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◆終焉の章◆
◆終焉の章◆
その日、僕たちの楽園は崩れ去る。
運命にあらがうこともできず、呆然と、どうしてこうなったのかと自問しながら、世界は変容する。幸せだったはずの日常は過ぎ去った思い出へ。抗うための未来は現在へ。そうして再会を夢見ながら、僕は自分の世界の終幕を知る。痩せた手を必死に伸ばしたところで、届かない世界。願わくば、もう見えない世界に、あの少女の幸せを願って―――。
――少年の痩せた腕は、軽い音を立てて地面に落ちた。虚しい末路。廃墟と化した建物の隙間を、冷たい風が通り抜けていく。彼の思いを、風は伝えてくれるだろうか。そんなことはない。まだ誰も、彼の死を知らない。知る由もない。何故なら、世界は大きな音を立てて、その様相を変えていたからだ。
終幕。