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ひゃっほー
もとねたはあとがきで
AUTOMATA 2
プロローグ
―不知火宅 亮の部屋にて―
「・・・あーー・・・・。」
うだるような暑さの中、扇風機が回っている。
しかし、カーテンを閉めようが、エアコン付けようが、扇風機を回そうが、水をぶちまけようが、
「そう簡単に暑さが引くわけないだろ。」
と、本人。
「はぁ・・・・」
ため息をつきながら、勉強と格闘中。
ごくごく普通の宿題。
「なんで、宿題なんかあるかなぁ、夏休みに。
別にやらせなくていいだろ…。校長の自慢話延々聞かされて…」
そこまで言って思い出した。10分以上使った校長のスピーチを。
「『俺は、夏休みって言い方、あんまり好きじゃない。』って、ずいぶん個人差あるぞ?」
覚えてる限りでは、「自分は昔、英語が苦手てあきらめていた」という話から始まり、それを『夏季休業』の間に教科書とファイルの内容を3回ノートに書き写して云云かんぬん・・・。で、英語のテストでいい点とって、周りの奴らが驚いていてどーのこーの・・・・・・だった気がする。確か。
「・・・よく覚えてたよなぁ・・・自分・・・。」
つぶやいた瞬間、家のチャイムが鳴った。
「ん?」
気になったので、鍵を開け、扉を開ける。
「よぉ、不知火!元気にしてたか風邪ひかなかったか熱中症な・・・」
「元気にしてた?」
「ちわー。こうして話すの教室以来だよな。」
「一回全員黙ってくれ、何言おうとしたか忘れた。」
ずいぶんうるさい一人と、軽めのあいさつの二人がいた。
最初の一人――超が付く熱血漢――は、成田圭吾。
二人目は、犯人がどうのこうの、と以前話しかけてきたポニテの茶髪―というか、ダークブラウン―の女子。
名前は確か、霞神 涼香だ。
最後の一人は、天崎 竜牙――成績は上の上。茶髪男子。サッカーが恐ろしくうまい。女子からひそかに人気がある男子―以前居眠りしたときに話しかけられた―だ。
「そうだ。何でここに来たんだ?」
「んー?」
来訪者3人を代表して霞神が答える。
「いいじゃん、そんなこと。暑いし暇だしやること無いし。」
「宿題は?」
「その話はナーシ。ささ、上がっちゃおー」
身勝手極まりない。いつの間にそんな極意覚えた。
何言っても無駄そうなので、おとなしく家に入れた。
第一章 いつも通りの部屋の中
「んなっ、お前卑怯だぞ!?」
「まぁまぁ、そんなに熱くならなくても・・・」
「勝てればそれでいい!チートも不正も使い方わからないし!」
「同感だがな‥‥。そこまで自信ありげに言わなくてもいいと思う。後、不正とかはするな。バランス崩壊する」
4人でゲームをしていた。
それも、フォートナイト(だったはず・・・)という、オンラインFPSで、だ。
ちなみに、圭吾は開始早々、建物を霞神(+ほかのオンラインプレイヤー3人)に壊されていた。
それをなだめるのがある意味一番の苦労人、天崎の仕事である。
「やっぱり、荒野行動しよう!俺はそっちのほうがきっと向いてる!」
「また対人シューティングやるのか?それもスマホで。」
「当たり前だのクラッカー!」
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」
数秒、沈黙があたりを支配する。
「あー・・・。そのネタ、国語の先生の奴だろ」
「あの先生、まぁまぁ人気あるしねー。」
「見た目がまさしく、『水泳部の顧問』、だもんなぁー」
「ネタはしょっちゅう言ってるわけじゃないんだがな…」
「ねぇ・・・」
「なぁ・・・」
沈黙の後に、亮、霞神、天崎が続く。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
さすがに責任を感じたのか、成田も黙る。
しばらく会話しそうにないな・・・・・、と思った亮だった。
「飲み物買ってくる。」
