真殿様の転入計画
やけに高圧的な先輩と出会い、体育館まで案内したまでは、良くないが、まぁ、よかった。
その後、何故か僕はレッドカーペットを持たされるという謎現象に頭がついていかない。
なんで、なんでどうしてこうなってるんだ?
「あの校長とやらが俺の紹介をした後、すぐにそのレッドカーペットを向こうの祭壇まで伸ばせ。いいな?」
「は、はぁ・・・」
先程3年生に絡まれているところを助けられ?た為か、この人に強く言えなかった。
まぁ、レッドカーペット引くぐらいなら・・・目立つの嫌だけど、多分この人が出た瞬間、僕よりあの人の方が注目を浴びるだろうから、地味な僕はすぐに忘れられるだろう。
『えぇ、では最後に転入生を紹介します』
体育館の祭壇脇に控えていた僕たちを、校長先生はチラリと視線を向けた後、深々と頭を低くして、祭壇から離れた。
えっ、校長??
校長の行動にいささか疑問が残ったが、すぐに己が持っているレッドカーペットが目に入り、祭壇までそれを伸ばす。
綺麗に計算されていたのか、それは祭壇の真ん中付近にあるマイクの位置まで伸びた。
「はい、これでいいですか?先輩」
てかこの人、転入生の人だったんだ。
「うむ、ご苦労だった。そうだ、遅くなったが、お前、名前はなんという。」
「えっ、あ、あぁ・・・赤穂忍です。」
「ふむ、なかなか良い名だな。気に入った。」
僕の頭をグリグリとしながら、その人はニヒルに笑いながら、レッドカーペットを歩いて行く。
ものすごく、存在感のある人だ。確かに、傲慢さを隠そうともしない、嫌な人、って印象だけど、どこか目が引かれる。
レッドカーペットを優雅に歩くその人に生徒は驚いたような顔をしながら、釘付けになっていた。
祭壇の真ん中に立ち、マイクを手に取る。
「俺の名前は真殿王手だ。日本有数の真殿財閥の御曹司!俺はこの学校で俺に相応しい花嫁を見つけるべく、転入してきた。我こそは、と言う人物がいれば俺の前へ来い!もしくは1年の赤穂忍に言うがいい!以上だ!」
クルリと踵を返して、レッドカーペットを歩きこちらに戻ってくる真殿様。
うん??この人、うん?今、僕の名前を出した?なんで?えっ!?なんで僕まで巻き込み事故食らってるわけ!?
「よし、これから忙しくなるな」
ドヤ顔しながら、僕を見る真殿様に頭が回らなかった。
こうして、僕の平穏な学園生活は入学一ヶ月もしないうちに崩れ去ってしまった。
この、真殿王手様によって。
もうちょいしたら女の子登場します