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ちゃちゃっとボス戦

「これも修行だよ」


 チャラそうな笑顔で言われると腹が立つ不思議。


「それじゃあ、ボスを倒しちゃおっか」


 諦めて神殿の扉に手を掛ける。


 ギギィと、相変わらずの効果音と共に扉が開いていく。

 石造りっぽいんだがら、ここはゴゴゴだろ。


 途中からゴゴゴになった。

 ダンジョン神さんは俺を見張ってるの?


「時間が勿体ないし、炎剣とシエルを使っても良いよ。部屋の中なら見られる事もないし」


「わかった。シエル出てこい」


 ポチっとボタンを押してオーブを投げる。


「ピュイピュイ!」


 喜ぶ鳴き声も可愛いよ。

 もふもふ。


「さ、シエル。ちゃちゃっとやるよ」


「ちゃちゃ、やるの」


 うんうん、可愛い。

 支援魔法で素早さを上げて貰う。


 ここのボスはグラスフォックスと、お供にビッグモールとビッグザンティウムだ。


「炎剣」


 刀を抜いてスキルを使うと、刀から炎が伸びる。


 走り寄るとオナモミが飛んで来るが、炎剣で切り捨てる。

 炎が触れただけで消し炭になったから、実際は切ってないけど。


 全てのオナモミを飛ばし切ったので、本体は無視してビッグモールをサクッと切り捨てる。


 返す刀でオナモミの本体を逆袈裟にすると、飛びかかって来たグラスフォックスを水平に切り払う。


 1分もかからず終了した。

 シエルの支援とブーツの効果で、E級の探索者では出せない速さだからね。


 ランクEのボスって、お供がやられるまで動かないから楽だよな。


 ドロップは毛皮だった。

 宝箱からは毛皮のローブが出た。


 ローブのフードが狐の頭になってるのだが、そのため一部の人にしか人気がないので、買取価格は3千円と微妙なレアアイテムだ。


 隠し部屋はボス部屋の中にある、神像っぽい彫刻の裏側にあった。


 ガチャをするとランクはDだった。

 前よりランクが高いから、またストレージの肥やしになりそう。


 中に入ると、木が1本生えていた。


『ガチャミ出番だぞ』


『ガチャミにお任せ~』


 ポーズはいいから早く説明しろ。


『これは~世界樹の苗木だよ~』


 苗木?

 俺の背丈より高いのに?


 てか、ランクDで世界樹なんて出るのは、どうなっているんだよ。


 苗木の間は普通の木とほぼ変わらないから?あ、そう。


『えとね~聖域に植えると~世界樹になるよ~』


『聖域ってどこだよ』


『知らない~』


 知らないのかよ。

 謎の存在に聞いてくれよ。


『内緒だよ~って言ってる~』


「コーチャン、どうする?」


 目を光らせてるので、何か解るかな。


「世界樹の苗木は、過去にも見付けた記録はありますが、持って帰って植えても枯れてしまったようです」


「なら、放っておこうよ」


 アイテムボックスに入れるにしても邪魔だし。

 ストレージはガチャアイテムが溜まってきてるから、枠を空けておきたいし。

 カプセル状態のも沢山あるから困ったもんだ。


「取り敢えず持って帰ろうか。ガチャアイテムだから、前の苗木とは違うかもしれない」


 マジか。


『なあ、ガチャミ。世界樹って天に届くくらい大きくなるヤツだよな?』


 そんなの植えたら日照権問題が勃発する。


『そだよ~妖精のお家になるよ~』


 なんだって!?

 思わずガチャミを問い詰めた。


 だが、謎の存在に口止めされてるらしく、俺も消えたくないので断念した。


 結局、妖精の世界が聖域なのかもって事が解っただけか。


 口を滑らせたガチャミは、謎の存在にオヤツが1日だけ苦くなる呪いをかけられていた。


 オヤツを食べて泣いていたが、オヤツを我慢する選択肢はないようだ。


 同じ物をご飯だと言えば苦くないのも謎だが、妖精(変な生き物)だからか。


 オヤツの定義ってなんだろうな。

 カレーは飲み物みたいな事なのか?


 世界樹の苗木は、どう持って帰れば良いのかと思ったら、触れると鉢植えになった。


 なんでやねん。


 普通の隠し部屋の中にあった宝箱は、迷宮赤牛の皮で造られた胸当てだった。


 冒険者感が出る、良い感じのデザインだ。

 チュニックと合わせたら、異世界ファンタジーの登場人物のようになるだろう。


 青蜻蛉の眼鏡で見たら、防御力+3だった。


 そうそう、この眼鏡は紫外線とかが見えるだけかと思ったら、アイテムを見たら防御力や攻撃力なんかの簡単な内容が見えるのが判った。


 ステータスは見えないが、装備品の強さで大体の実力がわかるかもしれない。


 ただ、デザイン的に認識阻害を使ってる時しか使いたくない眼鏡だ。


 他に何もないか確認して転移水晶の登録をする。

 1階には戻らず6階へ進むために階段を降りると、雰囲気が変わった。


 6階からは丘や川がある起伏に富んだ地形になる。


 草も芝生のような短いものから、(すすき)のような背の高いものまであるから視界が遮られる。


 そして、ここからはお馴染みのゴブリン…ではなく、コボルトが登場する。


 ランクEダンジョンは人形(ひとがた)に慣れさせる為なのか、必ずと言っていいくらい二足歩行のモンスターが出てくる。


 犬が二足歩行している見た目のコボルトは、サイズも強さもゴブリンとそれほど変わらない。


 ゴブリンの様に武器を使う事は少ないが、代わりに牙や爪を使って攻撃してくるのと、少し素早いのが特徴だ。


 6階は単体なので倒すのに問題はないが、犬だけに鼻が良いのか風下から別のコボルトがやって来る事があるので、倒すのに手間取ると危険だ。


 転移水晶を使えるパーティーがいるから、この階は少し人が多いので階段まで最短で走る。


 避けたつもりが向こうから寄って来た2体と戦闘になり、階段まで30分程かかってしまった。

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