表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/173

サワラー爆誕

冷たいお茶を飲んで落ち着こう。

カラカラと氷の涼しげな音とは裏腹に変な汗が出てきた。


向かいの厳つい男(オッサン)もゴクゴクと飲んで沈黙の間を持たせている。


早良さんだけが優雅な姿勢で座り、ストローを使って飲む様子は、まるでアフタヌーンティーを楽しむカフェのよう。


やがて皆が落ち着いたのを見計らった様に、早良さんが説明を始める。


「まず今回のステータス獲得についてですが、世界ギルドのデータにないスキルの確認がありましたので、その件でスキル特例法が適用されます」


おぉ、早速きたよユニークスキルの事だな。

スキル特例法って何だっけ?高校で習う範囲かな。


「スキル特例法とは"ステータス獲得ならびにスキル獲得におけるスキルの使用及び情報規制等の特例に関する法律"と言うのですが、長いのでスキル特例法や特例法で通っています」


わ~完璧に法律の名前言えちゃうとか流石は早良さん。

もう俺もサワラーになろうかしら。


「ザックリ言いますと、ギルドが把握していないスキルを発見または登録された場合に使用制限と情報規制がかかります。今回の場合は【ガチャ】ですね」


一瞬チラッとサブギルマスの方を見てしまう。


「あぁ心配いりません。こう見えても副支部長ですからスキル登録資格はありますので、スキルの情報を漏らすことはありません」


()()()()()()の力強さはスルーしておいて、資格がないと責任ある地位にはつけないそうな。


まぁステータス情報を扱う場所のトップが情報ペラペラ喋れるなら、スキル登録資格の契約魔法の意味がないよね。


「使用制限と情報規制ってどんなのですか」


せっかくのスキルが使えないとかだと泣いちゃうよ。


「スキルを使用する際には、ギルドが指定する施設内で、スキル登録資格を保有するギルド職員ならびにB級以上の探索者の立ち会いが必要となります。立ち会った探索者も守秘義務が課せられます。ですから基本はギルドの専属探索者になりますね」


思ったより厳しい条件だった。

B級探索者とか、千人に一人くらいの数しかいないと言われてるのに、ギルドの専属契約とかだと何人いるのやら。


「情報規制ですが、スキル使用時に判明した内容はスキルの全容が判明するまで世界ギルドにも秘匿され、スキル保持者も含め契約魔法により、第三者ならびにネット等のあらゆる媒体に公開してはいけなくなります」


俺も契約魔法かけられちゃうの?!

しかも世界ギルドに内緒とか良いのだろうか。

え、大丈夫?逮捕とかされない?


「心配なのはわかりますが、これは八女様を守るための措置でもあるんです」


俺がプルプルしていたら、早良さんが説明を加える。


スキルの内容もわからない内に情報を渡してしまうと、名前だけでパーティーに勧誘しておいて思った効果のスキルじゃなかった事に逆ギレして揉めたり、他国が勧誘ならまだしも拉致してくる可能性があること。


逆にギルドにデータがないスキルだから、ユニークスキルだと勝手に名乗って同じスキル保持者が現れて訴訟沙汰になったり、効果を捏造(ねつぞう)して詐欺を働いたりする人もいたとか。


世界ギルドに加盟してない国にもスキル保持者がいるから、完全に唯一(ユニーク)として確定情報がないのでユニークスキルは認めてないそうだ。


これまでにも1人しか持ってないとされていたスキルがあったが、数年後に同じスキルが現れる事もあるので、ギルドでは確定しない方針だそうな。


世界ギルドも不確定な情報は混乱の元なので、スキルの内容が判明してからの登録で良いとなっている。


まぁ実際どの国も自国の有益(レア)スキルの流出を防ぎたいから、隠蔽したスキルが発覚した場合の言い訳とも取れる措置だけど。


やっぱり今までは称号がなかったからユニークスキルが確定していなかったのかなぁ。


これはユニークスキルや称号の事は誰にも言わない様にしなきゃ。

勘違いした人に絡まれたり、他国に拉致とか怖すぎる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