ふたりでゲーム
《家にて》
(ピンポーン)チャイム音
ツッコミ「はーい!」
(ガチャッ)扉が開く音
ツッコミ「よく来たな! さあ、上がって!」
ボケ「お邪魔しまーす……」
(バタン)扉が閉じる音
ツッコミ「そういや、お前と二人で遊ぶの何気に初めてだよな」
ボケ「うん……。というより、俺友達と遊ぶこと自体あんまり無いし……。というより、俺友達が少ないし……。」
ツッコミ「なんか変な地雷踏んじゃった……。じゃあさ、これ俺がいつも一人でプレイしてるゲームなんだけど、今回は二人でパーティーしようぜ!」
ボケ「パーティー!? パーティーって……あのパーティー!?」
ツッコミ「そう! みんなでワチャワチャするやつ!」
ボケ「た、楽しそう……!」
ボケ「(心の声)俺、友達とパーティーとか憧れてたんだよな……。豪華な料理とシャンパンと……。それをSNSとかに載っけたりして……って、俺SNSやってないんだった」
ツッコミ「じゃ、早速やろっか。はい、コントローラー!」
ボケ「ありがと……それにしては人少なくない?」
ツッコミ「大丈夫、これからたくさん集まってくるから!」
ボケ「ま、マジで!? いやでも、俺何にも持ってきてないし……」
ツッコミ「大丈夫、俺の昔のアカウント貸すから! いざとなった時の装備や武器もあるし!」
ボケ「ぶ、ぶぶぶ……武器!? そ、そんなに危険なの!?」
ツッコミ「なんたって殺し合いだからなあ〜」
ボケ「殺し合い……。生きて帰って来れるかな、俺……」
ツッコミ「それはお前の実力次第だろ(笑)」
ボケ「(小声)実力主義の無慈悲な世界……」
ツッコミ「まあとりあえず、やってみようぜ!」
ボケ「お、おう……」
ゲーム操作開始。戦闘相手を探すツッコミ。
ツッコミ「ええっとー、とりあえずネットから世界に飛んで……」
ボケ「せ、世界!?」
ツッコミ「おー、なるべく色んなやつと戦いたいからなー」
ボケ「(小声)世界規模の殺戮パーティー……」
ツッコミ「お、レベルの低いプレイヤー発見! まずはお前らから潰していく〜!」
ボケ「(小声)怖え〜」
(ピコピコ)ゲームプレイ中。敵から打撃を受けるツッコミ。
ツッコミ「うわ、やられた! すまんカバー頼む!」
ボケ「任せろ……」
敵を切りつける音(ボケ操作)。再び二人でピコピコ。
ボケ「あ、リカバリーアイテムゲット。これ一つやるよ」
ツッコミ「あ、ありがとう」
ボケ「あ、マネーゲット。これで武器強化して……」
ツッコミ「……」(少し呆気にとられる)
ボケ「あれ? なんか一人殺しちゃった」
ツッコミ「……!?」
ツッコミ「(心の声)うっわ、足やられたよ。HPやばい!」
ツッコミ「……ここ痛いな〜」
ボケ「こんな所に居ても仕方ないだろ。もっと人が集まってる所に移動しないと」
ツッコミ「いや……ここに居たいんじゃなくて、足が痛い……」
ボケ「ほら、ちゃんと着いてこいよ。遅い、もっと早く走って」
ツッコミ「いやだから、足が……ってお前! なんだよその装備!」
ボケ「何って……ゲットした」
ツッコミ「ゲットしたって……それレアアイテムだぞ!? 簡単に手に入る訳……ってお前のレベルえげつなッ!! この短時間の間にどんだけレベル上げしてんだよ!」
ボケ「え、なんかコントローラーカチャカチャしてたら勝手に上がっちゃった」
ツッコミ「初心者かと思ったら超絶天才だった〜!」
ボケ「あ、何か知らんうちにゲーム終わっちゃった……。なんか1位とか23……キル?とか書いてあるけどコレなんだろう……」
ツッコミ「(ボケの名前)さん……」
ツッコミ、土下座する。
ツッコミ「…………どうかあなた様の弟子にしてくださいッ!!」
照明落ちる。終演。