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真殿様の逃走計画 その3

真殿視点


明日香とは、幼い頃に親同士の決めた婚約者だ。

当時の俺は、明日香からのファーストインパクトパンチを腹に食らって以来、何としても明日香との結婚を避けたかった。命がいくつあっても足らない。


幼いながらに植えつけられてしまったトラウマにより、明日香のことが怖くて仕方なかった。


婚約を決めた母親に直談判をし、婚約破棄を願い出たが


「どうして?明日香ちゃん可愛くて心身共に強くて貴方にピッタリじゃない!」


と、聞き入れてもらえなかった。しかし、俺は諦めずに何年も、何年も粘り強く交渉をした。


「貴方がそこまで言うなら、自分で婚約者を見つけて来なさい。この真殿家に相応しい、貴方の理想の花嫁を」


母親に言われ、ハッと視界がひらけた。そうだ、自分で見つけよう。

理想の花嫁を。


「貴方の決意は固いようね。でも、此方側のわがままに明日香ちゃんを巻き込んでしまうのは忍びない。1度婚約を保留にし、王手と明日香ちゃんのお互いのどちらかに、生涯を掛けて添い遂げたい人物が現れた時、その時本格的に婚約破棄、としましょう。」



期限は高校生生活の3年間。と母親から言われた。充分だ。

それまでに俺が理想とする花嫁を見つけてみせる。チャンスを貰えただけありがたい。


しかし、小中高とエスカレーター式に学園に通っていた俺では、知名度が知れ渡っていた。

必然的に明日香が婚約者である事も・・・


本腰を入れて花嫁を探すには、この学園を出て他の学校に舞台を移す必要がある。

そう考えた俺は、高校2年に上がった時この華村高等学校へと転入して来た。


「俺がこの学校へ転入して来た、花嫁を探している理由は以上だ。」


真殿先輩の話に、僕たちは耳を傾けていた。

意外と、きちんとした理由があったんだなぁ、と思った。まぁ、それでも僕からしたらかなり飛躍した話なのだが。


「えっと、明日香ちゃんはまだ正式には婚約者やない、ちゅう事なん?」



「そうですね・・・ですが、王手様の最有力婚約者候補ではあります。」


わたくしは王手様の事を深くお慕いしておりますので、と蘇芳先輩はベッドに座る真殿先輩へと詰め寄った。

それに少しビビっているのか、真殿先輩は腰が引けている。うける。



「保留とは言えど、明日香は俺の婚約者となっている。それを回避する為にも、俺には俺の理想の花嫁が必要なんだ。」


「もう、蘇芳先輩でいいじゃいですか。綺麗だし清楚な方だし」


「お前は・・・りんごを片手で握りつぶし、照れ隠しでアイアンクローを決めてくる女と結婚、できるか?」


りんごを潰す握力でアイアンクローはやばい。ヤバイ。そういえば、この人真殿先輩を抱きかかえて走ってたんだっけ


「わたくしは、王手様の理想の花嫁となるべく、そして王手様のお側にいるためにこちらの学校へと転入して参りました。以後、よろしくお願い申し上げます。」


綺麗なお辞儀に僕たちは何もいえなくなっていた。真殿先輩は頭を抱え、加藤先輩、瀬戸内先輩は困ったような笑みを浮かべ、蘇芳先輩に挨拶を返していた。


正直、まだ状況が追いついてこない。

ただ、新たな台風の目が生まれたような気がするのは間違いではないだろう。



明日香ちゃんは初期設定からガラリと雰囲気変わりました。

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