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Aspire[執行人]  作者: 日下部素
第1部.始まりのサイセイ
10/22

10.楽しい職場

「斎藤。説明しろ」


「以前よりアルバイト枠で部員補充を行いたいと考えておりましたので、働き盛りの奏多さんに折角ですので入職いただき、この際保護を目的にここにおければと考えています」


「部員の補充はわしと人事課の担当だろうが」


「昨日の今日でとち狂ったか」


「三境会第5類規程、人事概要、職員の採用について」


「!」


「代執行員の臨時採用…」


「わかった。好きにしろ」


「ありがとうございます」


「代執行委員会の承認をいただいた後一旦帰宅してすぐ戻ってきます」


「風呂で頭でも冷やしてこい」



「というわけで、奏多さん。部長から許可が降りたのでしっかりと働いてもらいます!」


「(どうやったんだ。)」


「まずは簡単な作業から仕事を引き継いで」


「田中さん」


「はい」


「彼にもろもろの説明と教育係を任命します」

「わかりました」


「(順応はや)」


「私は委員会があるので。それでは」


「就職おめでとうございます」


「ありがとうございます(通学中に入職ってあるんだ…)」


「総務課の簡単な概要から」


「一個聞いていいですか?」


「はい」


「課長は委員会も兼任しているんですか?」


「代執行委員会は定期開催ですが今回は臨時開催です。地区長の命令で開催と臨時議題の提案がなされました。ちなみに斎藤課長は代執行委員会の副委員長です。委員長は阿南事務局長です。が実務的なことは斎藤課長に任されています」


「兼任という言い方が正しいかわかりませんが解釈はそれで結構だと思います」


「代執行委員会って何するんですか?」


「代執行委員会は地区ごとに定期開催が義務化されており、組織内の代執行に関するコンセンサスが主な役割です。また他地区の運用方法の共有、その時時の問題点の提起、改善、是正、簡易な相談なども委員会の役割となります」


「わかったような、わからないような」


「そうですね。…噛み砕いていえばちゃんとした包丁の使い方を組織内で共有して正しく使いましょうと言ったところでしょうか」


「今回の臨時議題の内容は?」


「やや憚られますが奏多さんについてです」


「先の大天使の介入事案での事務局内での職員における24時間シフトでの警備についてです」


「現在、総務課のみでこのシフトを回していますが他部門にもお願いして協力していただきます」


「そんな簡単にシフト制なんて導入できるんですか?」


「わたしも今回が初めてです。過去の記録でもあまりありません。確認できたのは数十年前で獄界側の治安が著しく悪くなり人間界にも影響がおよび治安維持のため当時の地区長が24時間シフト制を一時的に導入した時です」


