04 ちょっとおかしい仕事仲間
ちょっと人数が多いんで次にまわします。
試験が終わり、正式な諜報員になった。
「ということで、彰さんはサイダーさんと同じ、B班に入ることになりました」
「班?」
「この事務所結構人が多いんですよ。だから何個かのまとまりを作ってる。それを班って言うんですよ」
確かにその方が分かりやすい。
そんな100人とかが一部屋にボンと置かれたら相当きついだろう。
「では、今日はもう遅いですし部屋でゆっくりして下さい。部屋は地下にあります」
「そうだね。試験もあって疲れただろうし、説明は明日行うよ。ゆっくり休んでね」
優しい微笑みにどこか気持ちが和らいでしまう。
明日からはもっと気を張らなければ。
「はい。ありがとうございます」
「ってことで部屋に行きましょうか」
「あぁ」
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エレベーターのチャイムが鳴る。
最上階からであり、部屋が地下だったので先ほどより時間がかかった。
「ざっくりとここにある部屋を説明します。まずすぐ隣にあるのが司令室。私達にはあまり関係は有りませんが、主に任務をパソコンに送る役割があるそうです」
基本的に白で統一されたシンプルな部屋。
所々ゴールドの装飾がしてあり、いいアクセントになっている。
「洒落てるところだな」
「違和感はなく、清潔感がある部屋が管理長は好きらしいです」
少し歩くとガラスのドアの向こうに大きな部屋が見える。
「ここは食堂です。班のみんなで食事をします。個人で行くことも可能ですが、基本はみんなで食べますね」
そしてもう少し歩くと、さっきより少し狭めの部屋が見えた。
「で、ここがB班の部屋です。個性は強いですが、みんな優しいですよ」
サイダーも十分個性が強い、と言う言葉は心にしまう。
「ただいま〜。邪魔するよ〜」
「邪魔するなら消えろ」
「そこ普通帰ってじゃなくてか?」
ココアブラウンの髪はストレート気味だが少しはねている。
グレーの瞳は澄んでいてお世辞にも表情は笑顔には見えない。
口からは小さな八重歯がのぞいている。
「まったくもう。彰が驚いてるでしょう。照れなくてもいいし」
「照れてねぇ。………ん。お前がさっき管理長が言ってた新人か。オレはルイ。お前の名前はさっき管理長から聞いたから名乗らなくてもいいぞ。よろしくな、彰」
(………少し無愛想だが仲良くなれそうだな)
「後はその愉快な仲間たちだ」
「私らの自己紹介省くな」