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絡繰仕掛けのカラクリくん  作者: 勘のいいガキ
10/19

第10話

(来る…ッ!)


 一体どんな怪物が姿を現すのか、そんな淡い期待と不安は次の瞬間に吹き飛ばされる。


「やっと見つけタ、探したゾ」


 逆に驚く三者。もっとこう…大怪獣を想定していたから…


「なんだ皆して固まっテ、何かあったのカ?」


「あ、いや、なんでもない」

「なんだ…カブトか…」

「ビックリさせないでよ、もう!」


 またいつものようにビスクがカブトに説教をしている。


 するとカラクリはカブトの後ろにあるものに気づく。


「カブト後ろのそれ…」


「ア、アア!これはお前への土産ダ」


 鎖に繋がれたモンスターの死骸が山のようになっている。それをずるずると引きずってここまで来たのだ。


「ありがとうカブト!」


 スキル“搭載機能”で次々とモンスターを体内に放り込んでいく。カラクリはこの作業が大好きだ。色んなモンスターの特徴を知れるし、何より手っ取り早く強くなれるからだ。


 するとここでブリキが質問をする。


「そういえばカブトはなんで僕たちを探してたの?」


「実はダナ…」


 ここでカブトは道中で見つけたあるものを皆に話す。



「「ゴブリンを見つけたぁ?!」」



 ビスクとブリキは二人揃って驚く。カラクリはある程度予測がついていたのか、そこまで驚いた様子はない。


「緑の肌に尖った耳…ゴブリンで間違いないと思うゾ」


「そうだね、その特徴は十中八九ゴブリンだろう」


「ハーサムと何か関係あるのかしら」


「そこなんダ、それが分からなかったから勝手な行動はできなかっタ。とりあえずカラクリの判断を仰ごうと思っテ…」


「いい判断だカブト、ひとまず偵察にでも行こう」


 カブトがゴブリンを見つけた場所まで案内する。数分歩いた程度の場所で割と近い。


「ここダ、この洞窟の中にゴブリンが入っていくのを見タ」


 しかし肝心のゴブリンは一人も見当たらない。それどころか気配すらない。


「いないじゃないの…本当に見たの?」


「俺は確かに見たゾ!」


「うん、確かにハーサムと似た匂いがする…それに足跡らしきものも」


 スキル“搭載機能”で嗅覚が鋭敏なモンスターを厳選して搭載したカラクリ。実際に足跡など無いのだが、今のカラクリには「一定間隔で点在する匂いの跡」という風に見えており、それがすぐに足跡だと推測できた。


(それになんだ…この不思議な気配は…)


 一時間程度見張ってみたものの、ゴブリンが出てくる気配が無かったので撤収することにした四人。


 家に帰ってきた今何をしているかというと、それはハーサムへの尋問だ。


「えっと…四人して僕に何のようですか?」


「ハーサム、君はもともとどこに住んでいたんだっけ?」


「え、そりゃ森の中ですよ」


「細かく言うと…それは森にある洞窟の中か?」


「…ッなぜそれを…!」


「やっぱり君の故郷だったか、今日カブトがその洞窟を見つけたんだ。挨拶したいから案内してくれ。」


「それは…ちょっと難しいです」


「なに?」


「言ってませんでしたが…オイラ、家出してる最中なのでさすがに厳しいというか…」


 どうやら複雑な家庭環境なのだろう。だがしかし


「雇用条件第一項、労働者は事業者の命令に逆らってはならない」


 これを聞いて青褪めるハーサム。


「ハーサムくん、行こうか」

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