05 ちょっとおかしい仕事仲間 2
「へいへい。腹へったから早く自己紹介しろよ」
「は?」
なんだか喧嘩が起こりそうな予感がする。
だが彰には何も出来ないのでただただ棒立ちするしか出来ない。
「はぁ。ごめんね。ルイはちょっと口調が強いけど根は優しいんだ。あ、ボクは凪だよ。得意なことは………カーチェイス、かな。後一人称ボクだけど女だからね。……よろしく」
銀髪の髪にアクアマリンの瞳がよく似合う。
声質は女性にしては少し低めだ。
そして得意なことがカーチェイスということが一番気になる。
「……わ!次僕の番かな!僕はオレオ!好きな食べ物はね!ささみかな!それでもっと好きなのは凪ちゃん!よろしくね!」
髪色は凪ににているが少し黒みがかっており、頭には黒い猫耳がついている。
ブルーダイヤモンドの様な瞳はとても澄んでいて魅力的だ。
「オレオは人懐っこいんだけど凪ほど好かれてはないです」
「へー」
確かに部屋に入った時も凪にずっとくっついていた。
彰にも懐いているようだし少し安心した。
「ほら、エミリー姉さんもご挨拶!」
「はいはい。分かっているわよ」
オレオがエミリーの事を引っ張る。
「はじめまして。エミリーよ」
「B班のお母さん的存在」
「お母さんじゃないから」
笑っている顔がよく似合う。
本当にお母さんの様だ。
「そうね………好きな物は甘いもの。得意ことは……護身術には自信があるわ」
「マジでエミリー姉さんの拳やっべぇぞ」
「私をボクサーだと思ってるのかしら?よろしくね」
ドーンピンクの髪に珊瑚色の瞳。
長い髪を大きなリボンでくくっている。
「……あ、俺の出番か。はじめまして。ジュンだ。得意な事は、仕事関係だったら追跡、プライベートだったら料理だ。よろしくな」
群青色の髪と目。
優しくもクールな雰囲気に安心した。
「こちらはB班のお父さん。どうやらエミリーと付き合っているようです」
「お父さんでもないし付き合ってない!」
「え、付き合ってないの」
みんながジュンとエミリーを冷やかす。
これはこれで賑やかで楽しそうだ。
「え、ラスト私?はじめまして。私は月島桜だよ。一応こんなのだけどスパイとしては一流だから!」
「え自分で言う?」
「うるさい!でね、得意な事はアコギと変装だよ!苦手な食べ物はピーマン。あと現役高校生だよ。よろしくね!」
マイゼーナ色の髪をハーフアップにしてあり、大きな白い帽子を被っている。
オリーブ色の目は透き通っている。
「高校生にもなってピーマン食べれねぇのかよ」
「ルイだって玉ねぎ食べれないじゃん」
「………」
「言い返されて何も言えないの?ぷぷぷ〜」
「桜、後で外でろボッコボコにしてやる」
「望む所ですけど〜?」
ルイと桜の間に火花が散る。
「はいはい。いったん喧嘩は終わり。ルイ、腹減ったんだろ?みんなで食堂行こう!」
「やったー!ご飯!凪ちゃんもはやく!はやく!」
「はいはい。分かってる」
やっぱりみんながみんな変わっている。
でも、もうきっと元の所には戻れない。
だったら、今を全力で楽しもう。