君との関係
僕の名前は田口憲吾。 中学校3年の春のある日、僕に圭太が
「俺の彼女がお前のメアド欲しがってるから教えていいか?」と言ってきた。
彼女の名前は由紀。学年は僕らの一個下。
圭太に彼女がいたのは知っていたけど、彼女と面識はない。 何故面識がないヤツのメアドを欲しがるんだろう…。
疑問に思いながら
「まぁいいよ。」
と返した。
由紀は最初の方のメールでは圭太のことを“圭ちゃん”とか“圭太”とか呼んでた。次第に時が経つにつれて呼び方が“アイツ”に変わっていた。おかしいと思い
「圭太のことをアイツでいいのかよ。」って返した。
返信には
「もぅ疲れた…。」と返ってきた。圭太と由紀が付き合い始めてから1ヶ月ちょっとになるらしいが普通ならその長さで疲れることは無いとおもう。由紀に理由を聞いてみた。 素直に返してくれて
「男友達と少し話すだけで、30分に7通ぐらい疑いのめぇるが来るの。田口先輩と話した時もそうだった…。」
勿論圭太には言えない。
今の状況では圭太は由紀が大好きなのに、由紀は圭太を少し嫌ってる。
僕は圭太からと由紀からの相談相手になっていた。
僕と同じ立場に立たされてる美結と言う中2の女子がいる。 美結は由紀とも圭太とも友達関係を持っている。
俺は美結と二人で話せる時間が出来た。美結も僕と同じことを由紀から聞いていたらしい。 美結がいきなり
「田口先輩優し過ぎなんですよぉ。由紀は田口先輩のこと好きになってるみたいですよ。」
こんなこと許される事じゃない。と思って圭太と話し合った。これから圭太と由紀の関係を戻すにはどうすればいいかを。決まった案が“僕がこの関係と縁を切ろう。”という案だった。美結と僕は内容を理解出来た。圭太には当然由紀が僕に惚れているとは言えない。
だから
「僕が縁を切れば圭太は由紀に疑いのメールを打たなくて済むわけだ。」
圭太は首を傾げた。
次は美結が説明した。 「だから田口先輩が由紀と会わなくなれば、圭太先輩は由紀に対して疑いのメールを打たなくて済むでしょ。」
圭太は首を縦に躊躇しながら動かした。
次の日。
由紀に会った。そこで思いきって話をした。
「由紀。僕、由紀と縁を切る。」
由紀が目の前で泣き出した。 「ごめん。ごめんな。でもじゃあな…。」
僕は人が泣いてる姿を見てられなくてその場から立ち去った。こうして今までの圭太との学校生活に戻った。
学校からの帰り道。誰かが後ろから肩を叩く。振り替えると由紀だった。
僕は由紀とは縁を切ったんだ。ダメだダメだ。無視しなくちゃ。拳を強く握りながら一歩一歩進む。声からしてまだ着いてきてるらしい。僕が住むマンションに着いた。後ろに由紀がいた。
「なんだよ…。縁を切ったんだから話したら意味無いじゃん。」
由紀が
「縁を…縁を切らないで…欲しい。」
「なんか田口先輩が居ないと寂しい。いつも話してた時間に話せないしとにかく…先輩は私にとって…とても…なんていうのかなぁ…大きい人…なんです…。」僕は由紀に理由を言った。
「そう思ってくれてるのはすっごくうれしい。だけど由紀への負担と圭太への負担が僕がいると大きい。しかもそれのせいで別れそうなのに僕はノコノコあの立場には居れない。僕は由紀と圭太をくっつけるつもりで縁を切ったんだ。」
そして家に帰った。ベランダから下を見た。ペタンと足を地面に付け座って下をむいている由紀がいた。
由紀まだいんのかよ。
「お袋。ちょっともう一回でてくるよ。」
エレベーターで下をにおり、エントランスに着いた。由紀がすわっている。
「由紀。詳しい話は明日しよう。風邪引くぞ。」
何故かわからないけど行ってしまう。由紀が心配になる。縁を切ったのに。どうしてだろう。
僕は考えた。結局僕は由紀の事が好きだと分かった。
最悪だ…。何で由紀を好きになってしまったのだろう。わからない。
由紀は圭太と別れたがるようになった。
由紀は
「私が“今日は友達と帰りたいから明日ね。”っていったらアイツ、ストーカーみたいについてくるの。」
俺は圭太にアドバイスをした。由紀から言われたのを使って。
「由紀にストーカーすんのはやめた方が良いと思うよ。これ以上お前らの距離が遠くなると圭太も辛いだろ。」「あぁ。辛いな。やめるよ。」圭太は辛そうに言った。
次の日由紀に
「圭太には言っといた。」 圭太と由紀の関係はどうなるんだろう。結局僕は何も出来ない。
一週間後、由紀と圭太は別れた。別れてから2日後由紀から 「田口先輩…好きです…つ…付き合って下さい!」
と言ってきた。
僕は
「答えは帰りにでも言うよ。」と言ってその場を去った。むかついていた。由紀に対してすごくむかついていた。圭太は親友だ。別れないように色々策を考えてやってきた。お互い釣り合わないで別れてしまったと言うだけならしょうがない。だけど僕に告白するために別れたなら由紀は人の気持ちをなんもわからないヤツだ。と思った。帰りに由紀と話した。「由紀は僕に告白するために別れたのか?」
「う…うん。」
「なら由紀とは付き合えない。由紀が人の気持ちをわからないままでいてほしくない。」
また由紀が泣きそうな顔をしている。
僕は逃げてしまった。何故かわからないけど帰り道、涙が止まらなかった。圭太が後ろからきて顔を覗きこんできた。
「何泣いてんだよ。」
「な…泣いてねぇよ。」
「泣いてんじゃん。」
「泣いてねぇって。」
圭太のおかげて笑いながら帰れた。
その日から由紀とは話してない。
今日は卒業式だ。
昨日言われたんだが圭太が今日由紀に告るらしい。僕は応援したい。
卒業式が終わった。
圭太が僕の元に泣きながら歩いてきた。
「ダ…ダメだった…。ごめんなさいって言われた。」
そうか。フラれちゃったか。 僕はなぐさめながら最後の花道を歩いた。帰路という名の最後の花道を。「由紀は僕に告白するために別れたのか?」
「う…うん。」
「なら由紀とは付き合えない。由紀が人の気持ちをわからないままでいてほしくない。」
また由紀が泣きそうな顔をしている。
僕は逃げてしまった。何故かわからないけど帰り道、涙が止まらなかった。圭太が後ろからきて顔を覗きこんできた。
「何泣いてんだよ。」
「な…泣いてねぇよ。」
「泣いてんじゃん。」
「泣いてねぇって。」
圭太のおかげて笑いながら帰れた。
その日から由紀とは話してない。
今日は卒業式だ。
昨日言われたんだが圭太が今日由紀に告るらしい。僕は応援したい。
卒業式が終わった。
圭太が僕の元に泣きながら歩いてきた。
「ダ…ダメだった…。ごめんなさいって言われた。」
そうか。フラれちゃったか。 僕は圭太をなぐさめながら最後の花道を歩いた。帰路という名の最後の花道を。