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17 合同戦闘訓練に向けて

「彰君!もっともっとー!」


きゃっきゃとオレオが腕の中ではしゃぐ。

現在、オレオに言われ、高い高いをしていた。


「次はね、カーチェイスしよ!」

「俺は無理だ。凪に頼め」

「分かったー!」


ドアがノックされる音が聞こえる。

オレオと遊んでいる時に何の用だ。


「はーい」


返事をすると乙津が入ってきた。

膝に乗っているオレオが不思議そうな顔をする。


「失礼する。ここはB班の部屋で間違いないか?」

「あぁ」

(……何だこの人?ここの人……なんだろうが。………なんだろう、真面目枠が久々すぎてどう接したらいいのか分からない)


少し彰があたふたしていると乙津が喋りだす。

そして持っているファイルを持ち上げた。


「1ヶ月後にA、B、C班の合同戦闘訓練を行う。今回はその大まかな説明をしにきた。……同期はどこだ?」


今この部屋には彰とオレオしかいない。


「えっと……サイダーはこの間のバグ関連のことで治療班の所にいて、凪とジュンと桜は不倫の調査……あ、これ依頼です。ルイとエミリーは買い出しに。俺とオレオは何もないので留守番……っとこんな所です」

「なるほど。凪とジュンと桜とサイダーはしばらく帰ってこないだろうし、ルイとエミリーを待つか」

「あ、いや。今日は遠くのスーパーでセールがあるからしばらく帰ってこないです」

「勤務時間だというのに何をしている……」


乙津は呆れの表情を見せながらも二人に話す。


「まぁいい。ファイルを置いていくから後で同期に見せるように。今回はA、B、C班の全員強制参加だ。それを踏まえた上で上の者がお前たちに戦闘の事を教える。ありがたく思うように」

「はぁ……。えっと……このファイルを見せればいいんです……ね?」

「あぁ。お前も確認しておくように。それと、今回は支部長と言うここでは割と立場が上の者もいるからな。貴重な体験になるだろう。では我はそろそろ行く。気を引き締めるように」

「あぁ……。ありがとう……ございます……?」


彼女の立場が上なのか分からず曖昧な感謝の言葉を伝えてしまった。

そして乙津は部屋から出ていった。


「なぁ、あの人って偉い人なのか?」


膝に乗っているオレオに聞く。


「?彰君知らないの?あの人、『本部会』っていう会の会員さんなんだよ。すっごく偉い人!」


楽しそうにオレオは話す。

しかし彰は不安になった。


(そんなに立場が上なのか!?舐めた口聞いちまったか!?どうしよう……)


不安そうな彰を見てオレオは何かを思いついたように膝からおり、彰の後ろに行く。


「ん?どうした?おんぶか____」


オレオは小さな手で彰の頭を撫でる。


「……どうしたんだ?」

「えっとね!僕が不安になるとね、凪ちゃんはいつも頭を撫でて元気にしてくれるんだ!だから彰君も元気になるかなって!」


なんていい子なんだと心底思った。


「ははっ。ありがとな」

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