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妖精界も格差社会

B会議室に入るとサブギルマスがお弁当を並べていた。


早良さんはお茶を用意しに行ったみたい。


「朱鷺君、どのお弁当が良い?」


相変わらずの小首をかしげる仕草だが、全く可愛くない。


先に選らんでと言われたから見てみると、ハンバーグと唐揚げと幕の内なら、唐揚げにしよ。


席に着くと、ツルツルじゃないツルピーが、ガチャミは居るのか聞いて来た。


「この辺を飛んでます」


俺の左前くらいを指差す。

最初、俺の肩に座ろうとしたから断固拒否した。


ツルピーはやっぱり見えないねと、八の字眉毛で小首をかしげる。

カキピーを彷彿とさせる顔が何だかな…うん何も見なかった。


そういや、ガチャミが羽ばたく度に光りの粒みたいなのが飛び散ってるけど、鱗粉()じゃないよな?


『失礼な!ガチャミのキラキラは~皆を幸せにする祝福の光なんだよ~』


『毒にも薬にもならないヤツか』


『うきぃ~!朱鷺ってば~イジワルばっかり言うとサポートしてあげないぞ~』


『なら非表示で良いか』


『ごめんなさい~それだけはご勘弁を~』


机の上に土下座するガチャミ。

なんだ?非表示になると問題でもあるのか?


しまった!みたいな顔をしているガチャミに、これは追及しなければならない予感がする。


さぁ洗いざらい言えと、ジーッと眺める。

びくびくと上目で伺ってきたガチャミと目が合うと、慌てて額を机に着けて非表示だけはダメなの~と泣き出す。


非表示(いらない子)になると、不名誉な事として妖精界でバカにされて、スキル妖精として失格とされて、二度と選ばれなくなるのだとか。


しかもスキル妖精に選ばれると名前が貰えるから、名無しの妖精とは格が変わるらしい。

それが名前があるのに名無しと同じ扱いにされるとか。


『格が違うと何が変わるんだ?』


皆の憧れの存在になってチヤホヤされる?それで毎日オヤツが支給される?あと大きな木に住める?

あ、そう…それだけ?


てか初めから、ガチャの妖精として生まれたとかじゃないのかよ。

どんなスキルにも妖精がいるのか聞くと、どのスキルにもいるけど派遣されるのは、世界で初めてスキルを獲得した者だけだと。


その後に同じスキルを獲得した者が現れても派遣されないから、スキル保持者が死亡したら妖精界に戻って、また違うスキル妖精に選ばれるまで待機(チヤホヤされる)らしい。


そいつらにもステータス画面に、●●のお部屋があるのか…あるんだね。


『誰が名前つけるんだ?』


『それは~我らが妖精の女王~フェアリン様だよ~』


妖精のネーミングセンスェ…


『スキル妖精に選ばれる度に、名前が変わるのか?』


え?一番初めの名前のまま?

じゃあ例えばムック(出版物)スキルでもガチャミになる場合があるって事?

このギリギリを攻めたい気分。


ここ(地球)以外にも呼ばれたりする?』


スキルがある世界なら、色んな世界に呼ばれると。

なるほど、やっぱり異世界があるんだな!


『でも~この事は絶対に他の人には言わないで~』


『何故だ?ダンジョンが出来たくらいだから、別に異世界があるのは誰でも想像つくし、言った所で特に何もないだろ?』


『朱鷺はアーカイブに関わる権利を持ってるから~教えても問題ないけど~ホントは誰かに言ったら聞いた方にもペナルティがあるの~』


何だってペナルティ!?

そういやアーカイブって何かどこかで聞いたな…

あ?ステータス獲得の時か!


『アーカイブに関わる権利って何だ?』


『それは言えないの~』


『ペナルティってどんなのだ?』


『ん~?記憶を消されるか~死ぬか~存在を消されるか~?』


怖っ!

何だよその3択…


『存在を消されると、どうなる?』


『今まで生きた記録がなくなるよ~誰も覚えてないし~何も痕跡が残らないよ~』


マジか!?

存在がなくなっても誰にも気付かれないとか、それは神の領域だな。


でもひょっとしたら記憶を消されてても気付かないから、既に消されてる可能性もあるのか?


誰かが消されても誰も気付かないとか、認識すら出来ないって事か。

考えたらゾワゾワする。


『そういやアーカイブって何だ?』


『それは…えと…』


ヤバい!消えるヤツか?


『何だっけ?』


って知らんのかい!!


『あ~そうそう~記録の蓄積的な~?』


そのまんまだな!

何の記録だよ!?


『世界だよ~』


すげぇ規模の話だな…

もう、気にしない方向でいくわ。

気にしても気にした事すら忘れてる可能性もあるからな。


とりあえず、俺には片付けなければならない事がある。

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