13話 紙切れには
裕は真夜に目撃されてしまい、一緒に紙袋を回収することに。
そのためにゲームセンターを訪れる。ゲームセンターに入ると色んな音で溢れていた。何というか電子音みたいなピコピコした音が多かった。
裕はこのゲームセンターことを良く知っているみたいで、迷いもなく奥の方へ進んでいく。
「へー。ここのゲームセンター、結構いろんなぬいぐるみだったり、フィギュアがあるんだね」
真夜は感心した様子で、ゲームセンターをキョロキョロと見回していた。
「まあ、俺はあんまりぬいぐるみとか興味ないけど。お前はそういうの興味あったりするのか?」
「まあね。私、自分の部屋に結構ぬいぐるみあるんだ」
「そうか。お前、見た目ヤンキーみたいなのに、意外と可愛い趣味あるんだな」
「裕。私のことなんだと思っているわけ?」
真夜はそう言いつつ思わず裕を殴ろうとしたが、やめた。何というか裕の調子に乗せられるのもちょっと釈然としないという気持ちがあったからだ。裕のことだからすぐ、日奈とかに言いそうと思った。
ゲームセンターに入って一番奥の格闘ゲームのところに一つ紙袋があった。
紙袋の中に必ずしもドーナツが入っているとは限らないといったルールがあるので、一応、中身がドーナツであるか、確認するが。
「ん、何か、紙切れか?」
裕は紙切れを手に取り、詳しく見てみることに。
そこには『小麦畑で私を捕まえて』という文字が書かれていた。
真夜もその紙切れの内容を見て、首を傾げる。
「何? 日奈が紙袋の中にそんなものも入れたのかな?」
「んー。どうなんだ? というかか麦畑か、何か、引っかかるんだよな」
「裕はその、小麦畑について何か知っているの?」
「ん? 何のことだ?」
真夜が聞いてきたことに対して、裕は答えをはぐらかした。
「何で、はぐらかすのかな? 裕、ひょっとして、そのキーワードは何か日奈に関係するものだったりするの?」
「ん? 関係ないな。こんなもの」
裕はそう言うと、紙切れを破り捨ててゴミ箱へ捨てた。
真夜は呆れた様子で、
「別に紙切れ捨てなくても、私が内容覚えているから良いと思うんだけど」
「まあ、証拠隠滅だ。他のやつに見られたくないんでね」
「何で? やっぱり裕、何か怪しい……」
「お前は察しが良いな。分かったよ。あの言葉の意図は確かに俺にはわかる。逆に聞くが、お前は、分かるのか?」
「えっと、ごめん。言葉の意味が分からない」
「そうか。じゃあ、お前じゃないんだな」
「それってどう意味?」
「人違いってことだ。まあ、この内容を詳しく知りたいんだったら日奈に聞けばいい。答えてくれるかまた、別問題だけどな」
「そうだよね。裕、アンタって意外と回りくどいことするよね。何かこのゲームを始めた日奈と似ているというか」
「どうだか。さ、もうこのゲームセンターには用はないだろう。出よう」
「そうだね。ところでなんで日奈はこんなところにも隠そうとしたの?」
「まあ、あいつゲーム好きだから」
「へー、そうなんだ! 初めて知った」
「そうか。もう、ここには用がないから、行くぞ」
「はーい」
裕と真夜はゲームセンターを出た。
真夜は裕からあの言葉の真意が聞けず、どこか納得できない気持ちがあった。まあ、日奈に会ったら聞いてみようという気でいた。




