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十話
「あ!おはようございます!クレアーナ様!」
「おはよう。ルチル。」
さて、今日はショール・ジェットについて調べようかしら。
「ねえ、ルチル。少し聞きたいことがあるのだけれど。」
「はい。何ですか?なんでも答えますよ!」
顔を傾げてキョトンとしている。
まあ!なんて可愛い仕草なのかしら。
「あのね、ショール・ジェットって知っているかしら?」
「はい!私の婚約者ですね!ショールがどうかしましたか?」
「ええ、あのね……。」
どうやって説明しましょうか。悩みますね。
「あ!分かりました!ショールに会ってみたいのですね!」
「ど、どうしてそう思うのですか?」
「だって、ショール様は次期宰相の最有力候補と言われていますし、クレアーナ様が女王様になるのでしたら、会っておいたほうが良いのではないのですか?」
良かった変に誤解しているようだけど、ごまかすには丁度いいわね。
「え、ええ、そ、そうね。そうなのよ。ルチル、良く分かったわね。」
「はい!聡明なクレアーナ様のことですから!」