真剣勝負はこれからだ!
---------------暫く猫と戯れる少女たち---------------
水&ラル ペア
水「猫ちゃん、にゃわん。……なんちって」
ラル「おおよしよし、可愛いねー」
葉&影 ペア
葉「なんで、近づいてくれないの?」
影「多い! 多い!! ほっ、ほわぁぁぁぁ?!?!?」
既に日差しが辺りを包み込むが、周囲を囲む烈火はより強く城塞を彩る。エリスとダンデリオンは既に焼けた野原の中心で対峙する。
互いの緊張が高まり、何処かで火の粉が散った一瞬、動いたのはダンデリオンからだった。ダンデリオンの大きな体躯からは想像出来ない俊敏な動きで距離を詰めて、斧槍を振り上げる。
「カアアアッ!!」
吹き荒れる暴風は石を巻き上げ、後ろに下がろうとも躱す事はできない。エリスは躊躇せずダンデリオンの懐に入るが、待ち受けるのは無慈悲なる振り下ろし。
次は横に転がり、斧槍の直撃は免れるが小石がエリスの肌を裂き、紅い血が頰を染める。一方的に見える攻防、しかし砂埃からの三撃目はこなかった。
砂が晴れた後には、振り下ろしたままの姿勢のダンデリオンがいた。
「……おい、お前はこの程度で俺を止められると思ってるのか?」
ダンデリオンは振り下ろすまでの姿と変わらない、その両手に縄が巻き付けられていることを除いて。
「止まってくれたら、貴方を怪我させずに捕らえることが出来る。降参しない?」
そんな愚問をダンデリオンは笑い飛ばす。
「くっくっくっ、あっははは!! ふざけるなァッ!」
ブチンッ、と先に切れたのは縄か忍耐か、腕の縄は弾け飛びエリスに迫る。
「……仕方ない、手荒く行くよ」
腰に下げていた最初の縄は両端に重りを付けているだけのものだった。それは狩人が使う飛び道具のボーラであり、獲物の足に投げると絡みついて捕らえることが出来る。しかし、次に握ったのは本命の武器。鎖の両端に金属製の重りを付けたボーラであり、又の名を流星錘と呼ぶ。
迫り来るダンデリオンの足元にボーラを投げ、それを躱したダンデリオンの鼻っ面に、エリスが片手で回していた流星錘が放たれた。
「ぐああッ?!?!」
遠心力から生み出された破壊力は鼻の骨を粉砕し、血が顔を塗る。
「二撃目!」
無防備なダンデリオンに畳み掛けるように頭を垂直に狙った流星錘は頭蓋を破壊する弧を描きながら振り下ろされた。
「ヒュッ————ガアァァァァァァァァッ」
空気を揺らす唸り声はダンデリオンに迫った未来を打ち砕き、そして流星錘までも弾き返した。
「————くっ、そう簡単には倒れてくれない」
近くにいたエリスも数メートル先まで弾いた咆哮の中心を見ると男が堂々と立っていた。
「貴殿が戦場で舐めた行動をとるものだから、ついカッとなってしまった。が、私も貴殿を舐めていたようだな。さあ、続きを始めようか」
鼻は砕かれようとも、その目に宿る意志は真っ直ぐとエリスを見つめていた。
……タイトル通りこのまま打ち切り、
なんてならないからぁっ!
みたいなことを考えてた……うん、しっかり次回もあるよ
流星錘……何故中国産の武器が? 裏設定で、伝来してきたからとかそんな感じです (意味不明)