39 ここに居ても
「わたし、ここに居ていいの……?」
スミレがポロッと本音を出す。
スミレは俯いたまま話し出しだした。
「わたし、旦那様を殺そうとしたんだよ……?許されるわけが無いよね。だから、教えて?わたし、ここに居ていいの……?」
顔を上げると、泣いているような、笑っているような、そんな顔のスミレが立ち尽くしていた。
「……そうだったのか」
すぐそこには、ローズが立っている。
寂しそうな目をしていた。
無理をしたせいか、少し汗をかいている。
「旦那様……?」
「そんなに思い詰めていたんだな。……すまない」
ローズは深くお辞儀をした。
そんなローズを見て、スミレは慌てていった。
「どうしてですか!?わたしは……貴方を殺そうとした身ですよ!?」
「……私にも非がある。君を……意地でも見つけ出そうとしなかった、本来なら死んでも見つけるはずだ。でも、仕事を理由に中々捜索願を出せなかった……いや、出さなかった。本当に申し訳無い」
ローズはもう一度、深くお辞儀をした。
「……本当に、変わらないお方ですね」
スミレは泣きながら笑った。
デイジーも、ローズも、釣られてしばらく笑っていた。
__________
「とりあえず、スミレさんはこちらでしばらく預からせて頂きます」
「まぁ、烏の力が暴走したらいけないしね」
「や、やっと見つけた〜〜〜………」
屋敷の方からメイがよろよろと走ってくる。
……まさか。
ローズの方を見ると、目を逸らしている。
「……旦那様〜?」
「うぐっ……えっと〜、その〜……」
ローズは必死に言い訳をしようとしているが、もう遅い。
「旦那様!まだ氷血病は治っていません!安静にしていて下さい!」
「……悪い」
「ローズさ〜ん…ベッドで……ぜぇ…安静に…」
「……分かった。スミレ、いつでも戻ってきていいぞ」
ローズが柔らかく微笑む。
「………はい!」
ぱぁっと明るい声と顔で返事をした。
………カムニバル研究所、ね。
とても信じがたい。




