七話 ルチル・フローライト
「アルロ、帰りましょ。」
「はい、お嬢。」
もう、学園3日目、誰とも仲良くなれていませんわ。
「あの、すみません。クレアーナ様。」
ん?なにかしら?
「なんでしょう?」
「わ、わたくし、ルチル・フローライトと申します。」
ああ、やはり、フローライト公爵の娘さんだったのですね。美しい、黄金に輝く髪に、青、紫、灰色と、周りの光で色が変わって見える不思議な瞳とても綺麗です。
「フローライトさん、何かご用ですか?」
「は、はい!わ、わたし!クレアーナ様とお友達になりたいのです。」
「友達、ですか?」
「はい!あの、わたし、2日前に食堂でクレアーナ様を見て、一目惚れしたのです!あの、文句を言ってきたご令嬢に対して、怒りを面に出さず、凛としていて、美しくて、好きになったのです!」
怒りを面に出さなかったのではなく、怒ってなかったのですが、
「好きになった、と言うのはどういうことでしょうか。」
あら、私が反応する前に、アルロが言ってしまったわ。
「はい!お友達になりたいほうの好きです!」
「そうですか。」
なんだったのかしら、アルロ。
「そうね。いいわよ、フローライトさん、友達になりましょう。」
「ほんとですか!ありがとうございます!あ、そうだ!クレアーナ様、私のことはルチルと、呼んでください。」
「わかりました。では、私のことは、クレアでいいですわルチル。」
「はい!クレア様!」
もう、様が付いたままではないですか。でも、ゆっくり慣れてもらえばいいかな。
この日、現世で初めての友達ができました。
ちゅっと文少なくてすみません。