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転生して都会に出稼ぎに来たんだけど

 俺の名前はユート。

 いわゆる転生者だ。

 なにしろ前世の18年間の記憶がある。

 入学初日の登校中に居眠り運転のトラックにひかれて死亡した記憶がだ。

 しかし気が付くとこちらの世界で赤ん坊になっていたのだ。

 それに気づいたとき我が身に何が起こっているのかわからず激しく混乱したが、なんとかボロが出ないように振る舞った。

 そして今は平穏無事に大人びた考えを持つちょっと変わった少年として暮らしている。

 しかし、この世界は前世の世界と大きく違っている部分がいくつかある。


 まず、中世ファンタジー風の世界だと言うこと。

 前世では科学技術が浸透した世界だったが、この世界ではそれはあまり発達しておらず、かわりに魔法という前世ではなかったものが存在している。


 そして人間とも動物とも違う魔物という存在。

 人間の脅威であるその化け物は世界のあらゆるところに存在し、多くの犠牲者を生み出している。

 これらを退治することを目的の一つとして冒険者ギルドなる組織も存在している。


 最後に、とある価値観の逆転。

 実はこれが一番俺を大きく混乱させた。

 中世風のファンタジーや魔物の存在は、俺がよく読んでいたライトノベルにありがちな設定だったから、実は割とすんなり受け入れることができた。

 しかし、この価値観はいまだに慣れない。

 俺がそれとどのように関わっていったかは、これからおいおいわかっていくことと思う。




 ◆◇◆◇◆




「ふう、ようやく着いたか」


 乗り合いの馬車を降りて、俺はようやく目的地へたどり着いた。

 異世界に生を受けてから13年。

 まさに寒村と言って差し支えないナカリヤ村に長らくお世話になってきたが、せっかく異世界に来たのだから冒険者になりたい! そしてしっかりお金を稼いで俺を拾って育ててくれた村のみんなに育ててくれた恩返しをしたい! という強い気持ちを持ち、このたび俺はニューゼンへと遠征してきたのだ。


 ちなみにこの異世界は名前がないそうなのだが、いちいち“異世界”じゃまどろっこしいので、俺は勝手に二テラと名付けた。

 考えてみてほしい。前世の現実世界にも名前はあったか? 俺たちの住んでいた星には地球という名前があったが、これって星の名前であって世界の名前じゃないよね。

 でもまぁ、いちいち“前世の現実世界”なんて呼ぶのも紛らわしいのでそっちは“日本”と呼びます。


 しかし乗合馬車が道中で小さな魔物に襲われるということが何回かあったものの、それ以外に特筆すべき出来事がなかったのには拍子抜けした。

 メタな発言ですまんが行商人さんが一緒だったので、てっきり盗賊に襲われるイベントが起こるものだと警戒していたのだが……。

 まぁ、正直荒事は勘弁なのでいいことには間違いないんだけどね。

 さて、考え事はこれくらいにしてさっさと街に入って宿をみつけないとな。

 

 ぐるりと城壁の囲む街に入ると、沢山の建物とそれなりの人数の人たちが目に入ってくる。

 ああ、ナカリヤはド田舎で建物も人も少なかったから、すごい新鮮だ。

 まぁ、田舎モノ丸出しでうろうろしてるのもなんだし、さっさと人に尋ねようかな?

 

「あのう、ちょっとよろしいですか?」


 軽くどもりながら近くを歩いていた女の子に後ろから尋ねる。

 言葉を口に出した瞬間、あ、まずいかもと思った。

 旅の疲れと高揚感の両方から思わず話しかけてしまったが、自分の容姿を思い出してみた。

 前世でとてつもないブサイクで、高校を卒業するまで女子からは、やれ『外出を禁じられた顔面』だの『醜悪なオブジェ』だの散々罵倒されてきた容姿だ。

 それは転生してかつてとは別個の人間として育てられた現在でもまったく変わらなかった。

 村で初めて鏡を見た瞬間、愕然とした。

 そこには前世で見慣れさせられた、生理的嫌悪感を呼び起こす悪鬼のような顔面の少年が立っていたのだ。

 生まれ変わっても容姿において何も変わらなかったことに激しくショックを受け、俺はその晩ほとんど眠れなかった。


「はい? ……え、ええっ!?」」


 俺が話しかけた少女は、俺を視界に入れた瞬間、まるで存在してはいけないものを見るかのように表情を一変させた。

 この世界に俺を転生された神よ、なぜこんな忌まわしい運命を俺に与えたのだろうか? ……泣きたい。


「ええと、あの、私に何がご用でしょうか?」


 俺が話しかけた女の子は、気丈にも表情を取り繕うと、不細工な存在を視界に入れたことによる怒りが原因であろう、頬を赤く染めながら要件を尋ねてきた。

 

「その、とりあえずいろいろと謝らせてくれ。申し訳ない」


「え? は、はぁ」


「実はニューゼンにやって着たのは初めてなんだ。それでどこか泊まれるところを教えてもらえたらと思ってさ」


「あ、そうなんですか。えーと、それだったらお役に立てるかもしれません。実は、私のうち、宿屋をやっているんです」


「え、そうなの?」


「はい。ただ、大きくなくてこじんまりとした宿屋なんです。そのかわり、お値段も手ごろになってるんです」


「へぇ、お金はできるだけ節約したかったところだし、お世話になろうかな。案内してくれる?」


「はい、喜んで!」

 

 元気よく女の子は答えてくれた。んじゃ、ついていってみようかね。

へったくそな文章ですみません。

小説を書きながら、書く力・考える力を少しでも成長させることができればいいなぁと思います。

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