食事と魔物
1日3食腹一杯。
決してふざけているわけでなく、これが今の足立区食料科の標語となっている。
封印後40年経った今の足立区の食料事情は比較的安定しているのだが、未だにお腹いっぱい食べられる事は少なく、しかも日に2食の家庭が殆どだったためだ。
それでも、全区民が1日何も食べられないという状況は打開されているのは、封印直後の区役所職員達が利かせた、畜産の基礎となる動物確保を押し進めたという機転や、区民達による技術革新などの努力の賜物である。
特に、封印後早い段階で魔法が登場した事の意味は大きく、属性魔法の光、電気、生成魔法による水や天然ガスを扱える魔法師の活躍は、足立区民のストレスを大幅に軽減させ、孤独で苦しい日々の暮らしに潤いを与える事に繋がっていた。
そして現在、魔法技術の発達は目覚ましく、食料自給率は上昇の一途を辿り、1日3食の標語は間もなく達成出来るところにまで来ていたのである。
「うぅ……ひもじい……」
我が身の空腹を嘆く少年。
しかし、どうしようもない。
事実上離反されている鏡家には、前述の恩恵など付与されているわけがない。
身から出た錆である。
「うっせぇぞ太陽。配給なんてあるわけねぇんだし、むしろ、畑がある事に感謝しろよ」
「そうだけどさぁ……はぁ、肉食いたい……」
「だから黙れよ。俺だって滅茶苦茶食いてえわそんなもん……」
足立区では、状況的に配給制度が採用されており、食料などの物品は、常に平等に振り分けられている。
今までは、己の職務さえ全うしていれば、自動的に食料などは支給されていたわけだが、特段の理由なく働く意思のない者に分けられる余分はないし、追放者には与えられる何か等欠片としてあるわけがなかった。
「ソウカ? マリョクソウがあるデハナイか」
「「う……」」
無言になる兄弟に対して、いつも通り楽観的なオーガ娘。
その手には、赤々とした草が握られており、彼女は無造作にその草を口に含んでいた。
その瞬間、兄弟は2人して苦そうな顔をしたのを誰も責められなかろう。
「ソレにマリョクのミもあるシノ」
「「ぐ……」」
更に顔を歪める2人。
今度は、2人して酸っぱそうに口をすぼめていた。
その味は想像し易い。
「ウム、ジュウジツしたショクジだの」
「「どこがだよ……」」
先日の険悪さなどどこに行ったのか、兄弟の息も思考もピッタリだ。
それだけ、ここ最近の食事は酷かったのを意味している。
同時に、2人の中には、生まれてから今までずっと配給してくれていた足立区に対して、妙な感謝のようなものまで育まれてしまっていた。
「でも、他にないもんな……」
「そだね……」
渋々といった風に、兄弟は草と実を同時に口に入れる。
この方が、味を感じずに済むのだ。
「「く〜〜〜〜……」」
それでも不味いものは不味いらしく、2人は唇をうねうねさせていた。
曰く、苦くて酸っぱくてねちょねちょしてて渋くてもわっとしてて鼻がツンとして舌が痺れるらしい。
うん、不味そう。
「はぁぁ……」
2人は、大量の水を仰ぎつつ、ようやく飲み込んでから溜息にも似た息を吐く。
と、同時に彼らの体内には妙な熱さが駆け巡っている。
それは、急激に回復する魔力の流れで有り、栄養不足を無理やりにでも補おうとする体の本能的な活動でもあった。
「この感覚、慣れねぇ……」
「俺も…」
「味もそうだけど、何でレムちゃんは平気そうなんだ?」
見てみれば、オーガ娘は鼻歌混じりにモリモリ食べている。
表面に現れている魔力からして、回復も物凄く順調そうだ。
「モンスターって体の大半が魔力で出来てるんだって。だから、栄養よりも魔力を摂るのが良いんだってさ。このグルグルした感じも好きなんだって……」
