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楽園

作者: chui
掲載日:2026/01/14

絶え間なく流れる小川。香り立つ花たち。常夏という言葉があるが、ここは常春の地であった。

見る者が見たら、そこに人ならざる存在が見えるだろう。

そう、妖精たちだ。

そっと耳をかたむけると、そよ風に草花がわずかに揺れるような小さな声が聞こえてくる。

妖精たちはこう言っていた。

「悪魔がきた」

ここは妖精の国。

何者も近づくことのない、秘境中の秘境にそれはあった。

ごくまれに動物が迷い込むことはあたったが、妖精達はそれらに『まじない』をかけて、国の外に導いていた。

そこに突如として悪魔が現れた。

『まじない』も悪魔には効かない。奴らが使う魔法の前では『まじない』は無力だった。

彼らは森を枯らし、そこに使い魔を放ち、妖精たちの国を侵略してきた。

「神様、助けて下さい」

妖精達は日がな一日祈りを捧げた。もはや神に助けてもらうしか道はなかった。

そして現れた。またしても、悪魔が。

でもこの悪魔は様子が違っていた。

いつもは集団で襲ってくるのに一匹で入ってきて、魔法で木を枯らすこともなかった。

ただ、巨大な目で国の様子を見回すだけだった。

「何を調べているんだ?」

「私達を調べにきているんだ」

「これはまた、大勢の悪魔がやってくるに違いない」

妖精達は色めき立った。

ー神様助けて下さいー

妖精達は更に祈った。

それにすがるしかなかった。

そしてその願いは、かなえられた。

悪魔達は来なくなった。

そればかりか、使い魔たち共々国から出ていった。

ー神様…ありがとうございますー


電車に揺られていた1人の学生はスマホを見ていた。

「へぇ〜、トト〇の森開発中止、森の復活へ。動画配信がきっかけ…ねぇ」


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