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子供向けのお話シリーズ

休目勤務

作者: 日浦海里

目玉のずっと後ろの方から

小さな白い糸がいくつものびてきて

(おく)(おく)へと引っぱりこもうとしてる


まぶたには小さな人形たちがぶら下がって

みんなでさかあがりなんかしてるんだ、きっと


かけ上がってく足が

目をとんとんとリズムよくたたいて

いたみよりも気持ちよさで

まぶたをささえる力がどんどんぬけていく


今日も一日「おつかれさま」だねって

だれかがそうじをしてくれてるのか

目の上の方がザラザラとした感じで

落ちかけたまぶたをもどそうとしても

何かがつっかえてもどせない


そのうち耳の奥のシャッターもしめられる


音が消えて

黒いまくが下りて


まぶたでさかあがりしてた子たちは

上手くくるっと内側に回り込めたのか

まぶたの内がわをハンモックにして

ゆらゆらねむってしまったみたい


これ以上はたらかないようにって

目玉のまわりにネットをはられて

まるで大きな魚をつり上げたみたい


まっくら、音のない意識の中で

今だっ!ていきおいづいて

メンテナンスを始めた子たちが(おく)にいるけど

きっとそんなことに気づくこともないまま

先に夢の世界だよね


おやすみ

おやすみ

いい夢を


おやすみ

おやすみ

また明日

君が眠れば仕事も終わり

僕の瞼にも小さな子達が

ぱたぱた走り回ってるかな

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― 新着の感想 ―
[良い点] もっすごい 優しくて可愛い 作品ですね。 あの気だるい瞼の重み、抗えない不思議な重力を 逆上がり→ハンモックまで納得の動作 どうりで眠気には敵わない筈だ 楽しく遊ぶ人形たちの邪魔は出来…
[良い点]  どうしようもなく眠いときはそうなります。  そしていつの間にか眠っている。    >目玉のまわりにネットをはられて   まるで大きな魚をつり上げたみたい  この文章も可愛いくて面白いな…
[良い点] なんて素敵な詩! 心の中がぽかぽか温かくなります。 [一言] 最近眠れてなかった分、今夜はよく寝れそうです。
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