「味覚的にはどうなんだよ……」
「……すごく旨いらしいよ?」
「マジかよ……」
信じられないといった兄だが、実際オーガ娘は旨そうに食べているので反論の余地もない。
それに、今食えそうな物は、この魔力草と魔力の実しかないも事実だ。
もう1週間前になるが、兄が不機嫌になって出て行った翌日、その兄がひょっこり帰ってきた。
手には、どこで見つけたのか、ニラか何かが突然変異して真っ赤になったみたいな草と、柿が成長不良を起こして小粒になったような実が握られていた。
オーガ娘によると、それらは食用であり、人体への影響は無いとの事で、むしろ魔力回復に非常に有用であるらしい。
というわけで、喜んで3人で食べてみれば、男2人はその場で顔を青くしてぐったりし、魔力酔で寝込む事態にまで陥っていたりした。
だらしのない話である。
「酔いは、一番最初よか慣れたけどさ。せめてマシに調理できないものかね」
「あ〜、一応試してみたけど、味は不味かったし、レムの話だと魔力も消えちゃうってさ」
「って事は、やっぱり生食のみかぁ……」
人の味覚からしたら、何としてでも食べられるものにしたいところ。
しかし、この草も実も、熱を通しても水に漬けても魔力が霧散してしまうらしい。
何て融通の利かない植物か。
おかげでここ一週間、兄弟は苦い草と酸っぱい実だけを食って生きていたわけである。
ちなみに焦ったのは、オーガ娘の突飛な行動だった。
何でも彼女は火を見た事がなかったらしく、「コレがヒなノカぁ!」と、火中に手を突っ込んでしまい、思わぬ刺激に「ギャアアア!?」と喚いたりしていた。
傍目で見ていた少年は慌てたが、流石はモンスターと言うべきか、火傷はすぐに治癒されていたので大事にはなっていない。
「でも、レム本当すごいよ。一本の草と一粒の実から毎日3食キッチリ食べられるだけの畑と木を作っちゃうなんて! さっすがレムだ!」
「……そりゃ凄えけど、今はお前の方が怖えよ」
兄の言い分も尤もだと思う。
何しろ今の少年の目には、オーガ娘への尊敬しか見えない。
日に日に、新興宗教のレム教に嵌まりつつある姿に、俺だって恐怖を覚えてしまう。
マジ変な方に転がらなきゃ良いけど。
それはさておき、オーガ娘はオーガ娘でヤバい。
一週間前に兄が持ち帰った草と実に、彼女は話に出た『育成促進』の魔法を使った。
すると、瞬く間に元駐車場が一面の畑へと成り代り、その一角には立派な一本の木が鎮座ましましてしまったのだ。
余談だが、うねうねと植物が急成長する様は、かつて俺が異世界に行った際に、その星を支配していた植物モンスターであるトリフィドを思い出してしまうのもあって、思考的に拒否反応を示したくなってしまったのは嫌な記憶である。
「とにかくだ。これ以上草食って生きるのは辛い。さっさと動物でも何でも見つけて狩らないと」
「それは賛成。でも、この辺普通の動物なんているの?」
「さぁな。でも、モンスターは動物は狩らないしな。ネズミくらいは生き残ってるんじゃねぇかな」
「うぅ、ネズミかぁ……」
「食わないなら食うな。その分俺が食うから、太陽は見つけて狩るだけでいいぞ? むしろ一人で狩って俺に献上しろ」
「た、食べるよぉ。ちょっと苦手なだけで……」
……今更だけど、足立区も随分アグレッシブになったものだ。
普通の日本を知っている俺からしたら、ネズミなんて食べる気すら起きない。
思いつくのは、有名漫画で地下世界の住人が買って食べてるやつくらいだ。
今やネズミも日常食の一つになっているとはいえ、俺の中の常識という壁は厚いと実感する。
……いやでも、足立区で売られてるのは元がモルモットだったはずで、その辺にいるのは多分ドブネズミだろうけど、衛生的にヤバいのではなかろうか。
