真殿様の逃走計画 その4
新たなに登場した真殿先輩の婚約者、蘇芳先輩。この人もまた色々な意味で強そうだ。
僕はこらからもっと影を薄くし、隅に隠れてよう。そう、決意を強くした。
「王手様がこの学校で行なっていらっしゃる事はすでに把握済みです。わたくしも、王手様の婚約者候補として、王手様の作る部活に参加させてください!」
「いや、大丈夫だ。間に合っている。」
真殿先輩、本気で嫌なんだろうなぁ・・・僕としては真殿先輩の抑止力に繋がるだろうから、蘇芳先輩が加入してくれるのはありがたいと言えば、ありがたいのだけど。
「真殿くんえぇんやないの?事実部員が足りてへんのやし、あの生徒会長から言われとる期限まで残り1ヶ月ぐらいしかないねんで?」
「確かに・・・、現状部活へ参加してくれる生徒がいない今、部活に参加してくれるって話はありがたいんじゃないかな?」
「お前たち2人はどっちの味方なんだ。」
若干、蘇芳先輩側の援護射撃に回った加藤先輩と瀬戸内先輩に大きくため息をつきながら、真殿先輩はベッドから立ち上がる。
「王手様、もうお加減はよろしいのですか?」
「悪くはない。お前はもう少し手加減をしろとあれほど言っていたのに・・・」
「申し訳ありません・・・次から気をつけます!」
「期待はしないが、まぁ、頑張れ」
立ち上がった真殿先輩の横でそっと真殿先輩を支える蘇芳先輩を見て、献身的な人だな、とも思ったし、この人本当に真殿先輩の事が好きなんだろうな、とも思った。
「・・・あっ、もう少ししたら予鈴がなるよ!4人とも教室遠いんだし、早く戻らないと!」
と瀬戸内先輩が声を上げる。ちらりと保健室の時計を見ると、確かに予鈴がなる1分前ぐらいの時間になっていた。
教室が1番近い3年生はともかく、僕たち(主に僕)は階段を登っていかないといけないので、そろそろ戻らないとまずいだろう。
1度僕たちは別れ、また放課後に校庭で集まる事になった。
しかし、真殿先輩に婚約者がいたなんてなぁ。と、言うかこれ真殿先輩の堂々とした浮気なのでは?いや、でも婚約保留らしいし・・・お金持ちの考えである事はわからないや。
そんな事を考えながら、僕は全速力で階段を駆け上がっていた。もうすぐ、予鈴がなる。
今回かなり短くなりました。次で逃走計画ラストです