普遍的な黒影の顕現
今回の話、
生命力最強と思ってる生物が出て来るから注意してね。
黒×生命力×G これで分かって欲しい。
一応、この話飛ばしても問題ないから。
あれこれあって、疲れた少女はそれでも伽藍と自身の癖や、特徴を会話しながら琥珀たちの元に戻っていった。
[あっ、やっと帰ってきた。…………って、かなり汗掻いてるわね。ちゃんと洗ってきなさいよ!]
「うん、そうする……あれ? 物資問題はもう解決したの?」
確かに少女たちが戻って来るまで数時間は経っていたが、こんなに早く来るのなら事態は深刻そうに語られないはずだと思い、少女は首を傾げる。
[ああ、うん。…………面倒いのが来たけど、お陰で色々都合がついたわ。全く、子供扱いは慣れてるけど頭を撫でられるのは勘弁してほしいわ]
嫌悪感というよりも、いい加減して欲しいという呆れの色が強かった。
「あるなら良いけど……体はどこで洗えばいいの?」
「水浴びをするなら洗い場がある。湯で浴びたいなら温めれば良いが、冷まして使えよ」
事も無げに伝えられるが、未だにこの部屋と伽藍の工房、そして広場ぐらいしか少女はまだ知らない。
「そんな場所あったかな? 心当たりないよ」
「お前を寝かせていた部屋までの道にあるはずだが、見なかったのか? あそこには張り紙が無駄に大きく貼られていた気がするが……」
少女は起きた時の事を考えるが、よく考えてみると不思議な蝶を追いかける以外はぼんやりとしか覚えてない。
「ここに来るまで頭がぼーっとしてたの。そう言えば青い蝶を見たんだけど知らない?」
[蝶が生きれる環境なんてここにはないと思うわよ? 見間違いじゃないかしら]
琥珀は絶対に有り得ないという風に首を振る。
「そうなのかな……うーん」
少女は納得をできなかったが、今考えても仕方がないと思い、洗い場に向かった。
◇
着替えと温めた湯をたっぷん、たっぷんと揺らしながら、少女は廊下を歩いている。
「あっ、確かに大きな張り紙……『覗きはあかん、もししようとしたら————貴方の後ろに鬼がいるっ!』鬼? 何故、鬼……あのお爺さんかな」
誰が作ったのだろうか、端に可愛らしい絵が描かれている。もしかしたら、この場所には今より多く人々などが居たのではないか。それなら、このポスターの意味も分かる……気がするかもしれない。なくとも、あの老人は覗き魔の首根っこを捕まえそうだが。
少女はするすると服を脱ぎながら、洗う時や着る時の事を想像し、溜息を吐いた。
洗い場にはシャワーが付いていたが、蛇口をひねっても水は一滴も落ちてこない。
手拭いをお湯につけ体を拭いていると、何かが視界の端をうろちょろしている。少し気になるが、気にせず洗っているとカサカサと黒い影が現れた。
「…………何だろう、君は何処にでもいるね」
カサカサと何処かに去った影のその後を見たものはいない。
作者は黒い影のことは嫌いではありません。
触りたくないけど。出来れば、見たくないけど。
何故最後出てきたかって?
黒い影は食べるものが有れば生きてけるからだよ。
……関係ないけど、少女のお色気シーン?