「お? カリに行くノか? ワタシも行くゾ?」
「勿論レムも一緒だぞ。頑張って動物を狩ろう!」
「ウム、キタイして良いぞ?」
「うん、期待してる♪」
「ったくコイツらは……」
少年とオーガ娘が出会って一週間と少し経ったわけだが、なかなかのハイペースで、2人は仲良くなってきていた。
兄としては、成り立てカップルか新婚夫婦でも見せられている気がしてゲンナリ感を隠さない。
ついでに、その内心は、どうも面倒くさいものを抱えている節があった。
ともあれ、そんなこんなで3人は団地周辺の探索を開始する。
俺的な感覚では、周辺に高位モンスターはいない。
油断は出来ないが、とりあえずこの3人であれば安全だろう。
「でも、兄ちゃん。動物とかってどこにいると思う?」
「さぁな。物陰とか狭いとこなんじゃねぇの? 普段歩いてて見かけたことねぇし」
いざ動物を探すとなると、実際そう簡単ではない。
第一、封印後の足立区の環境は変わり過ぎている。
昔ならそこら辺にハト、雀、カラス、ムクドリ、猫なんかを見かけるが、真っ暗封印に包まれてからは、区役所食料科の研究室以外で姿を捉えた事はなかった。
「ドウブツなら、ソコラ辺にイッパイおるゾ?」
そして、こんな時に状況を打破してくれるのがオーガ娘である。
最近は、この子の存在にチートを感じるようになってきた。
もしかして、戦闘よりも生産方面の方が優秀なのではなかろうか。
「…………」
「いっぱい? どこにいるか分かる?」
また、無言になってやや不機嫌になった兄を置いといて話を先に進める少年。
空気が読めているのか読めていないのか微妙な無邪気さに、つい俺も無い頭を無い手で抱えたくなってしまう。
そろそろ人間関係がヤバいかもしれないのだけど、流石にこれくらいで、俺が人化するわけにもいかないしな。
正直厄介なところだ。
「ムシもオオいが、あのタテモノのナカだ。コノカンジはコウモリダノ」
「んー、コウモリかぁ……」
「厳しいな。柄の長い道具がないし、俺らじゃ暗過ぎて見えない」
「フム、ならトリもムズカシイか?」
「え? 鳥いるの?」
「ウム、ムコウノ枯れ木の下でトマッテおる」
「と、鳥か……」
「つまり、鳥肉、だよね……」
ゴクリと喉を鳴らす2人。
コウモリと同じ飛ぶ生き物なのに、兄弟の反応がえらく違う。
そりゃコウモリやネズミよか鳥類の方がよほど食べられそうではあるが、捕まえるとなるとよほど大変ではなかろうか。
「太陽、やるぞ」
「うん、やるよ兄ちゃん」
なのに、この兄弟ときたら現金なもので、すぐさまオーガ娘が指差す方へと向かう。
枯れ木が近くなると、そろりそろりと歩き始め、さらに近くなると物陰からこっそりと様子を伺っていた。
ここまで意思疎通などしていないのに、兄弟の動きは見事に統一出来ている。
「「……え?」」
そして、唐突に感じた疑問の反応まで一緒。
場合によっては、それだけで鳥に逃げられてしまった事だろう。
とはいえ、無理からぬ話か。
幸いにして逃げる気配のない鳥と聞いていた生き物は、傍目にはとても鳥には見えなかったのだから。
一応獲物としているトリ? を前に、これ以上言葉を発するのが戸惑われるらしいので、俺がその生き物言葉にしてみる。
形状は、なるほど鳥だ。
翼も羽も嘴もある。
確かに鳥だ。
……だが、俺の知っている鳥には、背中に骨盤が出っ張っていないし、翼の先と足に鋭い爪もないし、牙なんてあってたまるかと思う。
尚もこれを鳥とするには、俺の常識を白亜紀とかまで遡らせる必要があるだろう。
思いつく言葉には、まぁ始祖鳥があるのだが、それより何より、奴らには明らかに普通の鳥では無い特徴があった。
