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魔女との契約婚で離縁すると、どうなるかご存知?【電子書籍化・コミカライズ進行中】  作者: 白雲八鈴


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第104話 腰痛の原因

「今回の報酬よ!」


 丸一日お店を閉めて、商品補充が終わった翌朝。

 幻惑の魔女がお店に来られたのです。そしてカウンターの上にドドンと大きな革袋が置かれました。


 中身はジャラジャラと音がするので、貨幣だと思われます。


 あの、大きさがおかしいですわ。

 妖精国にいる子供たちにプレゼントを配るというおじいさんの袋並に大きいです。

 書物でしか知りませんけど。

 実際に会ったことはありませんけど。


「多すぎますわ」

「は? 何を言っているの? 薬の提供分も含まれているのよ」


 それは冒険者ギルドからの依頼なので、幻惑の魔女が持ってくるのはおかしいと思うのです。


「何故に貴女が? お呼びしていただければ、依頼報酬は受け取りに行きましたわよ」

「冒険者ギルドの者たちは、他に異常がないか見て回っているところだから、手が空いている者がいないのよ」


 ああ、そういうことでしたのね。

 今日は朝から客が来ないと思っていましたら、まだいろいろ事後処理を行っているところだったのですか。


「それにディーが腰痛で動けないから、私が色々動いているのよ! これこそ内助の功! できる奥さんってことよ!」


 あの、ちょっと言葉が違うと思うのですが……。しかし、自信満々におっしゃっているので、指摘するのも気が引けます。


 それにサイさんが腰痛で動けないというのはどういうことでしょう?

 昨日の朝の別れ際まで元気にしておられましたのに。


 あ……もしかして!


「もしかして、サイさんの腰痛は、魔法の副作用ですか?」

「何よ! 私の魔法が失敗しているというの!」


 先程までニヤニヤと笑みを浮かべていた幻惑の魔女が、不機嫌そうに言い返してきました。


 そもそも肉体の変化を促して、負荷がかからないわけがないのです。


 クロードさんの聖獣青虎(ベルドーラ)の憑依は、身体的負荷を聖獣のほうが受け持っていると思われます。

 その代わり聖獣青虎(ベルドーラ)の食欲という負荷がクロードさんにかかってきているのです。


 そのクロードさんは食材を狩りに行って今はいません。


 ここ数日商品の取引が行われておらず、いつもの精肉店にお肉がなかったと、死にそうな顔をして戻ってきたのです。

 そして、そのまま装備を整えて出かける後ろ姿を見送ったのでした。


 聖騎士という者は大変ですわね。


「失敗といいますか、魔女は肉体の変化に対して多様ですが、人族はそうとも言えません。あの……魔力負荷が身体の中心にかかっている可能性があります」


 私は老化による腰痛だと思っていたので、痛みを緩和する作用の薬しか、サイさんに渡していませんでした。


 しかし、魔法による障害であれば、話が別です。


 私は少し待ってほしいと言って、簡易キッチンの方に行きます。


 空間からデレニエル草を取り出します。

 一般的に使われる魔力を奪い取る性質の薬草です。適度な大きさに切りました。


 昨日採取したギルエンダーの赤い花を取り出し、花弁をバラバラにします。

 多すぎると、使用者の魔力を枯渇させてしまうので要注意です。


 それを茶葉を炒る用の浅鍋で火を入れます。

 そのままだと、周りの魔力を奪っていきますからね。火を入れることで効果を止めるのです。


 甘い花の香りが辺りに漂い始めたら火をとめます。

 それを一回分ずつ薬包紙で包みました。


「これを、いつも飲む茶葉に混ぜてお茶を淹れてください」

「これは何?」

「内側にある余分な魔力を排出する茶葉ですね」


 お湯で成分を溶かして、体内に取り込む仕様です。そして、魔力を取り込んだ液体を体外に排泄するのです。


 茶葉が多すぎても少なすぎてもいけません。量が多すぎて魔力が無くなれば、生きていけませんからね。


「一日一杯。一週間。時間はいつでもいいので飲み続けてください。そうすれば、身体の中の余分な魔力は抜けきると思います」


 こう言ってはなんですが、魔女の魔力と人の魔力は違います。

 魔女は魔に属するものですから、人にはなじまないのです。


 無理やり肉体の変化を促せば、体内に魔女の魔力が残留する可能性があるのです。


 エルフ族のシャロンが言っているボン・キュッ・ボンの身体になりたいというのは、こういう理由もあり無理なのです。


「そうすれば、身体の中心が痛むことはないと思います」

「そう……禁厭(きんえん)の魔女がそういうのであれば、いただくわ。対価は如何ほどかしら?」


 もっと色々言ってくるかと思っていましたが、案外素直に幻惑の魔女は受け取ってくれました。


「対価ですか」


 私はちらりと特大の革袋に視線を向けました。

 普通の人であれば、その報酬で賄えるというところですが、今回は魔女同士の取引です。


 茶葉の価値と同等の対価を提示する必要があります。


「そうですわね……お勧めの甘いお菓子をいただきたいです」


 私が渡したのは茶葉なので、お菓子ぐらいが適正でしょう。


「それなら、帝国のお菓子を用意するわ」


 幻惑の魔女はそう言って、帰ろうと店の扉の方に……ちょっと待ってください!

 まだ話したいことがあるのです!



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