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ホラー映画の金字塔

 さて、お待ちかねのドロップ品の確認だ。


 爺ちゃん達は見慣れているのかもしれないけど、モンスターから宝箱が出たのは初めてだからドキワクが止まらない。


 だって金色だよ!?

 しかも俺が腕を広げたくらいの大きさがある。


 流石はイレギュラー中のイレギュラーだ。


 父さんとコーチャンのダブルチェックに加えて、俺も罠感知も使って安全確認済み。


 鍵はかかってなかったので、早速オープン!


 と思ったら、蓋に触れた途端に何故かウインドウが開いた。


「えっ」


「トキ、何かあった?」


 隠し部屋の宝箱では何もなかったから油断してたよ。



━━━━━━━━━━━━━━━━━

 おめでとうございます!

 宝箱ガチャを発見しました。

 ガチャランクB

 宝箱ガチャをする【次へ】

 ガチャをしない【閉じる】

━━━━━━━━━━━━━━━━━━



 宝箱ガチャってなんぞ?

 教えてガチャ●モン~!


 ガチャミの事はリンちゃんには内緒だから、二次元で念話する。


 全ては俺のスキルって事なので。


『トキ~オヤツは~?』


 それは帰ったらな。

 てか、家を出る前に昼飯とオヤツの分を渡してあっただろ。


『先に宝箱ガチャの説明をしろ』


『トキのケチンボ~』


『オヤツ抜きでも良いんだぞ?』


『やだ~!教えるから~オヤツ増量で~』


 図々しいな!


『増量して欲しいなら、文句を言わずに聞かれたら答えろよ』


 太るって言われたのを既に忘れてないか?

 最近飛ぶ時に『よっこいしょ~いち~』とか言ってるけど、何の影響なんだか。


『わかったよ~』


 宝箱ガチャは、宝箱が出現した時点で確定している中身をガチャによって再抽選するものだが、宝箱ガチャが出るタイミングはランダムだそう。


 ガチャランクBの場合はD~Sまでのアイテムが、一定の確率で出る。

 もちろんランクが高いアイテムの確率が低くなるから、ギャンブルと同じだ。


 宝箱ガチャをしなければ、そのまま入ってるアイテムが手に入るから、好きな方を選べる親切設計。


 確かに、低いランクの宝箱ならガチャに賭けるのも面白いが、ランクBのイレギュラーから出た宝箱なら、普通に開けてもレアアイテム間違いなしだからなぁ。


 隠しガチャの時は、元々の宝箱はその後に手に入ると言う2度美味しいガチャだったけど。


 リーダーどうします?


「確かに試してみたい気持ちはあるけれど、ここは普通に開けようか。今回は人工的に起きたイレギュラーだから、ガチャで出しちゃうと普通のイレギュラーとの違いが全く判らなくなるからね」


 強運スキルで運良く出るアイテムは、どんな人にも僅かなりとも出る可能性のある物のはずだけど、ガチャは何が出るか本当に判らないからだって。


 特にS以上は、取り扱いに困るアイテムばかりと言う事例が多発しているので納得。


 と言う事で、【閉じる】をポチっとな。


 で、さっきまでのドキワク感は減ったが、今度こそオープン!


 てかガチャミが言うように、宝箱が出た時点で中身が確定していたのなら、俺が開ける必要はなかったかも。


 運が良い人が開けると良いアイテムが出ると言うジンクスに従って、ついつい開けてしまったけど。


「わっ!?」


「トキは下がって」


 一瞬、人間が横たわっているのかと思って驚いてしまったが、見た目は操り人形とかデッサン人形みたいに関節が曲がるように出来ている、マネキンみたいな感じだ。


 コーチャンが眼を光らせてチェックしている。


「う~ん。どうやらゴーレムみたいだね。ハッキリ見えないけど」


「ゴーレムって、岩とか金属で出来てるロボットみたいなヤツ?」


「まあ、有名なのはロックゴーレムとかアイアンゴーレムだから、間違いではないけど。基本的に核を動力にして無機物が動いていたら、ゴーレムって事になるかな」


 なるほど?

 つまりロボットみたいな形じゃなくても、木や布なんかで出来た熊や犬なんかも、核があって動いてたらゴーレムなんだな。


 コーチャンがゴーレム(仮)を無造作に取り出す。


 胴体を持ってるから、仰け反ったような首や関節がブラブラしてる動きが何かキモい。


 父さんのコレクションで見た映画の、階段をブリッジで追いかけて来る少女を想像してゾワッとした。


 妙に怖い想像をしてしまうのは人間の業なんだろうか。


 押し入れなんかの暗がりで目が光るとかさ。


 決してコーチャンの事ではないので、真顔でこっちを見ないで。


 コーチャンがゴーレム(仮)をひっくり返したり、隅々までチェックしているのを横目に、他にアイテムがないか宝箱を確認する。


 あれって男女の特徴もない人形だから良いけど、これがボンキュッボンな女性型なら事案だよね。


 ビクッ。

 変な事なんて考えてないよ。ホントダヨ。


 宝箱の底には、1冊の本があった。


 表紙に書かれているタイトルは、″錬金術(上級編)これで貴方もゴーレムマスター!理想の恋人だって作れちゃう♡″だと!?


「ちょっとコーチャン、これ見て!」


 コーチャンが本を取り出すと宝箱が消えたから、この2つで全部って事か。


 タイトルが胡散臭いのが気になるが、やはり人形はゴーレムで、本はゴーレムについて書かれているって事かな。


 錬金術でゴーレムが作れるなら、俺も錬金術をもっと使ってみるかな。


 と言っても、いきなり上級編は無理だろうから、簡単なレシピで練習してからだな。


 使用制限されているスキルもあるし、アイテムもCランク以上は制限されているから、錬金釜は使えないんだよな。


 あれが使えたら、かなり成功率が上がるのにさ。


 べ、別に理想の恋人を作ろうなんて思ってないんだからね!

 ロボットみたいなゴーレムを作りたいだけだし。

 男なら1度くらいはロボットに憧れるだろ!


 心の中で主張をしている内に、ドロップ品のチェックが終わったみたい。

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