居づらくなったので、亮は三人をほっぽり出して外に出かけようとする。
靴を履いて、外に出てみると、予想以上の暑さが歓迎してくれた。
「うわぁ・・・・・・・・・・・」
今更帰るわけにはいかないので、三人のリクエストを買いに、近くのラウソンまで走っていった。
―近くのラウソン内(エアコン20℃)にて―
店内に入ったところで、三人のリクエストのものを反復する。
圭吾…コーラ(なんとなくわかってた。)
涼香…ミルクティー(やはりなんとなくわかってた。)
天崎…GGレモン(かなり以外。それを飲める奴だとは到底思えなかった。)
ちなみにGGレモンだが…、恐ろしく炭酸が強い。
OURTUBE―アワーチューブ―に配信された動画では、ビーカー内にGGレモンをいれ、魚の骨が1日の間にどれだけとけるかで実験した結果。
魚の骨の三分の二が溶けてなくなっていたという。
テストでアワチューバ―が飲んでみたところ、ものの数秒で口の中のそれを床にぶちまけた。(当然、キラキラモザイクつき。哀れなもんだ。)
ではこれはどうやって飲むのかと聞かれると。
なんでも飴やら肉やらを漬け込んで柔らかくしたりして使用する、と言うのが本来の使い方だという。
しかし世界にはどんな猛者がいるのか。例えばこんな人間がいた。
口の中にポップキャンディーをたらふく入れ、GGレモンペットボトル1本分を飲む、というはたから見れば鬼畜極まりない飲み方をしていたのだそう。しかし二本目のGGレモンで気絶し、病院搬送。現在は胃潰瘍で病院にいる。真似した人間ももちろん病院送りだ。
現在では、コーラをはるかに抜いて、『最もアブない飲み物』として、堂々の一位に輝いている。
天崎もこれが飲めるということは何か隠し種があるのかもしれない。
ちなみに、レジあるあるだが。
みんなはどれに遭遇したことがあるだろうか。
1.相手が新人。
2.レジで居眠り中(直立状態)
3.スマホいじり+イヤホン装着。
亮は今、その3の人間に当たっている。
ほかのレジを使えばいいのだが、あいにく混んでいるというオマケ付き。
机をたたいてみたり(化け物の力開放中)、レジのベルを鳴らしてみたりする。
レジベル3回目で、やっとこっちを向いた。
こちらを向かせるのにかかった時間、約1分(うち、机たたきに50秒、3ベルに10秒ほど)。
さすがにこちらのイライラに気づいたのか、黙々と作業をしてくれた。
面倒くせぇ、とぼやく亮だった。
第二章
―実験第2のレポート―
7月4日・・・国立研究所(極秘)
研究内容・・・UMAの解剖
体は鋼のような外殻に覆われている。甲殻類に近い。
しかし、体つきは人間に近いし、四肢を使って滑らかに動く。いったいどういう仕組みでできているのだろうか。
これを捕まえてきた自衛隊は、何を使ったのだろうか。
とにかく、このような生き物がいたこと自体が不思議だ。
早急に彼らの体を調べ上げなければ。
7月5日・・・国立研究所(極秘)
研究内容・・・UMAとの通話準備
あのUMAが目を覚ましたらしい。研究員が「実験体がこちらに手を伸ばしてくる。」と泣き叫んでくる。よほど不気味な光景らしい。
興味がわいたので、実験体を入れておくカプセルの中に通話機を入れておいた。
実験体が興味深げにそれを触る姿は、確かに怖気がした。
明日からは、それで話しかけることにした。
7月6日・・・国立研究所(極秘)
研究内容・・・UMAとの通話
通話機に向かって「やぁ」とはなしかけてみた。
返事はたいして気にしていなかったが「こんにちは」と返されたことに、心底驚いた。
しゃべれるのか、と聞いたところ、「話せますよ。コミュニケーション手段の一つですから。」と言ってきた。まだずいぶん若い落ち着いた男性の声だ。
それから私と実験体はこんな話をした。
「君たちは何者なんだ。」
「はは。一応『UMA』と、あなたがたが言っているものですよ。」
「なぜ喋れるのだ」
「声帯があるからです、見えないですけど。」
「何が目的なんだ。」
