01 アウトサイダーな主人公
推し声優が主演つとめたらいいなって思ってかきました。
「………は?」
野原一面が赤く染まり、熱風が吹いている。
宙にはフードを被った人影が浮いていた。
「……………」
「何か喋ったらどうだよ?」
瞬間、空中に十字型の裂け目が現れた。
裂け目からは吸い込まれるような強い風が吹く。
「……クソッ」
もう無様に吸い込まれるしか方法はなかった。
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葉と土の不思議な匂いが鼻を擽る。
耳元の小鳥のさえずりで目が覚める。
「ん………?」
目を開けると辺鄙な所だった。
思わず見惚れてしまうほどの自然の豊かさ。
もう一度眠りについて仕舞おうかと思った程だ。
「………ん?いやいやいや。おかしい!おかしいだろ!ここどこだよーー!?」
(………えっと、まずは情報を整理しよう。今朝朝起きたら爆発音が聞こえて向かったら焼け野原になってて、それで裂け目とフードがでてきて吸い込まれたと。…………え?どういう事?)
思考が追いつかない。
「………とりあえず歩くか」
改めて思うが本当に自然豊かだ。
小鳥は歌い、木漏れ日が心地よい。
____1時間後。
(……あれから1時間歩いて来てやっと街を見つけれた。だけど、どうも俺の世界とは一味違うな)
街なかには人の渦が出来上がり、高層ビルの群れが立ちはだかっている。
どうも落ち着かない。
強いて言えばすごいの方が勝つ。
「………あ」
月白色の髪から何かが落ちる。
即座にそれを拾い、持ち主へ返そうと思った時、蝶が見えた気がした。
(………なんだ。今、気配が。蝶か?いや、それにしては大きすぎる。………とりあえず届けに行くか)
「あの、すみません」
「え、はい」
彼女は月白色の髪をしており、アウイナイトの様な澄んだ瞳。
鈴を転がした様な繊細な声をしていた。
「………あ、これ落としましたよ」
「あっ。ありがとうございます。………あの、もしかして違う所から来たんですか?……でもあなたなら大丈夫そうですけど」
彼女は髪飾りを受け取ると、こちらの事情を見透かしたのかのように話題を持ちかけてきた。
(………不思議な人だな)
美しいのにどこか触れてはいけない。
そんな、まるで呪いの宝石のようにどこか彼女は不思議だ。
「………なんで俺が大丈夫そうだって思ったんだ?後、これ。ポッケから出てたぞ」
手には銃が握られていた。
それを見た彼女は目を輝かせながら言った。
「………す、すごい!一瞬で動いた!あ、ねぇ、仕事とか困ってたらうちで働かない!?一応住み込み!」
こうして、アウトサイダーな主人公の物語が幕を開けたのだった。