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真殿様と美少女有栖の花嫁計画 その1


「却下だ」



ですよね。



生徒会室へとやって来た、僕、真殿様、加藤先輩。


この華村高等学校の生徒会長である神楽坂雪代先輩に、部活動申請をしに来たのだが、まぁ、想像通り却下された。



「そんな訳の分からない部を認めるわけには行かない。すぐに教室へ戻るんだな」


眼鏡を掛けた厳格そうな顔を歪ませながら、僕たちを追い返そうとする。


「何故だ?生徒会と言うものは、生徒のささやかな望みすら聞かないのか?」


「大体の部申請は、ある程度の人数等が揃っているならば許可を出している、がお前たちは3人しかいないかつ、そんな私利私欲な部活が通るわけないだろう。せめて、お前の意見に賛同する女子生徒でも見つけてくるんだな。話はそれからだ」


お前のわがままに付き合う者がいるか分からないがな、と一言添えて生徒会長は僕たちを追い出す。


「まぁ、想定内の事でしたね。これに懲りて、もっと堅実で手っ取り早く花嫁候補とやらを探し「そうだな、先に花嫁候補を見つけ、あの生徒会長に一泡吹かせてやろう」


はっ?


「おっ、えぇ考えやんなぁ、僕も同じような事考えてたわ〜。ほな、花嫁候補ちゃんとこ行こや。知り合いではないねんけど、1人えぇこおんで〜」


加藤先輩が居れば、僕はいらないんじゃないだろうか。今、ここで僕がいなくなっても、気がつかないのでは


「おい、忍。放課後俺の教室へと迅速に来い。今日中に花嫁候補に会いに行くぞ。遅れた場合は・・・もしかしたら俺への恩が加算されるかもしれんぞ?」


諦めよう。僕はこの人から逃げられない。


昼休みを終える予鈴が校舎内に響く。後5分もすれば本鈴がなるだろうな。

生徒会室は一階、僕のクラスは3階。


間に合うかなぁ・・・間に合わなかったら、真殿様のせいにしよう。きっと、先生は許してくれるだろうと、ささやかな希望を抱いて。




放課後、終礼が終わると同時に教室を飛び出す。遅くなるわけにはいかない!これ以上真殿様への恩が加算されるわけにはいかないっ!!て言うか加算ってなんなんだよあの人は!!


注意されない程度のスピードで廊下を歩きながら、目的地へと向かう。よかった、真殿様のクラスはまだ終わっていないようだった。


「おっ、おチビさんやん。やっほ〜、お昼ぶりやなぁ〜」


真殿様のクラス前でヒラヒラと手を振りながら加藤先輩が声をかけてきた。


「・・・どうも」


今日出会ったばかりの人と、何を話していいのか分からず、軽い挨拶だけ済ます。


「つれんやっちゃなぁ〜、忍くんともなが〜い付き合いになりそうやし、仲ようしょ〜や」


肩に手を回し、僕の頬っぺたを突いてくる加藤先輩。かなり、鬱陶しい。僕はその手を軽く叩く。


「ちょっ、触らないでください!それと僕はそんな長い付き合いするつもりは一切無いですから!」


そんな攻防戦?を繰り広げているところで、真殿先輩のクラスも終礼を終えたようだ。


「よし光希、すぐに案内をしろ。もう放課後だからな、帰宅するやもしれん」


「あっ、大丈夫やで〜。3年のクラスは大体僕らよりちょっと遅いぐらいに終礼しはるから、まだ間に合うはずやで〜」


3年生?その人が加藤先輩おススメ?の花嫁候補の子になるのか?


3年のクラス通りは、加藤先輩が言うようにまだ終礼をどのクラスも終えていないようだった。


加藤先輩は3組の前で立ち止まると、一目見たら1発で分かるで〜と、言う。


「ほう、では見るか」


真殿先輩は、まだ終礼も終わってないクラスの扉をガラリと開く。

よし、僕は何処かへ隠れよう。


あっ、でも、その前にチラリとだけ見てみたい気も・・・3年の先輩達が真殿先輩に注視してる中、こっそりと窓からクラスを覗き込む。


一目で、分かった。間違いなく、あの人だ、と思う人物がそこにいた。


日本人離れした、光の角度によっては金色に見える髪、瞳の色は恐らく青い色をした、人形のような、物語から飛び出てきたような美しい少女。

こんな綺麗な子が、この学校にいたなんて・・・


「3年生の瀬戸内有栖ちゃん。イギリス人とのクォーターで、間違いなくこの学校でもトップクラスの美少女ちゃんやなぁ」


驚く僕の隣で、加藤先輩はクラスの人たちには聞こえないぐらいの小声で言っていた。


真殿先輩も瀬戸内有栖さんをターゲットと認識したのか、彼女の前までズカズカと歩き出す。


「この後、俺と共に来てもらおうか。」


真殿様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!





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