真殿様の部活動計画 再び
瀬戸内先輩の問題も無事に解け、今日の昼休みにもう一度生徒会室に行く事になった僕たち4人。
昨日の事で、ちょっと真殿先輩を見直したけど、僕の目的はこの人たちから遠ざかる事。
そして平和な学園生活を送ることだ!!って、思ってたけど、まぁせめて部活動?が成立するまでは、付き合っても悪くないかな、なんて思うようになったのは、少しだけあの人たちに毒されてる証拠なのかな。
「ダメだと言うものはダメに決まっているだろ!!」
「お前が言った通り女子を連れてきたと言っているだろう!!」
お昼休み、僕は真殿先輩たちに連れられ生徒会室へと来てきた。
瀬戸内先輩は、職員室にノートを提出してからこちらへ向かうとの事で、今ここには来ていないのだけど・・・
「まぁまぁ、2人とも一旦落ち着きいな、生徒会長さんも話をちょっとだけ聞いてくれへん?」
「「これがおちつけるか!!」」
前回と変わらず言い合いになる神楽坂生徒会長と我らが真殿様に頭が痛くなる。
前言撤回、やっぱりすぐにでも平和なひと時がほしいよ・・・
両者が睨み合う中、控えめに生徒会の扉がノックされる。
「今度はなんだ!」
神楽坂生徒会長が大きな声で叫ぶと
「あっ、すみません。お取り込み中でしたか?」
と瀬戸内先輩が顔を見せた。
「せ、瀬戸内くん?!ど、どうして君がここに?!」
すると、明らかに神楽坂生徒会長の態度が変わったのがわかった。
額にしわを寄せていた顔から、困惑したような、なんとも言えない表情だ。
「私も王手くんの活動に参加する事になったので、部活動申請の抗議?にやってきたんだ〜」
ニコニコと微笑みながら、神楽坂生徒会長のところまでやってくる。
じっと、その顔を見ながら
「ねぇ、チャンスだけでもくれないかな?神楽坂くんが最初に言ってた、女子を一人連れてくる、って条件を満たしたんだし・・・」
「そうだ、貴様が提示した条件をクリアしてやっただろ」
瀬戸内先輩の言葉に絶句し、真殿様の言葉に怒りを露わにする忙しい生徒会長様。
しばらく悶絶していたようだが、やがて
「わかった・・・」
と、肩をものすごく落としながら大きく息を吐いていた。
その横辺りで、加藤先輩と瀬戸内先輩がハイタッチをしているが、僕は見なかった事にしよう。
なるほど、あの2人の引き金か。
「部活動設立のチャンスをお前たちにやるだけだ!!これを5月末までにクリアできないようなら、潔く諦めてもらう!!」
「ふっ、良いだろう。その挑戦とやらを与えてくれた、貴公の心に感謝する」
神楽坂生徒会長が出した条件は以下の通りだ。
その1 部員7人を5月末までに揃える事
その2 部活動内容を明確にすること
その3 部活動場所をきちんと提示する事
以上の3点だ。正直、その3は何とかなりそうだが、その1とその2は意外と難題になるかもしれない。
真殿様がいる部に、しかも真殿様のお眼鏡に叶うものしか入れないのでは・・・?
そうなると、僕がなぜ巻き込まれているのか心底分からないが・・・
「わかった。5月末を楽しみに待つが良い!!」
ヒラリと踵を返して、真殿様は生徒会から出て行く。
その後ろを僕たちが追ったところで、昼休み終了を告げる予鈴がなった。
僕は3階まで階段ダッシュか。