「ひどいなぁ。クマが出たって聞いたから、少し間引きに行っただけなのに。」
「おい、実験台君。それでは、自衛隊の人たちと言ってることが矛盾しているぞ。」
「人間なんて、所詮はそんなもんです。」
人間のすべてを知っているような口調だった。
ぞっとする声だった。
なんなんだこいつは。
「人間は、自分に都合の悪いことは、全部書き換えちゃうんですよ。例えば、一国の首相、国会議員、科学者、防衛大臣、首相夫人とそのお付き、理事長、病院長まで。みーんな、都合の悪いことは、闇の中に捨てちゃうんですよね。」
一呼吸おいて、
「あなた方もそうでしょう?上の人にコネとかを使えば、僕らの研究を無かったことにできる。人間によく似た、それでも全く似ていない化け物の、ね。そりゃそうですよ。ばれたら、いろんな所から叩かれるから。おまけに・・・。」
「な、なんだ。い、言ってみろ」
「この研究、FBIとか、結構有名な企業とか組織とかが、かなりの数ついてますよね。ばれて叩かれたら、トカゲのしっぽ切りで、あなたも消されるんですから。上には上がいるものです。」
息が止まった。
図星なのだ。
「・・・あーあ、やっぱりそうですか。」
「何で…なんでわかったんだ、私しか知らないはずなのに!」
「・・・・・・そういえば、言ってませんでしたよね。僕らの秘密。」
「・・・なんだ。」
「僕ら、いや、『オートマタ』は、人の心が読めるんです。」
不思議な響きだ。
そんなファンタジックな言葉を聞くのは、少年時代以来だ。
「後、あなたは確実にクビになりますよ。」
「それも君たちの能力か?」
「これからほんとにする冗談です。面白半分に受け取っておいてください。」
食えないやつだった。
―とある家庭にて―
7月7日、ニュースが流れた。
その内容は、「国立研究所で、大規模爆発が起きた」ということだった。
まだ7歳にもならない息子が、「お父さん、『ダイキボ』って、何?」と訊ねてきた。
大きなっていう意味だよ、と教えたら、「ふぅん」と何か納得いかないような声を上げた。
どうしたんだ、と聞いたところ
「よっぽど、悪いことしてたのかなぁ」だなんて、大人びた答えが聞こえたので、びっくりした。
今の子供はみな、こんな感じなんだろうか。
―とある家庭の住居の近くの電柱にて―
「いやぁ、人それぞれだと思うなぁ。」
一人、コートを羽織った男性がつぶやく。
「そう、思うでしょ?愛しのエリア」
そして傍らの女性―薄緑の長いストレートにくせっけのある16ぐらいの―に声をかける。
「なーんにも、知らないほうがいいこともあるしね。」
「うん。」
「いまさらその事実は変えようがないんだもの。愛しのリール、いや、スクード?」
「やっぱり?ラピッド?」
アハハハと、二人は笑いあう。
不気味なまでに、シンクロして。
それでも、周りを安心させるような声で。
第三章 施設爆破に次ぐ工場爆破
―サンプル使用者の話―
ええ、ええ、それを聞いたときはびっくりしましたよ。まさかあの実験が成功するなんて!って。でも、爆発でほとんどなくなっちゃったんですけどね…。
何の話をしているのかって?いやだなぁ、その研究所で作っていた『サンプル』の事ですよ~。実は、ものすごく珍しい生き物を自衛隊の人が捕まえてくださって、『こいつらの生態を徹底的に調べ上げてくれ』って、所長に頼みに来たんです。なんでも、お偉いさんだったそうで。
で、何のサンプルを作ったのかって?まぁまぁ、それはお楽しみということで。
捕獲した実験台は、日本語がしゃべれたそうなんです。日本語を習った人以外、絶対にしゃべれないのにねぇ。
入手したサンプルは、私が『自分』に打ち込みました。
そして、それを使うとなんと・・・
風にも熱にもかからなくなったんですよ~!
もともと病弱な私がそんなものなくなったわけだから、当然皆さん驚かれまして。
『一体全体どうしたんだ』のオンパレード。
ここから先はご自分で試してくださいね。
○○製薬からのお知らせでした!
