19 突然の訪問者
「……ははっ!いいね、飲み込みは遅いが話しは早い。嫌いじゃないぞ」
傑は目を細め、じっとこちらを見つめると、近づけていた顔をどかした。
「突然だが、キミには半ば無理矢理3カ月ここにいて貰うよ」
「なにいって……!!うっ……!?ゲホッ…!ゲホゲホッ!」
大きな声を出そうとしたせいだろうか、喉が痛み、また咳が出る。
「あー。ごめんね?言い方が酷かったか。それにこれ以上大きな声を出すと本格的に喉が壊れるから辞めておいた方が身のためだよ」
傑が青い顔をしているサイダーの背中を擦る。
その手は温かく、優しかった。
「補足すると、バグの影響はかなり酷いものでね、お陰で今もこんなんじゃん?だから暫くの間ここにいて貰う事になりましたー。もちろん、最愛の人にも後で知らせておくから安心してね。日常的には少し仲間と離れる事にはなるけど、新しい仲間も悪くないよね〜。………もちろん衣食住提供するし、給料も出すから、安心してよ」
そう言って彼は柔らかに微笑む。
……そんな事、急に言われたって。
「……連絡事項はこれだけ。ふふ。今日は特にもう何もないから寛いでて」
にこりと微笑み、傑はサイダーの近くに腰かけている。
「……ぁ、あの」
「ん?」
「……帰りたいんですけど」
「ふっ……ダメだよ。今夜は返さなッ……うおっ!?」
大きな音が鳴り響き、傑がベッドから落ちる。
そして目の前には銀髪の男の人がいた。
「いっ……たぁ〜〜!?」
「馬鹿め。何故赤の他人を自室に入れた。しかも支部の奴じゃないか。……やっと見つけた」
知らない人。
銀髪と低い声が特徴的。
「確かに今回のは傑が悪いね」
知らない女性。
なんというか……不思議なオーラみたいな物を感じる。
どうやらサイダーの視線に気付いたらしく、こちらに目線を向ける。
……とても気まずい。
「すまんな嬢ちゃん。……コイツのせいで酷い目覚めだったろ?」
「雷ちゃんひっっっど!!」
傑の方へ向かい、一発食らわせた。
腕っぷしが強い人らしい。
……これが日常茶飯事なのか?
一方傑は気を失っている。
「……黙れ。お前には説教が必要みたいだな。それに客室へ連れて行くつもりだったのに勝手に自室へ連れ込むな。阿呆が」
するとこちらに目線を向けてくる。
状況が上手く読み込めない。
「……その様子だと詳しい説明はされなかったみたいだな。うちのアホがすまんな。嬢ちゃんはここへ来る時に一時的に眠ったんだ。症状が酷かったからな」
「……そう、なんですか」
少しの間沈黙が流れる。
「……自己紹介を、させてくれ」




