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魔女との契約婚で離縁すると、どうなるかご存知?【電子書籍化・コミカライズ進行中】  作者: 白雲八鈴


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第109話 私、歩けますわよ

「空腹じゃないからな」


 空腹? 関係あるのですか?

 聖獣というのは、よくわからない存在ですわよね。


「妾も触りたいのじゃ! もふもふしたいのじゃ?」


 そして魔法陣の外では興味津々のシャロンさんが徐々に近づいてきています。


 私はそういうのはいいですわ。

 逆に徐々に距離をとるように魔法陣の外にでようと足を下げていきます。


 すると突然、聖獣青虎(ベルドーラ)が威嚇するようにガオーっと吠えました。

 結界にバチバチっと衝撃が走り、気を緩ませていた私は驚いて足をもつれさせてしまいます。


「きゃっ!」


 地面に尻もちをついてしまうというところで、その衝撃に耐えるために身を固くしていると、身体が宙に浮きました。

 え? 私は魔法を使っていませんわよ。


「シルヴィア。悪い」


 その言葉に目を上げると、赤い目と視線が合いました。もしかして、クロードさんに抱えられています?


「シャロン、聖獣は契約者以外は好まない。それ以上近づかないほうがいい」

「霊獣の実体化はあまり見られないので興味があったのじゃが、仕方がないのじゃ」


 やはり、シャロンさんでも珍しいと感じる現象だったようです。実体を持たない聖獣の実体化は。


「しかし、ラブラブじゃのぅ。邪魔者はさっさと退散するのじゃ」


 はっ! シャロンさん! これはラブラブとかではなく!


 私が言い訳をする前に、シャロンさんに預けていたケットシーの幼生を渡してきて、帰っていかれました。


「シルヴィア。戻ろうか」


 私を抱えたまま店の方に戻ろうとするクロードさん。ちょっと待ってください。おろしてください!


 あの私、歩けますよ?


 クロードさんに下ろすようにお願いしましたが、何故かそのまま運ばれてしまったのでした。



 *



「エレンシア商会の方ですか?」


 私は昼すぎに訪れた来客に首をかしげてしまいました。

 私は大手のエレンシア商会に薬を卸してはいませんわよ。


「はい。ハイヴァザール様のご依頼の商品をお届けにまいりました」


 ……はっ! 色々バタバタとしていましたが、クロードさんがここで暮らすための商品を購入したとおっしゃっていましたわ。

 しかし、購入した本人のクロードさんは只今いません。いつも通り、食べるための肉を狩りに行ったままです。


「あの? すみません。本人がまだ帰ってきていませんので……」


 出直してもらえませんかと言おうとしたところで、来客を示す店の扉のベルが鳴りました。


「魔女さんや。久しぶりじゃな」


 サイさんです。腰痛が悪化して動けなくなったと幻惑の魔女がおっしゃっておられましたが、二日で回復したようですわね。


「おや? これはエレンシア商会の……商談中であったか? それならわしは少し待たせてもらうとするかのぅ」

「これはサイザエディーロ閣下」


 閣下!

 店の奥にあるサイさんの指定席に行こうとしている、サイさんを閣下と呼んで引き留めるエレンシア商会の方。


「私共は、商品の納品にまいっただけですので、お時間はさほどいただきません。魔女の店主様。ハイヴァザール様から、家主の魔女様の許可があれば、部屋に置いていっていいと許可をいただいているのですが、ハイヴァザール様のお部屋に案内をお願いできますでしょうか?」


 エレンシア商会の方が早口で一気に言ってきました。

 サイさんは南地区の顔役という立場にしては、店の方が萎縮していらっしゃいますわね。


 やはり、幻惑の魔女の影が恐ろしいのでしょうか?


 幻惑の魔女の影響力は凄いものだと感心をしながら、エレンシア商会の方々を二階に案内します。


 荷物は容量拡張型の収納袋に入れているのでしょうが、商品の納品と言いつつお二人も来ていらっしゃるので、かなりの大物の商品を購入したようですわね。


 まぁ、好きなように部屋を使ってもらっていいと言ったので詮索はしませんが。


「こちらにお願いします」


 クロードさんが使っている部屋の扉を開けますと、荷物が何もないがらんどうとした室内が目に入ってきました。


 ……ここクロードさんが数日住んでいたのですわよね。何故に、ここまで何もないのでしょう?


 確かに、大物の荷物を持っていらっしゃいませんでしたが、数日過ごしていれば、何かしらの痕跡というものが……私がどうこう言う事ではありませんわね。


 私はそれ以外の部屋に入らないように言って、サイさんが待っている一階に行きます。

 入られて困るのは地下だけですが、普通には入れないので大丈夫でしょう。


「サイさん。おまたせしました」


 いつもは閉じている戸棚を扉を開けたままにして、サイさんに声をかけます。エレンシア商会の方が下りてきて、扉が開かないと家中をウロウロされても困りますからね。


「魔女さんの薬のお陰で、思っていたより早く歩けるようになったので、礼を言いにきたのじゃ」


 本当に動けないほどの腰痛だったのですか。薬が効いて良かったですわ。


「その前に聖騎士の旦那が、旅支度をしているようなのじゃが、どこかの街に移動するつもりなのかと、慌てて来たのもある」

「え?旅支度?」


 クロードさん。サイさんの耳に入るほど、何を買っているのですか?



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