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などという動画がアワーチューブに、2036年に上げられていた。
興味本位で「そんなものあるわけない。」と高をくくっていた人々は驚愕する。
それが、2038年7月8日に発売されたから。
人々はそれを求めて東奔西走。
多くの人々がそれを買おうとした。
効能は「無病、肌ケア、血行促進」などなど。
相変わらず人々は無知なままである。
何が使われているかを、知らないのだから。
―研究所跡に作られた薬品工場にて―
「だめだ・・・・・・。もうこれ以上作れない・・・・ッ。」
白衣の男が頭を抱えてうずくまっていた。
30―くらいだろうか。その割にはずいぶん焦っているようにも見える。
「どうすれば…。どうすればまたあいつを捕まえられる・・・・・。」
狭い一室で、彼は叫ぶ。
「クソ、クソ、クソォ。何で、何でだ!何で目撃情報がないんだ!何で捕まえられないんだ!どうしてあの時、もっと材料を取っておかなかったんだ!」
そこに声をかけられる。
「あれ?あの動画を上げた人じゃないですか。いやぁ、こんなところで会えるなんて♪」
若い声だ。
視線をそこに向ける。
そこには、あの時捕まえた実験台がいた。
「ヒィィィィィィィッ!?!?」
「驚かせちゃいました?いやー、実は…」
彼が、右手に持っていた手紙を差し出す。
「よーく、落ち着いて読んでください。」
読めるか。
喉元まで出かけた言葉を飲み込んで、震える手でそれを受け取る。
便箋を開き、中の手紙を読んでみる。
ジーっと。
内容は。
大きな文字で。
一言
「殺す エアル」
とだけ。
「まぁ、そういうわけです。彼女からの手紙なんですよ。」
照れているのか、嬉しいのか、頭を掻きながらそう言ってくる。
「あんまりここで時間潰すのもあれなので」
そういって右腕につけられた盾の先端をこちらに向ける。
大型の穴が、二つ開いていた。
「ヒッ・・・・・・・・!!」
「さようなら、工場長。いい夢を」
二条の光を目が捕らえると同時…。
その工場は、跡形もなく吹き飛んだ。
一瞬だった。
後には焼け跡しか残っていない。
焼け跡で一人の化け物がつぶやく。
「怒られるかなぁ・・・・・・・。あ、でも、これで事に集中できるや。」
そして走り出す。
「ことの発端は・・・・・・、グーちゃんを連れだしてきた子かー。厄介なのが出たね、使役獣って。かわいそーに」
普通の人間にはわからないことをつぶやいていた。
第四章 竜+主が連れてきた+化け物の邂逅=一般人に迷惑
―桜花市 とあるビル街にて―
悲鳴と怒号があちこちから上がる。
逃げろ、と叫ぶ者がいれば、救助が先だ、というものもいる。
しかし、人間ごときがそれに立ち向かえれるわけがない。
龍とサソリとカニの特徴を丸々くっつけただけのようにも見える、と専門家は言う・・・はずだろう。
竜の顎と爪、サソリの尾、蟹の鋏を持っている。
意味もないことを叫ばれるだけで頭が熱くなる。
これが怒りなのだろうか。
・・・まぁ、使われるだけの自分には感情があるかどうか怪しいが。
どうせ好きかって騒ぐだけの人間だ。
そのうち、海の外にでも出てやる。
放っておけばいいのだが。
どうにも、自分にはそれができない。
しかし、「適当に歩いていろ」と言われて、吾輩はどうすればいい?
ルルルゥゥゥ、と思わずうなり、近くの人間たちを怖がらせてしまったことに気づく。
飛べぬ身で、どうすれば怖がられなくなるのだ。
そもそも吾輩はこの顔がコンプレックスだというのに。
主よ、あなたは何を望んでいるのだ・・・・・・・。
そもそも、吾輩があまり好戦的ではないことを知っているだろう・・・。
哀れな竜の内心であった。
―亮視点―
「・・・・・・・・・・?」
いぶかしげに彼は両眼を細める。
「あいつ………、なにしてんだ?」
オートマタの能力には心を読み取る能力がある。
いうなれば、『サイコメトラー』的なこともできる。
しかし、その能力を使う必要はなさそうだ。
異形の竜がそこのビル街で、くるくる回って、きょろきょろしているのだから当然だ。まるで方向音痴。
はたから見れば、結構おかしな光景である。
「戦う気は見えないし・・・・・・」
「あ、やっぱり君もそう思うかい?」
「ッ!?」
声のした方向を反射で振り向く。
若い男が立っていた。
くすんだ緑の髪の男が。
