メンバーカラー決定?
「これで危険な職業について傾向が見えて来ましたね」
「本当に朱鷺君には感謝しかないよ。ギルドポイントも出るから、また来週にでも来てくれるかな?」
「それなんですが、朱鷺君のスキル検証は継続的に行わなければならないと判断しました。そこで立会人と職業検証も兼ねて、B級以上のメンバーで特殊部隊を編成する事にしました」
「と、特殊部隊!?ちょっと待って、早良君、僕は聞いてないんだけど!?」
「ああ、先ほど決めたばかりですから。細かい話しは稟議が通ってからになりますが、副支部長も参加は確定ですので、そのつもりで準備を手伝って下さいね」
イケメンスマイル炸裂しましたよ。
「…ええと、早良君がいつも唐突なのはわかったけど、朱鷺君は了承したのかな?」
「まぁ、俺のスキルの事を考えると、下手な人とパーティーが組めませんし、B級以上のメンバーと一緒に攻略なんて願ったりですよ」
「…もしかして、朱鷺君は早良君の正体を知ってるって事で良いのかな?」
「正体とか人聞きが悪いですね。グランドマスターとしては、こんなに有益なスキル持ちは確保しておくべきだと判断したんですよ」
「光成の本音は?」
父さんが茶々を入れる。
「せっかくトキがオレの事を思い出してくれたんだから、お兄ちゃんとして一緒に探索したいからに決まってるよ!それに蓮さんも同じ理由でメンバーに入ってくれるって言ったじゃん」
ここで早良さんからコーチャンへジョブチェンジだ!
「父親として当たり前だろう。親父はどうする?」
父さんは家族愛が行き過ぎな気もする。
「うむ。面白そうではあるが、ワシは道場があるからな」
爺ちゃんは見た目は頑固ジジイのくせして、面白がり過ぎだと思う。
「日程はトキに合わせるから、巧乃さんも参加出来る時だけ付いてくれば良いよ」
「なら入っておくか。ワシはブラックでよいぞ?」
「じゃあ俺はブルーで!」
親しい人にしかやらないが、悪ふざけが大好きな爺ちゃんなら、本気で特殊部隊=戦隊ヒーローとかやりかねない。
ここで希望を述べておかなきゃ、平気でピンク呼ばわりするから質が悪い。
「むっ。なら俺はレッドだな」
父さんもすかさず乗っかる。
「え~オレがブラックをやりたかったのに!しょうがないホワイトで」
「えっ?ホワイトって女性じゃないの?」
「このメンバーなら男でもありだろ?オレなら似合うし。なんならシルバーでも良いよ」
コーチャンなら、どっちも似合うね!
「なら大牟田がイエローだな」
「ならばグリーンは直海あたりにでもやらせるか」
「ピンクの候補はいるの?」
「舞菜香さんか、凛花さんあたりか」
「舞菜香さんは知ってるけど、凛花さんて誰?」
「朱鷺は忘れているみたいだけど、光成の母親だよ」
「コーチャンのお母さん!?」
と言う事はビトーの奥さん?
そう言えばテレビの葬儀で見たような…
「母さんがピンクとかないない。それなら直海さんの方がピンクでもありじゃない?」
コーチャンの言葉に、なんか思い出しかけたけどわからなくなった。
思い出せない事を考えても仕方ない。
それより聞き捨てならない事がある。
「直ちゃんがピンクとか、似合い過ぎて怖いよ!前に姉ちゃんと双子コーデで出掛けて、ナンパされたとか言ってたんだぞ」
直海は母方の叔父で、年齢性別共に不詳な見た目なんだよ。
36歳のはずなんだけど、どう頑張っても二十歳以下にしか見えないのは、スキルの効果なのか元々が童顔だからかわからない。
しかも母さんに似てるから姉ちゃんにも似てるせいで、最近は姉妹に間違われるのを楽しんでるし。
「なら八女家の警護部隊から、四方寄あたりでも入れるか」
ああ、例のストーカー達ね。
「彼女のスキルなら、僕がいなくても任せられるんじゃ…」
「彼女は優太が参加出来ない時の代わりだろ。もう1人くらい直海さんみたいに攻守のバランスが良いメンバーがいる方が交代しやすいかな?」
どこのダンジョンに行くつもりなんだよ!?
俺はまだE級だぞ!
ランクAとか攻略出来そうなメンバーだよ。
やはりガチャアイテムがそれだけ危険視されてるのか…
いや、これは楽しんでるだけだな。
「まぁ、まだランクEしか入れないんだ。朱鷺の等級が上がるまでにメンバーを揃えたら良いだろ?俺達の誰かがついていたらどうにかなるから、まずは口が固いメンバーを選ぶ方が良いだろう。コスチュームはそれから決めよう」
最後の一言がなければ父さんの言葉に素直に賛成出来たのに…
ほら、サブマスはメンバーカラーの辺りからほとんど話しについてこれてないよ。
「やっぱりオレはシルバーにするかな。ホワイトは舞菜香さんの方が似合うと思うし。コスチュームにする時は安っぽくならない様にしないと、カッコ悪いのは嫌だもんな」
マジでコスチューム作る気?!
たまに悪ふざけから本気になる事があるから、言葉遊びで終わらせないとヤバい。




