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真夜とトーラス  作者: 白糸モモ
1章ドーナツと宝探し編
4/22

4話 スマホ落としちゃった……

 とある日の昼下がり。

ドーナツ屋で真夜と再び再会してしまった日奈。

 日奈はビクビクしながら、真夜が何かしてこないか真夜の様子をじっくり見ていた。

 真夜はジト目で、


「日奈。そんなに怪しそうに見て。別に私は何もしないよ」

「本当に?」


 日奈は訝しそうに聞き返した。

 そんな日奈に対して、真夜は少しだけ笑みを零した。


「うん。ここには、普通に昼食取りに来ただけで、たまたま日奈に会っただけだよ」


 真夜はそう言うと、ティーカップに手をかけ、一口飲んだ。それからドーナツを一口食べ、口に付いたドーナツを上品にもナプキンでふき取っていた。

 日奈も警戒しつつも、チョコのドーナツを食べた。

 しばらくして真夜が急にドーナツを差し出してきて、


「日奈も一口食べてみる?」

「いや、別に」


 日奈は遠慮気味に答えた。

 そんな日奈に対して真夜は少し強引に、


「良いから! はい!」


 日奈の口にドーナツが一口入る

 日奈は口に入ったドーナツをモゴモゴと食べ始めていた。

 

「あ、日奈がドーナツ食べてる」


 真夜はそう言いながら、テーブルに肘をつきながら、嬉しそうに日奈を眺めていた。


「あの、私のこと動物か、何かと勘違いしている?」

「いや、そんなことないよ。日奈って食べているとこ、すごく可愛いって思うよ」

「か、可愛いって……」


 日奈は恥ずかしそうに頬を赤らめた。

 自分のことを可愛いだなんて言ってくれたのは、今までで、初めてだったから。


「日奈の頬張っているところ、写真とりたいかも」

「真夜、キモイよ」

「あはは。まあ、まあ」


 真夜は誤魔化しつつ、バッグから何か取り出そうとしていた。

 その時だった。真夜は急に焦りだした。


「あれ、おかしいな。さっきまで持っていたはずなんだけどな」


 真夜は何か困った様子で探しているようだった。


「何か、探してる?」

「うん。スマホをね。どっかに落としちゃったみたいで」


 真夜はさらに焦った様子でバッグの中をガサゴソと探していた。


「やっぱりどこかでスマホ落としちゃったみたい」


 何度も真夜はバッグの中身を確認するが、スマホらしきものが出てくることはなかった。

 焦った真夜は席を立ち、申し訳なさそうに手を合わせると、


「ごめん、日奈。悪いけど、また今度ね! どこかで落としちゃったみたいだから、スマホ探してくるよ。あ、私が買ったドーナツは全部食べちゃっていいから」

「え? ちょっとまって」


 日奈は真夜を呼び止めるも、すぐにドーナツ屋を出ていった。

 一瞬、呆気に取られていた日奈だったが、真夜を追いかけようと席を立ち、ドーナツ屋を出た。

 

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