ニコニコと、人懐っこい笑みを浮かべている。
「・・・」
その表情に敵意がないことを確認すると、彼はとりあえず安心した。
「誰なんだ、あんた一体」
「うんうん、礼儀はなってないね。でも、人の名前を聞くときは自分が先に言うことが大事だよ。
僕はリール。あだ名は『護る者』っていう意味でスクード」
「それ、あだ名じゃなくて『ファントム・ネーム』じゃないのか?」
直訳すれば『怪物の名』である。捻りのかけらもない。
リールもそれで分かったのか、「あー、そうとも言えるね。」と納得している。
「・・・・・・」
つい黙ってしまったが、今度はこちらの番であるというのに気づく。
「俺は亮。『ネーム』はブラッド。ここ最近は平和だった。」
「へぇ、『リョウ』か。いい名前だね。たしかに」
「自分はあんま好きじゃないけどな。面倒だ」
話を適当に切り上げて、先ほどの竜を見る。
相変わらず右往左往している。
「なぁ・・・・。あんたはあの光景をどう見る?」
「人間には恨みのかけらもないのに、無理やりこっちに来されられた感じだね。
迷子がおいてかれたみたいになってる。」
「例えがひどくないか?」
「え、似たような感じじゃないの!?おかしいなぁ、確か川に赤ちゃんか、自分の『おかみさん』を捨てる演劇、なかったっけ?」
「演劇じゃなくて落語だ。後、おかみさんを捨てるのはとある人のアレンジだ。二十年近く前に飛んでったけど。」
桂歌丸、だった気がする。
死んでもなお、人気のある落語家である。
亮は口を開く。
「あいつ、どうする?」
「ん~~~」
ずいぶん呑気な声を上げたのはリールだった。
「『異世界』、ていうか、あれが元居た場所に返さないとね。」
「初耳なんだが、その『異世界』っていうやつ」
「じゃあ、教えよう。大雑把に説明すると、とある有名な漫画には、いくつもの惑星があるだろう?それぞれに王様がいて、さらにその王様を統べる存在がいる。その王様のトップは、ええと、『界王神』、だっけ?」
「知るか」
「ひどいよ。でもまぁ、『界王神』っていうのは次元も操るらしいんだよね。人間には絶対いけない場所を。そんな感じで、異世界があるんだ。」
間を置き、
「『界王神』様はいないけどね」
「よくわからない説明だった、ありがとう。つまり、ココじゃないどこかなんだろ。」
「正解だけど、僕が説明した意味は?」
「欠片もない」
「僕の扱い酷くないかな?」
数分後・・・・・・・・・・・・・・・・
その竜を、異世界に放ることに決定した。
第五章 超爆走!基点設定+人間の目
―何も知らないサラリーマン目線―
ああ、うちの会社が・・・・・・
いやまて僕はいったい何言ってるんだろう。
入社して2年たたないが今の職場になれたところなのに。
昔はまだ平和だったなぁ。汚職事件とかは普通にあったけど、こんな訳の分からないことは起きなかったんだろうなぁ。
なんて思ってたら、あの大きい何かがこっちを向いた。
刺激しちゃったかなぁ、なんて半ば他人事のように思ってる僕。
そもそも猫にも犬にも嫌われるし、人なれしてるカラスに追いかけられる僕だしなぁ・・・。
ほんとにこっちに来た。
後ろで係長が大絶叫+大号泣してるのが聞こえてくる。うるさいですよ。
地響きがさっきからなってて、足元がおぼつかない。
どーなっちゃうんだろ、僕・・・・・・・・・・・・・。
―二人目線―
ただいま爆走中。
それ以外に当てはまる言葉がない。
いくら時速85キロ以上で走っても、あれが動くものだから、どうしても基点をつけなおさなければならなくなる。
「あのさぁ、ものすごく言いにくいことなんだけど」
隣からスクードが話しかけてくる。
「ん?」
「僕がグーちゃんを拘束してくるから、基点設定しといてね。」
「ハァ!?」
返事をする前に、彼はとっくにそれ(彼曰く『グーちゃん』)の背中に飛び移っている。
「どぉどぉーーーーーーーーー」
だなんて、ふざけているようにしか聞こえない声が聞こえてくる。
「あんの、馬鹿がぁ・・・・・・」
聞こえないように、ぼそっとつぶやく。
とにかく。
基点を決めなけば。
基点を作成するにあたって、条件がいくつかある。
1.下が地面であること。
2.指定した生物が落ち着いている状態であること。
もっとも面倒なのが3だ。
3.指定範囲内にがれきが存在する場合、それも巻き込まれる。および、生物を巻き込んだ場合、指定生物と同じ場所に送還される。
だ。
