魔王は、店に行く。
「ねぇ、今更なんだけど…なんでシン君は朝しか訓練しないの?」
「あぁ…それはな、店を営業してるからだ。」
「………店?…」
頭に?マークを浮かべるミカエラ。
「あぁ、店だ。」
シンは、ふざけている様子もなくただ平然としている。
「…え?なんで?」
ミカエラが疑問に思うのも仕方がない。
シン自身、めちゃくちゃ強いのに魔物を倒すのではなく、国の軍に入るのではなく戦いから離れた商業なのだから。
「なんでって金が無ければ生きていけないだろ。」
「いや…そうだけどさ…」
「…今から店行くんだけどお前も来るか?」
納得のいってないミカエラを置いて出かける準備をする。
「…まぁ、特にやることないし…」
そう言うミカエラは、店に行くのに歩きではなく地下にある転移ゲートで行ったのはもう、呆れるしかなかった。
「あ!オーナーこんにちは!」
ゲートをくぐると、そこは広い倉庫の中だった。
たまたまいたのか15歳ぐらいの少女はシンに向かって腰を曲げる。
「あぁ。クルア、昨日の売り上げは?」
クルアそう呼ばれた少女は、暗記をしているのか客の数、売られた商品の数をスラスラと告げる。
「金貨15枚か…」
この世界では、銅貨、銀貨、金貨の順に高く、銅貨千枚で銀貨一枚、銀貨千枚で金貨一枚である。
「え!?…シン君のお店はどんなおみせなの!?1日で金貨15枚って凄くないっ!?」
一般家庭で1ヶ月銀貨10枚稼ぐのに対して、シンは異常である。
「ここの店は、普通の道具屋だ。」
「いやっ…普通の道具屋でそんなに稼げないでしょ!」
「え?でも実際稼いでるし…」
「あと、オーナーにお客様が来てます。」
「わかった。案内してくれ。」
シン達はクルアに案内され階段を上った先にある部屋へとはいった。