表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔女との契約婚で離縁すると、どうなるかご存知?【電子書籍化・コミカライズ進行中】  作者: 白雲八鈴


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

106/111

第105話 実家から届いた手紙

「神の玉座の立方体」


 私は幻惑の魔女に私が見たものを話しました。そして、難しそうな顔をする幻惑の魔女。


「これは『鎮星(ちんせい)の魔女』のババァに動いてもらわないといけないわね」


 ひっ! 魔女のまとめ役の『鎮星(ちんせい)の魔女』に、ケンカを売るような言い方は止めてください。


「私は繋がりがありませんので、幻惑の魔女から報告をしていただけるとありがたいのです」


 今回のことで、魔女の集会を開いて欲しいと私は言います。

 絶対に他にもあの魔法陣が、世界の何処かに存在しているはずですから。

 それには、魔女の協力は欠かせません。


「そうね。確かに調べる必要はあるはね。でも貴女、それをなぜ始末しなかったの?」

「貴女は、アレを見た後に手を出せますか?」

「出せないわね」


 幻惑の魔女の言うとおりに、魔法陣を始末するべきだったのですが、すべてが後手後手になってしまったことを考えると、手が出せませんでした。


 他の魔女の知を借りるべきたと私は判断したのです。


「まぁ、わかったわ。この件は私から伝えておくわ。きっと動くのは魔女たちでしょうから、今回は働きすぎよ」


 そう言って、幻惑の魔女は店を出ていきました。


「シルヴィア。ただいま」


 入れ違いにクロードさんが戻ってきました。

 思っていたより早く戻ってきましたわね。それも何故か機嫌が悪そうです。


 昨日の今日で、好みの獲物が狩れなかったのでしょうか?


「食べられる獲物がいなかったのですか?」


 それならば、素材採取のときに倒したままになっている魔物を出しましょうか?


「いや、それは十分狩ってきた」


 そうですか……十分ということは、どれだけ食べる気なのでしょう?


 そしてクロードさんは一通の封筒を私に差し出してきました。


 シルヴィア・ファンベルの宛名が書かれています。

 嫌な予感がして裏をみますと、ファンベル子爵の封蝋が見て取れました。


 兄からですか。今更私に何の用なのでしょう?

 きっと魔女の噂をたどって、この辺境までたどり着いたのでしょうね。


「あ、クロードさん。中庭に行きますか?」

「開けないのか?」


 その言葉に私はニコリを笑みと浮かべ、カウンターの奥にある戸棚を動かして、奥に続く廊下を示しました。


 きっとろくな事ではないと思いますので、一人こっそりと読みますわ。


「そうか。だったら中庭への扉を開けてくれないか」


 私はカウンターの上にあるカゴの中で寝ているケットシーの幼生を抱えて、中庭に向かったのでした。




「待っておったのじゃ!」


 毎日こられるシャロンさんが扉を開けたところに立っていました。

 そのシャロンさんにケットシーを手渡します。


「ミルクをやるのじゃ!」


 シャロンさんは楽しそうにケットシーの幼生にミルクを与えています。

 今、思ったのですが、シャロンさんにケットシーの幼生を引き取ってもらってもいいと思うのです。


「シャロンさん。もしよろしければ、その子を引き取ってもらえませんか?」

「え? 嫌なのじゃ。ここにくる口実が無くなるのじゃ!」


 あ、ケットシーのミルクを持ってくるのが、ここにくる口実になっているのですか。

 そうですよね。毎日出かけていれば、そろそろ周りの人からどうしたのかと、あやしまれますよね。


 ケットシーのミルクを持って出ていくと、都合がよく外に出られるということですか。


「でも、毎日来られていますよね?」

「友達だから当たり前なのじゃ!」


 そういうものなのですかね?


 シャロンさんはそのあと、ケットシーと遊びだし、クロードさんは黙々と解体をし終わったあと、一人で遅めの朝ごはんのためにお肉を焼き始めました。


 やはり、機嫌が悪かったのは空腹だったからのようです。


 そう思うと、非常食としてお肉の取り置きをしているほうがいいですよね。


 私は小屋の前にある丸太の上に腰を降ろします。

 畑作業をしているときに休憩するのに使っている丸太です。


 そして空間から先程の手紙を取り出しました。封蝋をミシッと手でちぎり、中の手紙を取り出します。


 そして手紙の中身を読みます。


 ……思わず手紙を握り潰しました。

 そうきましたか。


「シルヴィア。どうかしたのか?」

「うひゃ!」


 お肉を焼いて食べてを繰り返していたクロードさんが目の前にいました。

 さっきまで、小川の近くでお肉を食べていたではないですか。


 突然目の前に現れないでくださいよ。


「あ……」


 手にしていた手紙が、落ちていきます。そのシワシワになった手紙を私が拾う前に、クロードさんが拾ってしまいました。


「ありがとうございます」


 受け取ろうと手を伸ばせば、手紙が遠ざかり、クロードさんが中を読んでいるではないですか!


「読まなくていいですわ」


 更に手を伸ばせば、遠ざかる手紙。そして文字を追うごとに不機嫌さが顕になるクロードさん。


「シルヴィア。一度、兄君に挨拶に行ったほうがいいよな」

「それ、無視でいいですわ」


 兄に挨拶など不要です。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