ようするに、人間等が中に入ってると、一緒に送られてしまうというわけだ。
本当に送ってしまったことがあったのかはわからない。
スクードに聞いただけだ。
とりあえず、今はスクードが抑えていてくれるから、問題はないだろう。
作業に取り掛かる。
使役獣の四隅にがれきを突き立てる。
うち二本は双頭だ。目印になるから。
時速85キロでの早業なのだから、秒単位で終わる。
「・・・・・・、後何するんだったかな」
肝心なことを聞くのを忘れていた。
「もういいよねぇぇぇぇ!」
と、使役獣の背から聞こえる。
親指を立てて合図を送ると・・・。
その四隅の中央に向かって、レーザーをぶちかましたのだ。
「え?」
となったが、よく見れば、地面にはクレーターではなく、本当に幻想的な虹色の液体が入っている。
「えええええ??」
そして。
スクードは、使役獣の首根っこをつかんで、液体の中にぶち込んだ。
ばっしゃーんと、液体がはねたが、それも面白いように蒸発していく。
しばらくグーちゃんはもがいていたが、少し経てば沈んでいった。
しばらく唖然としていた。
あんなのできるのかよ、だなんて。
あとは犯人捜しだけだったのだが・・・。
スクードの連れと名乗る奴が、とっくに殺っていた。
スクードは彼女を『ラピッド』と呼んでいた。
やられたのは、2036年に動画を上げていたあいつだった。
もはや人間の死体と呼んでいいのかわからないほどぐちゃぐちゃだった。
いうなればミンチだ。
できる限り、戦わないことを祈る。
第六章 エピロォォォォグ
―7月11日 更に二人加わって、騒がしくなった亮の部屋にて―
わいわいがやがやと後ろから聞こえる。
ものすごくうるさい。
まるでセミだ。
不知火亮は小さくため息をつく。
「はぁ・・・」
「どうしたの?」
横からリールが声をかけてくる。
「いきなりだけど、お前、ニュース見たのか?」
「あ!!見逃した!」
「そーゆー意味じゃない」
そこにエアルが突っ込む。
「いい?あなたたち二人、野次馬に撮られてたの」
「「ふぅん」」
「聞いてる、二人とも?」
少し間を置き、(こういうところはリールとそっくりだ)
「だから、政府が動くことになったの」
「「ふぅ・・・・・ん?」」
スケールのデカすぎる言葉に、返答に詰まる。
「まぁ、『捕獲し、皆様に安全を取り戻すことが、我々の使命であります』って言ってたわよ、今の防衛さん。どこぞの少年漫画みたい」
「「・・・・・・・・・・」」
さすがにそこまでは想定外だった。
どうなることやら。
「おーい、何三人で話し込んでるんだ?荒野行動しようぜ!」
こっちはお前らとは違って別の意味で行動してるよ。
空前絶後の超絶怒涛の熱血漢に、そう言いかけた。
・・・少しは察しろ、細目。
END
超が付くほど適当なあとがき
どーも
ホムラです
7月11日、いうなれば今日です。
1の時は焦りすぎて、内容ズタボロ、校正もろくにしてない状態でした。
すみません
いろいろあって自己紹介遅れました
改めて書きます
ホムラです
イチオー学生です
ちなみに、文字数は10000文字だと、表示されました
ワードで調べました
今はすごく便利です
物語の元ネタ
これを書くに当たってですが、何人かネタにした人たちがいます。
1.成田圭吾
同クラスに圭吾の元ネタとなった人物がいます。
特徴そっくりです。
違うところと言えば、今はPUBGをやっていることぐらいでしょう
2.元坂 先生
理科の教師です
特徴もそのまんまなんです
ひねりのかけらもありません
いえ、ほんとに違うとこがないんです
あったらご報告ください
3.第二十中多言語学校
元ネタは大阪の第十中です
保護者の方とかはわかるかも
4.オートマタの見た目
ここからは箇条書きです
悪しからず
ブラッド:MHX~XXのゼクス系統から
個人的にも気に入ってました
スクード:MH4G~XXのスキュラ系統(Xを除く)から
XXで持ってた防具の中では、お気に入りでした
ラピッド:とある有名な小説及びアニメの『師匠』から「えーだぶる」←これをアルファベットに置き換えてググれば出てくる。
ちなみに、亮君の元ネタはありません
元々そういうやつなんです
以上、元ネタでした
3は作れるか怪しいです、時間ないし
なんか、『オモシロクネーカラ、ツクンジャネエゾドシロウトガ―』とか普通に言われそうですしね
ではでは
\ /
\ 天 /
\(●(エ)●)/
II
↑
特に意味はありません