8.呼んだ
「賢者殿、何を」
はいはい。エル、将軍が何をしたかお尋ねですよ! エル、一応、職業あったんだね。賢者かー。賢そうだけど・・・。
論戦ではもう負けそうですけど。私への説明は勿論、後からで良いよ。恐ろしすぎて、将軍に答える前に説明して、なんて言えないよ。それぐらいの緊急事態を引き起こしちゃったんじゃないですか? エルさん!
「あー、その・・・。呼んじゃった? 的な」
「どんな敵なのですか?」
ちょっとー! 臨戦態勢、入っちゃったでしょ、エルどうにかして!!
「いやいやいやいや、その敵じゃなくてね。協力者を呼びました」
「そうですか。それでこの状況は?」
ふー。一難、去って無いな。
「多分、」
「多分?」
うわー。言葉には気を付けて、エル!!
「まだ、詳しくは分かっていませんが、」
「それで呼ばれたと?」
エル・・・。墓穴と書いた看板を立てて、そこで嘘つきと書いた札を首から下げて、誤魔化しというスコップで穴を掘っているさまが見えるよ。
「申し訳ありませんでした」
「この状況の改善は?」
「・・・やってみます」
「・・・では、早急に願おう。我は視回りに戻る」
将軍は溜息を吐きたかったのだろうなー、それを抑えてのお言葉、大人です。そして音も残像も無く、将軍は直ぐに動き出したらしい。視界に捉えられないし、気配も感じられないので分からなかったのですが、目の前から消えてしまったのでそうなのでしょう。将軍は能力も高いし、切り替えも早くて有能です。
さて、こちらはエルに問い質しますか。