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真殿様の振り返え休日計画


無事に中間テストを終え、一息をつく。

まさか、有栖が勉強出来ないとは意外だった。

いや、真殿財閥を将来率いる身として人を見た目で判断するなど、愚かな真似をしてしまったな。


それを言うなら、忍もあんなに社会が好きだとは思いもしなかった。

やはり面白い、あのメンバーは。


無くならせない為に、そして俺の将来のためにも部は必ず設立しなければ。


メイドの淹れてきた食後の紅茶を堪能する。

うむ、やはり朝は王道だがイングリッシュ・ブレックファスト・ティーに限るな。


紅茶の香りを楽しみながら、自身の目的である理想の花嫁について考える。

以前忍から、どんな人がいいのか。と聞かれたが、俺自身答えることができなかった。


理想の花嫁を見つけ出す。今思えば随分と無計画なものだな。

何故もう少し算段を整えなかったのだろうか。


今俺の周りにいる女性は3人。


瀬戸内 有栖。

イギリス人とのクォーターにして、日本人離れした美しい容姿を持つ、家族思いで家庭的、少々勉学に疎かったがそれでも積極的で行動力のある人物だ。


容姿は言うまでもなく、何事においても積極的な所は真殿財閥の嫁として相応しいと言える。


山野辺 波瑠。

まだ知り合って間もないが、自分自身の信念を曲げず一途に物事を進める姿勢は、とても評価できる。俺の見立て通り、見た目も華やかになり人目を充分に引く。


忍者の末裔である事が世間にバレては困る、と言っていたがそれさえ無ければ、頭の回転も速いので、真殿家に良い影響を与えてくれるだろう。



明日香は・・・ないな。何度考えてもこいつだけはない。

どうしても幼い頃から植え付けられたトラウマによって、将来を添い遂げれる未来が見えない。むしろ、毎日病院へ通ってる未来しか見えない。



魚介がふんだんに使われたペスカトーレを口に運び、明日香とのこれまでを振り返る。


照れ隠しで殴られる、嬉しくて投げられ、怒ってスリーパーホールドを決められた日には二度と怒らせないと心から誓った。ろくな思い出がない。


しかし、あいつはどうしてこんな俺を慕ってくれているのだろうか?

正直明日香に対してはあまりいい対応をしてきていないと自負する。


あいつに好かれる理由など思いつかない。

婚約を保留してほしいと言い出した俺のわがままですら了承してくれた。


もし、理想の花嫁を見つけたとして、その時明日香に俺はなんと言うのだろうか。


明日香に、何て言えるのだろうか。


分からないが、今は今を楽しもう。真殿家財閥の御曹司、としてではなく、ただの真殿王手として。


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