過半数は民主主義
安全地帯に到着した。
早良さんが机や椅子とトイレを設置している。
サブマスが結界を張って、皆で座って寛ぐ。
1人寛いでないけど、俺だよ。
何かノリノリが睨み付けてくるんだもの。
飲み物を、いつもの様に用意してくれる早良さん。
いやコーチャンだと思うと違和感あるよね。
チラチラ見てしまう。
いつものイケメンフラッシュが眩しい。
「では、まずはヒノリさんのスキルについて、ステータスを確認しましょう」
「わかりました。ステータスオープン」
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名前 大牟田 ひのり
性別 女
年齢 15歳
職業 中学生
レベル 1
HP 10/10 MP 12/12
スキル【メタモルフォーゼ】【柔術】
パーティー 日本ダンジョン探索者…
称号 【※※※※※※※※】
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ふ~ん、柔道やってるんだ?
15歳女子ならHPの平均は9だから、まあまあだね。
MPの平均は8だから、かなり高いよ。
他は称号が俺と同じで伏せ字で見えないね。
でも華麗にスルーしておく。
▶マークもないし、スキルと称号以外はMPが高いくらいの、平凡なステータスだ。
いや、俺を基準に平凡とか言ったら駄目だな。
『ガチャミ、メタモルフォーゼの説明をよろしく』
『は~い!ガチャミにお任せ~』
説明によると、ユニークスキルだから1人しか出ない、前に出た事があるからスキル妖精はいない、世界中のあらゆる生き物に変身出来る、変身した生き物の身体能力に合わせてステータスが変動する。
『なぁ称号は俺のと同じなのか?』
『違うよ~朱鷺のはアーカイブ関連だけど~ノリノリは生き物図鑑だよ~』
なんだって?
『生き物が載ってる図鑑にアクセスして~変身するんだよ~えとね~遺伝子?って言うのを探すの~』
えぇ何かヤバくない?
『何か問題がある生き物はないのか?』
『えとね~自我が戻らなくなる生き物もいるよ~』
ほら、やっぱりヤバいのがあるじゃないか。
『自我が戻らなくなる生き物ってなんだ?』
『ん~?自分とかけ離れた生き物~?脳がないとか~集団の1つとか~?』
あ~単細胞生物とか菌類とか?
まぁそんな生き物になりたがるヤツもいないから、そこらは大丈夫だろ。
コーチャンに合図する。
やったよ眼と眼で通じたよ。
「では朱鷺君、説明をお願いします」
「あ~先ずはユニークスキルで間違いないよ。世界中のあらゆる生き物に変身出来るのと、変身した生き物に合わせてステータスが変動するよ。脳がない生き物になると自我がなくなるから気を付けて」
「え~そんなの恐いよ」
使わなきゃいいだけだよ。
「称号が見える方はいますか?」
全員、見えないと答える。
もちろん俺もね。
「ホントにあるんだってば!ほら、ここに※みたいな変なマークが!」
「ごめんなヒノリちゃん。おじさんには見えないよ」
「悪いがワシにも見えんな」
「見えないけど、ヒノリを信じてない訳じゃないんだよ?」
「私も見えませんね」
「俺も見えないよ」
目を光らせた早良さんにも、見えないならしょうがないね。
俺も言わないよ。
「次に、職業も見せて下さい」
「え、なんで?」
「こら、ヒノリ!」
「もうわかったよ~」
サブマスも大変だね。
職業は次の通りだった。
無職 変身師 柔術士 探索者
歌手 ワガママ娘
皆に沈黙が落ちたよ。
「きゃ~何これ?!昨日はなかったよ、こんなの!」
「どれ?」
わかってるけど、一応確認しておく。
「ワガママ娘ってヤツよ!」
やっぱり?
『なぁガチャミ。周りの認識で職業が出るって、どれくらいの人数なら出るんだ?』
『んん~?複数の内の~半分くらいだよ~』
へぇ~この場合の周囲は5人いるから3人の認識なのか…
クルリと見回すと、眼を逸らす1人とニッコリ笑顔が1人と俺と。
なるほど。
って周りの人数が少なすぎると思うが…
『朱鷺の認識はアーカイブに反映されるから~そこで半分以上が納得したら~出ちゃうよ~』
なんそれ?!
誰が納得するんだよ?
言えない~ってそこは言えよ!
まぁ、その他大勢も納得のワガママ娘って事で!
あぁ、早良さんの執事とかサブマスの弄られキャラもか…
サブマスすまぬ。
『変身師、柔術士、歌手、ワガママ娘を説明してくれ』
【変身師】★★★★は、メタモルフォーゼがあると出る、変身中の身体能力が上がる、変身した生き物のスキルを使える、極めれば自分で想像した生き物に変身する。
【柔術士】★★は、柔術スキルを覚えると出る、体力と防御力と精神力が上がりやすい。
【歌手】★は、周りの認識もしくは人前で歌うと出やすい、歌スキルを覚える事がある、体力と精神力が上がりやすい。
【ワガママ娘】★は、周囲の認識もしくは我が儘を何度も通すと出る、知力と運力が下がる、初対面でも我が儘に見られる。
うわぁ…デバフのかかる職業もあるんだな。




