オニイとボクと時々オトン
そんな急にヒロインが現れる筈もなく、一息つくためにオヤツタイムになったよ。
『美味しいね~モグモグ~』
早良さんのオヤツは本当に旨いよ。
今度は焼き芋スイートポテトだよ。
見た目は焼き芋を半分に割ったもので、スイートポテトも焼き芋の香ばしさがあって美味しいよ。
「お気に召して頂き光栄です」
ウインク頂きました。
「コーチャンだと思うと複雑…」
「ハハッ、トキはツンデレなとこが可愛いね」
「もう!コーチャンの事なんて、何とも思ってないんだからね!」
「ほら素直になって、オレの胸においで?」
「おい光成、息子はやらんぞ?」
「俺はいつまでも、父さんの息子だよ?だからコーチャンとの事を認めて欲しいんだ」
「蓮さん…絶対にトキを幸せにするから、どうかトキをオレに下さい」
うはぁ…その真剣な表情も、サワラーコレクションに入れとく。
「それにオレはトキの記憶を消した犯人も、絶対に見つけるから!その為にグラマスになったんだ。初めて会ったトキに"にいちゃ"って呼ばれて、これはもうトキはオレの弟って事だよね?オレはトキのお兄ちゃんになるって決めたんだ!オレにとってトキが一番可愛いんだよ!」
ヤバい…まさかコーチャンはヤンデレ属性
だったのか?
父さんを見ると、処置なしって感じに首を振る。
「もちろん、オレがグラマスになった後は、八女家につけた護衛も厳選して、報告も全部目を通したよ?ずっと会わなかったけど、トキの事は何でも知ってるからね?」
いや、この目は…俺は今試されているんだ…これを乗り越えられるか。
この勝負は受けて立たねば男が廃る。
「コーチャン、俺の為にありがとう。やっぱりコーチャンは俺のヒーローだよ!いつも見守ってくれて、ピンチの時に駆けつけてくれるんだよね!お兄ちゃん大好き!」
やって、やったぜ。
抱擁付きの渾身の一撃だ。
「トキ…お前そこまで…ふっ、これは完敗だな…」
「コーチャン…ありがとう」
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勝負が終わりました。
勝敗:勝ち(レベル差100以上)
状態:無傷(疲労度10)
リザルト:経験値203 技術値187
攻撃力2 精神力4 魔力2 体力3
知力2 Mガチャチケット[C]1枚
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ふふふ…肉を切らせて骨を断つ。
無傷ってホントに?
男の尊厳にダメージがあったんだけど…
リザルトを得るために、大事な何かを失った気分。
その疲労度が、爺ちゃんとの立ち会いと同じって事なのか…
「で、リザルトはどうだった?」
「あ、わかった?」
「トキはわかりやすいからね」
「え?そうかな?家族以外には表情が変わらないって言われるんだけど」
「お兄ちゃんだからね」
やめれ、さっきの傷を抉るな。
「まぁ半分は本気だけど、途中で面白くなって、何か演技勝負みたいな気持ちが湧いてきたからね」
半分本気ってどの部分?
何か聞いたらダメな予感がする。
さっさとリザルトの説明で誤魔化す。
「勝負って、こんな事でもいいんだな。なら今度は俺と将棋でもするか?」
「将棋よりゲームがいいな」
父さんに将棋だと絶対勝てないし。
「それは色々と試してみたいね。やはりレベル差でかなり経験値が貰えるのは、凄い効果だな。モンスターを倒した時は、大したことなかったよな?」
「うん。経験値4と3技術値2と1だったし、ステ値は攻撃1と速力1だけだね。チケットはDガチャ[F]とIガチャ[E]だよ」
「朱鷺、それでレベルアップしたか?」
「モンスターを倒した時はしてなかったから、見てみるね」
レベルが1、HPが4、MPが5、GPが4上がってた。
スキルは増えてなかった。
あれ?
幸運が強運になってる?
ガチャミ出番だぞ!
『モグモグ~な~に~?』
『幸運が強運になってるんだが?』
『幸運がMAXになったんだよ~』
【強運】は、幸運をMAXにするか何度も死の縁から生き残る等で出る、パッシブスキルで運が40%上がる、職業に招き猫が出る、極めれば運が上がる。
幸運の倍の運だな。
招き猫?ガチャミよろしく。
【招き猫】★★★★は、強運スキルを覚えると出る、幸運を招き悪運を払う、右招きスキルと左招きスキルを覚える、猫系モンスターに好かれる。
………猫になったりしないよな?
『ならないよ~でも日向ぼっこは好きになるよ~?』
…また微妙な。