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サンシキスミレ  作者: 糸東 甚九郎(しとう じんくろう)
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黒星きんちゃん

 フラれた。無理だとわかっていた。

 でもやっぱり、ショックだ。「あなたが私と釣り合うとでも思ってんの?」と、そう言われた。

 告白した相手はこの大逸見(おおいつみ)高校(こうこう)ナンバーワン、いや、もしかするとこの群馬県トップレベルの才色兼備な女の子だった。


 僕は悟っていた。初めから、宝くじで一等当てるのと変わらぬ確率だったんだろう、と。

 これで、人生においてにフラれた人数はざっと二十人。今や僕は、「黒星きんちゃん」と呼ばれている。

 田丸(たまる)きん(ぺい)。群馬県立大逸見高校三年一組、農業科。

 勉強、スポーツ共にダメ。特技はニコニコ笑うこと。体重はちょうど百キロ。髪はいつでも、坊主ヘアー。そんな僕だ。


 小学校からずっと相撲を続けて、今年で十年。

 でも、これまで大した実績も無い。大会では一度も勝ったことがない。負けるのだけは慣れている。白星ゼロのまま、高校の部活も引退した。


 今日もまた、僕はどすどす音を立て、輝く星を見上げて帰る。

 黒い星って空には無いんだよな。


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― 新着の感想 ―
[良い点] また、糸東先生の新作が始まりましたね! 今度は、群馬県ですか! これまで、主に栃木県が舞台でしたが、『潮騒のすず』や『ウィーク&ウィーク』で他県が舞台となり、また面白さが増したと思ってまし…
[良い点] なんかまた、新しいやつがでてきた! タマオ系かこいつwww
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