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ダンジョンの拘り※

 1時間ほど探索を続けて安全地帯に到着した。


 ログハウスタイプの安全地帯なので、机と椅子が付属している。


 トイレは外にボットン式のがあったが、今までウォシュレットが付いてる高級トイレを使っていた反動で臭いがキツかった。


 ボットンしたブツはダンジョンが吸収しているはずなのに、臭いだけ残るってどゆこと。


 思わずクリーンを使ったが変わらないし、どうやらデフォルトで臭いまで再現しているみたいだ。


 そりゃあ、森だって木や土の湿った匂いがしてるけどさ。


 こんな無駄なクオリティーは求めていなかった。


 座って飲み物とオヤツを食べて一息つく。

 雅美さんが小さいし時間遅延もないが、アイテムボックスを持ってるので、直ぐに使わない物はそこに入れてある。


 俺も持ってるのを言おうかと思ったが、ヨーへーが騒ぐのが目に見えているので、普通のリュックを背負って来た。


 不人気ダンジョンだけに、他の探索者を見かけないんだが、モンスターハザード対策は大丈夫なのか心配になる。


 一応、ギルドがそういったダンジョンには、ポイントの高い依頼を出してるのだが、生理的にダメな人には難しい。


 1階は比較的マシなモンスターだから、少しは人がいるかと思ってたんだけどな。


「なあ、なんで俺ばっかりがモンスターを倒すんだよ」


「ヨーへーが一番レベルが低いからだよ」


「そうよ」


「クソー、朱鷺だけズルいぞ」


 今の俺はD級でレベル10って事にしている。

 隠覆術が優秀なのでパーティーメニューでも、ちゃんとレベル10と表示されるのだ。


 パーティーを組めばレベルがわかる上に、ギルドカードがD級であるのは誤魔化しようがないから、保護者と一緒に探活してた事にしてある。


 八女家だからで納得されたのは解せぬが、ヨーへー達なら人にペラペラ喋ったりしないだろう。


 パーティー名もステータスがどうやって認識しているのか謎だよな。


 パーティー名はパーティーを組んだ時に、リーダーがこれにすると決めたら反映される感じだが、特に決めなければリーダーの名前が付けられる。


 しかも、他の名前と被ってたら登録されないから、『龍の盾☆』とか『エクスカリバーⅢ』みたいな名前が沢山ある。


 ギルドにパーティー登録をするのは義務ではないが、ダンジョンに入る時にパーティーメンバーの申告は必要だ。


 ギルドに正式にパーティー登録をすると、ギルドカードにも表示されるので、ダンジョンに入る度に申告をする手間が省ける。


「ヨーへーはオ…雅美さんの許可が降りなかったんだから仕方ないだろ」


 危ない危ない。ちょっとオバサンと言いかけただけなのに般若が現れるとは。


「そうだけど!でも、朱鷺とオジサンと一緒ならOK出たかもしれないじゃん」


「例え蓮さんが一緒でも許可しないわよ。それくらいなら初めから私が連れて行くわ」


「そんなぁ…」


「わはは。せいぜい頑張りたまえ」


「クソー、朱鷺に差を付けられてるとは」


「いいじゃん、ドロップは全部ヨーへーの物にしていいからさ」


 とは言え、これまでの成果は魔石3個と白い染料が1個だけだ。

 白い染料は、30センチくらいの紋白蝶(ホワイトバタフライ)のレアドロップだ。


 買取対象なのだが、1個200円と魔石より安いので微妙な扱いだ。

 普通の染料を買う方が安いし、用途は幅広いのだが1個の量が少ないので仕方ない。


 俺の強運が変な効果を出してしまったので、すまぬ。


 何もしなくても少しパーティーの運に影響しているみたいだが、レア度に関しては攻撃した人の運が作用してるっぽい。


 紋白蝶は、ヨーへーが飛んでる事にテンパって攻撃を外したから、俺が羽を切り落としてヨーへーに止めをさせたんだよ。


 次からは突くのじゃなく、リーチを生かして切り払うようにアドバイスした。


 森林フィールドは広いからモンスターのエンカウント率が悪い。


 いや、本当は索敵や地図スキルでモンスターの場所も判るんだけど、それは内緒なので雅美さん主導で探索しているから、安全性を重視しているためだ。


「それじゃあ、次は朱鷺君が先頭で探索しましょう」


「わかりました」


 それなら、効率的な狩りが出来るな。


「採取依頼も受けているから、少し森の中に入りましょう」


「うえ。森の中だと槍が使えないじゃん」


「メイスがあるでしょ。洞窟なんかでも槍は使えないんだから、他の武器も慣れておかないと。朱鷺君みたいに刀術があるなら、スキルで固い甲殻も切れるんだけどね」


「う~。俺も剣術を教えて貰えば良かった」


「サッカーがしたいって言ったのも要兵衛じゃないの」


「そうだけどさ」


「まあまあ。使ってたらスキルが出る事もあるんだし、向いてる武器を探すつもりでやれよ」


「わかったよ」


「それじゃ、出発しましょう」


「はい、リーダー」


「了解、リーダー」


 パーティー名『立明寺雅美(仮)』行きます。

 なんてね。


 立明寺は雅美さんの家名で、父親は婿養子だったので、離婚後も名前の変更はない。



 そして隠覆術で設定したステータスがこれだ。


 ━━━━━━━━━━━━━━━━━

 名前 八女 朱鷺

 性別 男

 年齢 15歳

 職業 刀術士

 レベル 10

 HP 55/55 MP 42/42

 スキル 【強運】【刀剣術】【体術】

【蹴り技】【打撃】

 パーティー 立明寺雅美(仮)


 ━━━━━━━━━━━━━━━━━


 実際のレベル10の時よりHPもMPも少なくしてあるのは、俺のステータスの上がり方が普通より多いからだ。


 スキルは炎剣か氷魔法のどちらかを入れようかと思ったけど、どうやって覚えたか説明出来ないので断念した。


 脳筋な構成になってしまったけど、自力で覚えたスキルで使える物にしたら、不本意だがこうなった。


 幸運が強運に刀術が刀剣術になった事は、まだ言ってないけど。


 職業も勝負師は珍しいけどいない訳じゃないが、俺が選択するには不自然なので刀術士にした。


 いくら幼馴染みでもステータスを見せる事はしないが、教えられる内容を忘れないよう念のための設定だ。

今回からステータスを載せた時にサブタイトルの横に※を入れます。

作者も思い付きで書いて忘れてる事があるので(笑)

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