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卒業式で泣かないタイプなんです

冬休みのもう1つの目的が、俺の職業を試す事だ。


爺ちゃん達のは俺のいない時でも試せるから、平日の昼間とかに色々してたみたい。


ただステータスが元々人外だから、細かい効果が全くわからないそうだ。


探索者、刀術士、調教師、テイマー、それからジョブチョコで錬金術師を覚えて試したよ。


24時間変えられないのもあって、探索者に関係ない職業と★4以上は保留になった。


妖精とか試す事にならなくて良かった。


テイムも試したけど、ゴブリンはテイム出来なかった。

他のモンスターも細かい指示を聞かないから、勝手に攻撃するし逃げるしで、意志疎通が出来ないモンスターは使い辛い。


テイムしたモンスターは解放すると、襲いかかって来たから倒した。

悲しい…事はなかったが、世知辛い。


スライムのぷにぷに感は良かったのだが、いかんせんガチャと違ってオーブにならないから飼うことは出来ない。


年末年始は休みになったけど、除夜の鐘と初詣は何故かコーチャンと行く事になった。


御神籤が大吉だったのは強運効果かな。


冬休み後半は7階に進んで、レベルが1つ上がった。

5階層を越えるとフロアが格段に広くなるから、数日かけて隅々まで探索する。


ここからはゴブリンが徒党を組んでいる。

2~3匹なので、それ程の脅威ではないが、武器の所持率も上がって1匹は必ず持っている。


レベルと階層が釣り合って来たけど、相変わらずほぼ一撃なのでステ値って大事だね。


それから斬撃が飛ばせるようになったよ。

ミミズなら真っ二つだけど、他のモンスターは一撃とはいかなかった。


蹴りも風圧が飛ばせるようになったけど、ちょっと強い風くらいで攻撃には使えないが、ゴブリンを怯ませる事は出来た。


新学期はまたルーティンに戻った。


進学も決まったようなものなので、クラスの雰囲気はだらけているが、高校生になれば探活する奴らがパーティー勧誘を初めている。


俺も声をかけられたけど、既にパーティーに入ってるからと断った。


外部受験組の奴らが羨ましがっているが、こればかりは仕方ない。


誕生日がまだの奴らは、パーティーに入る約束を取り付けようとしているが、スキルと職業がわからないから断られる人もいる。


これだけは命がかかるから、迂闊には決められない。

女子は何故かそう言う約束の方を大事にしているみたいだけど。


本格的に探活を始めたら、どうにもならない事もあると知るだろう。


「トキは、やっぱりお爺さん達と一緒にダンジョンに行ったりするのか?」


あ?

何だ突然。


「そんな訳ないだろ。レベルが違い過ぎてパーティー組んでも意味ないし」


ほとんど毎日行ってるけど。


「でも最近、低ランクの不人気ダンジョンで見かけたとか噂があるからさ」


まさか見られたのか?

いや、認識阻害をしてるはずだから、見られても俺達だとわかるはずがない。


「さあ?爺ちゃん達が、どこのダンジョンに行ってるとか知らないから」


「そうなんだ。まぁ有名人を見たとか言って、注目を浴びたがる人もいるからな」


「ああ、幽霊を見たとか、河童を見たとかと同じか?」


「八女の爺ちゃんはUMAかよ!?」


「「わははは」」


う~ん、平和だ。


そんなこんなで卒業式も無事に終了。

背景(拝啓?)~この手紙~♪を歌った。


ほとんどの生徒がこのまま進学だから、特に感慨もないのだが、泣いている人はどう言う心境なんだろう。


そこの抱き合ってる2人も、明日は一緒に遊びに行くとか言ってなかったか?


やれやれ。


今日は探活が休みだから、カラオケに行くのに交ぜてもらう。


ボーリングチームと迷ったが、今の俺のステータスだと凄く気を付けないと大惨事になる。

探索者用のレーンでやるのも怪しいからね。

ボッチになるからじゃないよ、バレたら困るからだよ!


オザキの歌を熱唱しているクラスメイトに、本当には盗むなよと笑いながら揶揄う名前を知らないヤツ…いやマジで誰だよ。


隣のクラス?そっちは後輩?

そんな感じで素面でカオスになれる、青春の1ページを刻んで来たよ。


トークに写真を沢山あげてるから、それを見た奴らまで来て増えてるし、何部屋にも入り乱れ始めたので、俺は静かに帰った。


隠覆術の隠形(おんぎょう)が発動していた様な気がするが、ダンジョンでしか使えないはずなので気のせいだね。


決して俺の影が薄いんじゃないんだからね!


代金は最初に徴収されているので、無銭ほにゃららではない。


レベルも10になった。

思った通りストレージ枠も5増えた。

10枠じゃない事にがっかりしたが、世の中そこまで甘くないと言う事だな。


もうすぐ姉ちゃんのレベルに追い付くけど、絶対に知られないようにしないとな。


最近殴られる時に力を抜くタイミングが上達したよ。

そうしないとノーダメージで姉ちゃんに怪しまれる。


ここまで来たらレベルを隠す必要がない気もするが、ギルドの特殊部隊(笑)の俺は秘密兵器(爆)なので弱いフリをしておくのだ。


だから6階以降の買取はコーチャンに全部やって貰ってて、対外的には5階辺りをウロウロしている事になっている。


そして、とうとう10階のボス部屋へやって来た。

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