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前書き:巡礼の始まり
結局書き直しですよ、今度は満足に書けたので。
昔のことを思い出し、自然と筆に手が伸びたため、少しの勇気を借りながらある物語を此処に記そう。
あの時のことを思い返せば、様々な想いが込み上げてくる。沢山の人々が犠牲になった。魔の者たちも例外でなく、神々すら戦いの坩堝から逃れることは叶わなかった。
壮絶な戦いは何者からも平穏を奪い、今まで積み上げられてきた歴史を呑み込み、尚も足りぬとばかりに拡大していた。
私が記すのは全ての者が生き残るために抗った闘争の物語であり、何も知らない君への懺悔だ。
非常に身勝手な行いで、もしかしたら君には詰まらない物語かもしれない。だとしても、君には知っていて欲しいという自分勝手をどうか受け入れて欲しい。
さて、長々と語ってしまった。一先ず舞台の幕開けの言葉を。
真の勇者と偉大なる魔法使い、そして我が主に、かつて仲間であった、今や名もなき聖職者が捧ぐ。
これは完結できるかな?