大きさである。
とにかくその鳥はデカいのだ。
普通にタッパが5メートル以上あるし、鳥というよりはまんま恐竜にしか見えない。
むしろ、本当に白亜紀にでもいそうな外見である。
……てか、兄弟も同じ事思ってるだろうが、あれはモンスターではないのだろうか。
てかモンスターだろあれ。
少なくとも俺は、あの鳥……俺が付けた名称はコカトリスだけど、初見からしてモンスターとしか思っていなかった。
アイツらも死ねば普通に進化するし、そんな変体生物が、ただの動物であるわけがない。
「…………」
「…………」
兄弟は、無言でお互いを見る。
躊躇するのも仕方ない。
コアの位置は分かりやすく頭部だし、討伐そのものは難しくない程度だ。
まして、今は丁度一体のみ。
今の2人であれば、単独で撃破可能だろう。
だが、問題はそこではない。
だって、俺たちはコカトリスをモンスターとして見ているし、モンスターを食べるのは禁忌扱いにしているのだ。
それは、モンスターという存在は、元人間かもしれないという推定が為されていた故。
勿論、その根拠が薄いのは、俺たちも分かっている。
中には動物が魔力の影響を得て、モンスター化したかもしれない、という推論もあった。
けれど、いくら腹が減っていたとしても、マンイーターになるのはヤバいし、人の倫理を超え過ぎている。
何より、モンスターの区別も出来ない俺たちでは、下手に食用とするのは恐ろし過ぎたため、一括して全面的に禁止してきていたのだった。
そんな教育を受けている兄弟に、あれは鳥だからと言って、早々食うために捕獲なんて出来るわけがなかった。
「何をトマドウ? アレらはトリだぞ?」
空気を一切読まないオーガ娘。
そのくせ躊躇している理由の確信を突いてくるのが憎らしい。
だが、それでも兄弟2人は動けない。
少年も兄も、人食いするのには普通に嫌悪感が先に立っていた。
「フム」
すると、オーガ娘は1人動く。
その一切躊躇のなさに、残り2人は引き止める隙さえなく、次の瞬間には、オーガ娘はコカトリスの首を一閃していた。
「「はやっ!?」」
幾らまごまごしていたとしても、ほんの一瞬で10m程度の距離を移動して、かつコカトリスが己の敵の存在に気付くよりも早く首を寸断しているとなる速さとなれば、もはや兄弟の目では追いつかない。
正直俺でさえ、コカトリスの側に移動する姿を目で追えないほどだった。
いや、俺に目はねぇけど。
……というか、アレじゃダメじゃないのか?
「ってダメだ! レムちゃん! 早くコアを壊せ! 進化しちまうぞ!」
その通りだ。
モンスターは死ぬと進化する。
コカトリスの場合だと、ガルーダに進化する場合が多い。
あと稀に、めっちゃデカいズーとかにもなるし確実にコアを破壊しておく方が良いだろう。
しかし、オーガ娘は一向にコアを破壊しようとはせず、そのまま分断した頭と体を持って(てか、あの巨体を1人で引きずれるのかよ)、こちらへと戻ってくる。
ただ、時間的にそろそろ進化の兆候が現れるはずだ。
「オノノカズともヘイキだ。シンカはセヌ」
は?
何を言っている?
進化しないモンスターなんているわけがないだろう。
「フム、そのヨウスダとシラヌのダナ? ワレラモンスターのシンカには、カナラずイッテイイジョウのマリョクがヒツヨウとなル」
「いや、そんな悠長に話を聞いてる場合じゃ!」
「マァキケ。つまりモンスターは死ぬとシュウイのマリョクをトリコマネばならヌノダ。ギャクに言えば、トリコムマリョクがキワめてスクナケレバ、シンカはセン」
「「は?」」
は?
「ソシテ、ワタシには、キュウシュウのマホウがある」
「「え?」」
え?
