表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/58

20 生活していく仲間

「……自己紹介を、させてくれ」

「そりゃあいい考えだね、ワタシも乗らせてもらおうか」

「は、はぁ……」


唐突な要求に驚く。

確かにここで生活していく以上、仲間の事は知っておいた方がいいだろう。


「スパイ事務所エルビスの治療班、会計担当の船橋雷だ。よろしく頼むぞ」

「同じくスパイ事務所エルビスの治療班の医務長を勤めている、クロエだ。姐さんとでも呼んでくれ。よろしく頼むよ」

「突然だが、生活面についての説明をする。コイツが言ったとおり、君は今、厄介なものに魅入られた。それと同時に、バグの症状が酷く、ここに来た。……我々が安全面を保証するから対して気にしなくてもいいが……あ、その……」


雷が言葉に詰まる。


「アンタが緊張してどうすんのよ。もっとシャンとしな!」


クロエに一喝されると雷は恥ずかしそうに目を瞑る。

案外抜けてるのかもしれない。


「うぅ……わ、分かってる。……大変申し訳ないが、君には暫くの間、ここに住んで貰う。安全を保証する為、我々の目の届く範囲にいて欲しいんだ。……知らない環境に移るということは、ストレスが溜まることは承知している。でも、君には元気でいて欲しい。それが管理長から聞いた思いだ」

「……管理長が、ですか。分かりました」


管理長がそんなに、私の事を……。

私が救われた側なのに、どうして。


「おやおや。見た目に反してカッコいいお嬢ちゃんじゃないか」


雷が驚いた様子でこちらを見てくる。

そしてクロエがまた雷を一喝。


「……おい、雷」

「あ、あぁ……そうしてくれると……助かる」


しどろもどろになりながらも、雷は感謝の言葉を伝えた。

……何だ、今の視線は。

そんな事を考えていると、自然に傑が目に入る。


「__あのー…サイダーちゃん、雷ちゃん、姐さん……ボクの事は〜?」


踏まれている傑が声を出す。


「……何がだ」


雷も完全に傑の事を忘れていたようだ。

……船橋さん、抜けてるな。

そう思っているとまた吐き気が込み上がってくる。


「……ぁ…あの」

「どうした?……ん?」

(やけに顔が青い、それに腹を擦って……まさか)

「おい、バケツを取ってこい!」

「ん?何で……っとこりゃ吐くね。バケツならベッドの横にあるよ。吐くとこなんて見られたくないだろうしボク達は出て行こう」


そうされると助かる。

サイダーはバケツを取り、その中に食べた物を戻した。

こんな生活が続くんだったら、ここにいても良いかもしれない、少しそう思うのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