表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/173

神ってる

早く見せろと言わないけれど、前に座るイケメンの圧が凄いんですが…


ステータスは半透明とは言え裏から読める訳じゃなくて、正面からしか見えないスマホの覗き見防止機能のようになっている。


報告は義務と言えども、他人のステータスを覗き見るのはマナー違反なので、俺が見せるのを待ってるんだろうな。


はぁ…見せたくないけど、そう言う訳にいかないから覚悟を決めて、早良さんの方へステータスの端っこを指で滑らすように押す。


「ありがとございます。確認させて頂きます」


クルンとひっくり返したステータスを、爽やか笑顔(イケメンイケボ)で礼を言いながら見た早良さんの顔が強張る。


やっぱそうなりますよね~。

あははと乾いた声が漏れる。


うん、めちゃくちゃ固まってガン見してます。


その瞬間、ワールドアナウンスが流れた。


『新しいシステムが構築されました。これによりステータス画面に項目が追加されました。条件が満たされたため称号システムが追加されました。更なるダンジョンライフをお楽しみ下さい』


頭の中に称号についての基本情報が入り込んで来る。


「うぐっ」


「くっ」


通常はワールドアナウンスのみで終わるのだが、システムに関する情報だったためか"常識"として刷り込まれる違和感に呻く。


流石は早良さん、くっとか呻き声もカッコいいんですね。

クッコロ属性は女騎士だけにして下さい。


たぶん時間にすれば1秒にも満たないけれど、頭の中にある違和感がもっと長く感じさせる。


「大丈夫ですか?」


既にないはずの違和感を散らすように、俺が頭を振っていると、早良さんが聞いて来る。


「あ~変な感じです」


「ここ何年もシステムの更新がされるようなアナウンスはありませんでしたから、八女様には初めての感覚でしょうか」


既に元通りに姿勢を正したイケメンスマイルで、兎に角ステータスの登録をしてしまいましょうと端末を向けて来る。


ステータス登録しないと探索者登録も出来ないし、称号とかの事も考えがまとまらないから、落ち着く時間も欲しいしね。


早良さんが素早い指使いで端末を操作する様子を眺めながら、称号について考える。


1つ、世界に影響を与えた者に称号を与える。

※影響の大きさに関わらず、世界に影響を与えたと認められた者に与えられる。

※称号は特に効果があるものではない。


これが新しい常識だ。

称号の新規ユニークスキル獲得者って言うのが、世界に影響を与えたって事か?

文字化けは何もわからないから、特に何かした記憶もないし。


世界に影響を与えたってのは、ワールドアナウンスにあったステータスの項目が追加された事かな?

新しい項目って俺のステータスにあるGPの事だろう。

未だにGPが何かわからないけど…


でもこの流れで言うと、新しいスキルに必要なのがGPって事にならないか?


GP……Gから始まるポイントとすると…が…が…ガチャ…

まさかガチャポイントとか?

いやいや…まさか……あるかも。

だってゴブリンポイントとかだと嫌過ぎる。


ゴブが大量に涌いてくるのを想像してる間に、登録が完了したようで早良さんがこちらを向く。


「お待たせ致しました。ステータスの確認とスキル登録が出来ました。身体に影響しそうなスキルは該当しませんでしたので、別室に移動したいのですが体調は大丈夫でしょうか」


「はい、大丈夫です」


とっくに汗もひいて、体調も問題なかったので立ち上がる。


すっと()()無く畳んでおいたタオルを回収し、先ほどの部屋へと先導するイケメンはもはや神っている。


(イケメン)に導かれし憐れな子羊(フツメン)をお救い下さい。


この後に待ち受ける面倒から逃避してる場合じゃないと思いながらも、ふざけた思考が止まらない。


あ~緊張すると出ちゃうこの悪癖は治らないなぁ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