「自分が代執行できればいいのですが…」


「おっしゃりたいことは理解できますが共感はできません」


のちのち詳しい説明しますがと言い、


「代執行はかなり影響が大きい行為です。行政の代わりに執り行うことなので本来慎重に使用しなければなりません」


「申し上げにくいですが今回、総務課長さんは局内で2回、緊急かつ強制的に行いました」


「二回?」


「はい。一回目は大天使に、二回目は奏多さんにしようしました」


「え…」


「代執行は状況によっては対象者の無力化も可能にします。無力化は天界や獄界に叩き返すくらいの力があります。受けたものは私たちの目が黒い内は現界できません」


「それって人が喰らったら…」


「即死もあり得ます」


「ちょっと用事が…」


「職務中です。落ち着いてください。勤務初日です」


「よくよく思い出したら田中先輩も取り乱してましたよね」


「コンプライアンス違反どころか職務停止や懲戒処分も十二分にありえました」


「代執行は管轄都道府県および本部にその使用が連絡されます」


「今、都と本部に地区長が釈明というか説明しに行っています」


「斎藤課長はかなり優秀な方です。事務局長や地区長もそう遠い話ではありません。今回の件も意図があってのことだと推察します」


「…ずいぶん持ち上げますね」


「事実を申したまでです」


「本題に移りましょう」


「総務課は三つの係に分かれます。ここ総務係、庶務係、受付係です」


「?斎藤課長はあの時、受付ロビーにいたような」


「はい。結構自由な方なのでその日その日でやってることが違います」


「それは大丈夫なのか…」


「係長2名が休暇中、受付係長が課長が兼任しています」


「え…この企業…」


「一名が妊娠されていて一名が怪我のため療養中です」


「あ、なるほど」


「しわ寄せが私たちにも来ています」


「あ、やっぱり用事が…」


「にがしま、あ、職務中です。私用は控えてください。」


「…部員も喜ぶってそういう…」


「アルバイトで未成年で学生で24時シフト制に切り替わるからと言って就職した以上言い訳は聞きません。覚悟してください」


「何も言ってないですよ!」


「慢性的な人不足です。本来の必要人員の8割しかいません」


「なんで追い討ちをかける…」


「実体を知らずに働かせるよりはいいと思います」


「実体を知らされず入職させられたのですが」


「さあ、実務に移りましょう。Officeソフトは一式使えますね。プログラミングなどできれば覚えておいた方がいいです。それから庶務係の方も手伝っていただきます。あ、内線表も渡しておきます。外線はシャープ2回で取れます。コール一回で取ってください。必要書類はイントラに上がっています。受付も…」


「全部じゃん…」


「斎藤課長からなんでもできるから使ってあげてとおおせつかっています」


「あのBB○!ぶっこ…」


「!ダメです!おさえてください。後でバレたら大変なことに…」


「ふうう!ふうう!」


「どうどう、徐々にならして行きましょう」


「お疲れ様です!初日はどうでしたか?」


「疲れました。慣れないことばかりで」


「大丈夫ですよ。後50年もあるんだから。徐々に慣れていけばいいのですよ」


「…全部わかっていてやったんですね?」


「なんのことかしら?」


「…」


「そんなに怒らないで」


「アットホームな職場っていいわよね!もうお家が会社みたいなものですもの。24時体制であなたたちの警備をしていただけることも決まりましたし」


「天使はどうしたんですか?」


「談話室でお菓子食べながらぐうたらしてますけど…ちょっとどこに行くんですか!あれだけ元気があればまだまだ大丈夫そうですね」


「はい斎藤です」


「わしだ。急用ができた。佐世保に飛ぶ。用意を」


「一泊ですか?」


「わからん。一旦空路を抑えてくれ。ホテルはこっちで抑える」


「了解しました。」


電話をもとにに戻しながら


「宮田さん、ネットで羽田から佐世保か長崎の飛行機のチケットをおさえてください。すぐに部長が出発されるそうです。」


「わかりました」


斎藤はまったく心当たりがなかった。たしかに長崎にも三境会はある、だが佐世保を名指したのは予想外というか本当に急用なのだなと感じた。


小一時間後。


「行ってくる。何かあれば事務局長に相談しろ。話しは通してある」


「お気をつけて」


座りながら総務部員が見送る


「部長カバンしか持ってなかったね」


「本当に急用って感じですね」


「はい。三境会…はい、はい、わかりました」


「課長、部長からです」


「?」


「幹部会に代わりに出ておいてくれと」


「…了解です」


「失礼します」


「話しは聞いているよ。入って」


地区長が手招きする。


「今日は幹部会でしたか」


「私と事務局長の提案」


「その心は?」


「大喜利じゃないんだから〜」


「ごほん!」


「…失礼しました。」


「議題はかの少年への獄会側からの介入について」


「んー何か心当たりが?」


「いや、むしろここまで静かなのは奇妙だと思ってね」


「嵐の前のなんとやらだ。」


私見ですが斎藤が言い


「必ず仕掛けてくると思います」


「御二方はどうですか?」


地区長が経理部長と事業部長に目をやる


「どちらにせよ、装備品調達は早めに済ました方が良さそうね」


「出番が来れば総務部と足並み揃えて対応しますよ」


サラッと答えるが斎藤と比べれば年季は圧倒的に各部長の方が上だ。

事業部長が付け加える。


「シフト制も導入したし、役員の常駐もしてる」「何かあればこの上は非常呼集だ。」

非常呼集。あまりいい響きではない。


「んー…何もないのが1番だがね」


「それでは各部門におかれては早々に臨時体制が取れるように改めてお願いします」事務局長がしめようとしたとき、斎藤が

「中村部長の佐世保入りは何かお聞きですか?」


全員が動きを止める。


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