オーガ娘は、思考がショートしかけている俺らをさらりと流しながら、コカトリスの頭部も胴体を、それぞれ両手で掴んだまま魔法を展開する。
しかし、それは見た事のないタイプの魔法で、普通は外側に向かって発する魔法を、逆に体の内側に向けるように発動していた。
「コレは、ゲンショウマホウのオウヨウ。コアをチュウシンにメグルマリョクのナガレをネジマゲて、ジフンへとウゴカすマホウダ」
すると、オーガ娘の言った通りに、モンスターの魔力が不自然にオーガ娘へと流れ始める。
えぇ? いや、でも、そんなの嘘だろ?
えええぇぇぇ?
「マホウとは、ホンライジユウなチカラ。イクラでもオウヨウはカノウなのだ」
お、お、応用とかそんな簡単に言われても……
何だよそのアイデア。
何だよその知識。
何なんだよその魔法。
何だってんだよそのゴリ押し。
もう、色々ぶっ壊れてるよふっざけんなよド畜生!
今まで……異世界転移して植物と戦争して敗走して、安穏と日本で生きられると思ったら意味不明な封印に巻き込まれて戦って戦って戦って何でか助けた奴と結婚して子供産まれて幸せでその子供が何でそうなるんだかモンスターと結婚して孫が生まれて今度は色々周りが面倒な事になってきたから刀にまでなって孫らの面倒を見てきたら今度の今度は孫までモンスターにテイムされてきたってのにこれまでの常識を、こんなあっさりと打ち壊される日が来るなんて……
「モンスターはの。死ぬとマリョクがブンサンしヤスクなるのダ。シンカのサイ、イッシュンキタイのヨウニナルデアロウ? アレはニクタイのケツゴウをヨワめ、カラダのコウゾウをサイコウチクしてオルからなのダ」
ごめんなすって。
もうちょっと情報が頭に入らんのよ。
ロートル超えたジジイには、理解するのにもうちっとばかし時間がいるからの、ふぉっふぉっふぉっ……
「イキテいるジョウタイだと、コアはニクタイをコテイさせてオル。コノトキではカタスギてキュウシュウはデキヌ。シカシ、死んダなら、コノヨウニマリョクをウツすコトがデキるのダ」
うわぁぁ……
どうしようもう……
俺、もしかしてもう要らなくね?
このオーガ娘だけ居れば、最低でもウチとこ一家安泰じゃね?
ははっ。
老害が世の発展には邪魔なのがよ〜〜〜く分かっちまったよ、ははっ。
「あ……マジかよ鶏だ。モンスターが鶏に変わっちまった。これ間違いなく食料科のとこにいた鶏と同じだぞ?」
「本当? これが? でも俺初めて見たよ兄ちゃん。鳥肉って元はこんなんなんだぁ」
「ドウダ? マチガイナくトリでアッタロウ?」
「あ、ああ……もう、何を驚いていいか分からないが確かに鳥だ。人間なんかじゃない」
「ソウダロウソウダロウ」
「ん〜、でもそうなると、もしかして大人達が嘘付いてたって事?」
「いや、単に知らなかったんだろう。類推くらいはあったかもしれないが、実証方法なんて無かっただろうしな」
「みんながこれを知ったらどうなるかな? もっと頑張ってモンスターを狩るようにならない?」
「どうだろうな……あんまりにセンセーショナル過ぎる気がする。影響が読めない」
ああ、その通りだ。
これは確信的過ぎる。
良い方に転がるか悪い方に落ちるか分かりゃしねぇ。
世の中ある程度変化には時間が必要なのだ、
……ってか、ああもう!
今日はこれで終いだ終い!
これ以上受け止められるか!
俺は不貞寝する!
目も目蓋もないけど、今日は俺は寝てやるんだ!
もう絶対起きねぇからな!
ちっくしょおおぉぉ……
型破りなんて、だいっっっっっっっ嫌いだああああああああああ!!