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空の色を美味しいご飯に夢を見た虹の最中(あるいは貴方が信じていた幸福の結末)

作者: 藍槌ゆず


 トオリはいつも虹の端に立っていた。

 母親は今日はハンバーグを作るらしい。

 浴槽に沈むエプロンはいつも刺繍が解けて森の奥には辿り着けず、わたしはいつも迷子のようにトランクの中で泣いていた。


 知らない男の声がする。


 我々は貴方のそばにいるといい、私は群青を凪いで窓枠の端にかけていた。母親は踏切から出てくることはない。


 知らぬまま生きていくだろう。


 貴方は此処から生まれたのよと母は言い、私は三度硝子瓶を壊した。さよならはいつも赤黒いケーキの奥から食み出ている。


 知らない顔を見ながら笑う。


 さて此処に吊るされた無数の袋から一つ選んで下さいあなたにはそれが必要ですどうしても先に進みたいなら鏡の向こうから早くとびきりの鋏を出して、右腕と左の薬指だけ拾い上げてください


 貴方は知らないと言う


 遠い昔に再開した数多の星に紛れるようにして可愛いワンちゃんネコちゃんの新商品にはこれは静かに階段を降りていく封鎖されています


 踏切


 指先から伝わるものはさほど多くはなく 貴方は夢からさめるためにわたしをつかうだろうしあわせになってくださいあなたにはその小瓶を飲み干す権利が与えられます


 踏切


踏切


 断絶



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― 新着の感想 ―
[良い点] 美味しいご飯という言葉に釣られてきたら、鳴り響く不協和音に、ただただ圧倒されました。 腹の底にズンと響きましたが、嫌な感じじゃない、不思議な感覚です。
2024/02/19 00:17 退会済み
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