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16 本部会 2

小説あるある 群像劇だとキャラ多くなりがち

「……具体的な依頼内容を聞かせて」

「そうだね。その上で賛成か反対か聞かせてくれ。君たち本部会には、つい先日レグルスで魔族の大量発生が起きただろう。その魔族達の討伐を行ってほしい」

「それはレグルス自治体からの依頼なのですか?」

「あぁ。簡単にいえばボランティアだね」

「ふん。そんな活動で余が直々に出向く事に感謝するがいい」


全員が余裕に満ちた表情をする。


「それは頼もしいね。ここからは支部長と副支部長達に課す依頼に付いて話す。大まかな内容しか話さないから承知しておいてね」


一斉に頷く。


「一つ目は、桜華の寺に現れた2級悪魔『桜姫』の討伐だ。桜姫の創る桜吹雪に触れると創生した異世界に引きずり込まれるようで、現在死亡者は不明、行方不明者が10名ほど。送られるのはレイズ支部の東雲胡桃、橘モコ。漣支部の櫻井小鞠、水無月玲の計4名だ」


ロゼが一旦説明を終えると、また話し始める。


「じゃあ次だ。二つ目は音雪の里に現れた2級悪魔『雪無』の討伐。里のふもとで人を殺したり雪崩を起こすようで現在死亡者が2名、負傷者が13名。送られるのは現在音雪の里に滞在している九条小雪、如月寧々。青柳支部の望月乃愛、加賀谷颯太だ。これで支部長達への依頼の説明を終わりだよ。尚、合同戦闘訓練の影響で行かない者もいるから承知しておくように。これらを踏まえて、何か異論は?」


乙津が喋りだす。

それに続き、4人も喋りだす。


「異論はありません。すべて2級悪魔達ですが、支部長副支部長4人で対処するとなると恐らく余裕でしょう」

「ふふ。乙津、支部長達への信頼が凄いですわね」

「当たり前だ。支部長という名義が付いているのならば強いに決まっているだろう」

「確かにそうですわね。ふふっ。私も異論はございませんわ」

「余も異論はない。あやつらなら余裕だろう」

「特に異論はない」

「………別に」

「決定だね。また部下たちにも知らせた上で実施しよう」


ロゼは椅子から降りる。


「これで今日の話しは以上だ。このまま居てくれても構わないが、僕はオフィスに行くから構えないことは承知してくれよ」

「承知いたしました」


そして部屋から出ていった。


「管理長から新人が来ていた事は知っておりましたが、まさか『お気に入り』とは。少し心配ですわ」


そんな藍蘭(あいら)朱鷺(とき)が言い返す。


「ふん。貴様、あやつを何だと思ってる。あやつが失敗したことがあるか?無いだろう。あやつなら大丈夫、それくらい貴様にも分かるだろうが、馬鹿め」


必死に言い返す朱鷺を見て、かすかに藍蘭は笑った。


「そうですわね。彼の実力を見誤っていましたわ。それより、この後はどうします」

「少しゆっくりしてから仕事に戻る。茶でも入れてこようか?」

「あら、ではお願いしようかしら」

「茶菓子はあるか?」

「朝から茶菓子は寄せ。また昼過ぎに食えばよかろう。それに我儘を言うな」

「少しつまむくらいならよかろう。第一朱鷺の方がよっぽど我儘だろう」

「知らぬ。それよりさっさと茶を入れてこい。喉が渇いて仕方がない」

「はぁ……白夜、何がほしい?」

「じゃあ饅頭。梓は何かいるか?」

「………じゃあ、お饅頭が欲しい」

「分かった。じゃあ茶と饅頭を取ってくるから少し待ってくれ」


そうして乙津は給湯室へと足を運んだ。

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