真っ暗闇で二人で居た。それしかわからない。
僕は「僕」。もう一人は知らない。
延々と問いかける彼女。
それしか僕に理解できてることは無い。
ここは真っ暗闇。
すると、彼女の声が止んだ。
すう、すうと息が聞こえる。
寝てしまったようだ。
真っ暗で何処に居るか分からないけど。
声の間隔で、距離が解ると思ったけど。隣にしかその声は聞こえない。
手を伸ばしてもそこには何もないのに。
声しか聞こえない。
彼女のことはおろか、僕自身の体さえ感触がない。
ここはただの真っ暗闇ではないようだ。
ここは…真っ暗闇。―――じゃないんだ。なんとなくわかってきた。
……ここは『無』なんだ。
そう認識を変えた途端に、僕は光に包まれた気がした。
眩しい。これはなんだ?暖かい、暖かい、
僕を包み込む優しい温もり。けどそれは眩しい。
僕は閉じた目を懸命に開こうとした。でも、瞼は重くて、ピクリとも動こうともしない。
そういや、人生諦めが肝心って、誰かが言ったな。
僕はそう思いながら目を開くことを諦めた。
****
「…んっ」
なんだ、すぐに開いたじゃないか。…なんでそんなこと思ったんだろう?
僕は目を見開いた。かすかに窓から差す、日の光を見た。
今日も朝を迎えた。
いつもと同じ朝。
幾度となく繰り返した「日常」
そんなものに「嫌気がさした」なんて、変なことを言う人もいるけど、この平和的な日常が一番だと思う。
毎日毎日、同じような日々。
僕はそれを望んでた。
でも、それは。容易く
削り取られていった。
――――ねぇねぇ、新しい世界を見たくはないか?君にこの力を分けるから僕を喜ばしてみてよ。出来るだけ残酷で、醜くて、…とにかく理不尽的ならそれで良いよ。君の闇を、そのるだらない日常を、さぁ、自分で壊してみてよ。
そういって僕は絵筆を握らせられていた。
不思議だ。なんでだろう。おかしい。解ってる。でも、不思議と目の前に居るナニモノか解らない人物?…いや形なども、何もなかった。
さっきの夢とはちがう。眩しいナニカ。
すると彼は、彼女は、僕に笑いかけ(無表情だったかもしれない)僕をキャンパスの前に座らせた。
―――さぁ、初めてくれよ私を喜ばすことのできる狂気的な世界を、私は期待しているよ。
ブラックアウト。
目の前が真っ暗になった。
次は説明になると思いマフ