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珈琲に溶けた一滴の甘露

 今度はテンポを上げたいぜ! 出来たら、だけど。

 神々でさえ、毎日を気ままに過ごす事など出来ない。それぞれ役割を持ち、彼ら彼女らにしか出来ない事をやっている。そこだけを見ると、人も神も分業社会を同じく形成してるかもしれない。

 残りの日は春の訪れを告げたり、時折海を荒らして人々の反応を観察する。お気に入りがいたら、そばに侍らすというのも珍しくない。あくまで、これは神らしい余暇の過ごし方。


 わたしの場合は本を読む。

 時間という、神が永く生きると忘れてしまう感覚が身近に感じられ、途中で遮られたときの名残惜しさ、最後の余韻はとても新鮮なもので、わたしたちがどうしても忘れてしまうものだ。

 何よりも、本はわたしの世界を変えてくれる。勿論、ここではわたしのいる世界が変わるという意味ではない。

 わたしの見る世界を変えてくれるという点だ。わたしの持論だが、本はどのように書いても文筆家の主観が混ざる。だから、本を読むときだけは未知に期待して、思考は埋没してゆく。


 ◇


 「ふぅ…………ひと段落をつけよ。ん、珈琲? あら、冷めちゃってる」

 力み過ぎた目をほぐすために目をしばし瞑り、本から目を逸らすと、丁度良い位置にマグカップが置かれていた。触ると外に逃げた温もりが仄かに感じられる。

 胸元まで近づけると、珈琲特有の香りがはっきり感じられ、口に運ぶと程良い苦味が広がる。

 「シロップ♪ シロップ♪ 砂糖♫」

 物足りなかったとばかりにマグカップの中に次々と投入されてゆく甘露、マドラーも手に取り、甘みを均等に広げる感覚で混ぜてゆく。

 「うん、美味しい」

 幸せが口から体全体に広がってゆく。補給を超えて、何かしら嫌な事があっても気にしないくらいには充電できる。


 「さて、琥珀ちゃんはどうしてるかな。…………気にし過ぎても仕方ないよね」

 最愛の妹の様子が気になるが少し目を伏せた後、遠くを見つめた。

 ハイテンポじゃなくて、廃テンポ


 書き途中の作品が多すぎるのよな、初心者なのに。

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